過去の図面と不具合の記録を生成AIで探せるようにし、ベテランの技術を引き継ぐ

成果過去の図面や記録を探す時間:1件平均40分から5分に

この事例のポイント

  • 失敗の記録は工場長が30年書きためた手書きのノートにしか無く、若手は1日15回ほど工場長を呼んでいた。
  • 工場長の反対を受け、「呼ばれる回数を減らす」と目的をしぼって、図面とノートを言葉で探せるようにした。
  • 手直しが3割減り、反対していた工場長が自分から記録を足すようになった。

事業者のプロフィール

事業内容産業機械の部品をつくる金属加工の会社
所在地富山県
業種製造業
従業員数従業員32名

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 受注の6割は過去に作った部品の改良品だった。似た図面は倉庫の棚の紙と事務所のサーバーに分かれていて、探すのに1件40分ほどかかった。
  • 「このステンレスの薄い筒は、前に溶接で歪んだ」といった失敗の記録は、工場長が30年書きためた手書きのノートにしか無かった。
  • 若手は分からないことがあるたびに機械を止めて工場長を探し、工場長は1日に15回ほど呼ばれていた。工場長を含むベテラン3人は、5年以内に定年を迎える。

やったこと

  1. 工場長からは「図面は見れば分かる。機械に任せることじゃない」と反対が出た。社長は「工場長が呼ばれる回数を減らすため」と目的をしぼって説明し、工場長も試すことを受け入れた。
  2. 事務の社員2人が半年かけて、紙の図面約1万2,000枚と工場長のノート30冊を読み取り、形・材質・取引先で探せるデータにした。
  3. 「SUS304で薄肉の筒、前に歪んだもの」のように言葉で聞くと、近い図面と失敗の記録が出る仕組みを作った。
  4. 最初は検査の担当者だけで使い、工場長が月2回、出てきた答えが正しいかを確かめて直した。3か月後に製造の現場全体に広げた。

事業の効果

  • 過去の図面や記録を探す時間:1件平均40分から5分に
  • 工場長が若手に呼ばれる回数:1日約15回から約4回に
  • 同じ失敗の繰り返しが減り、手直しの件数が前年より3割減った
  • 最初は反対していた工場長が、自分から新しいノートの内容を入れるようになった

今後の展望

見積の段階でも過去の図面と加工時間を引けるようにし、見積の早さと正確さを上げる。

同じ使い方に補助金は使える?

自社の図面や記録を使う検索の仕組みの構築は、ものづくり補助金や省力化投資補助金(一般型)などが対象になりえます。図面の読み取りを外に頼むだけの計画では対象になりにくく、御社の使い方が対象になるかは公募要領の条件で変わります。

AI導入に使える補助金を見る

補助金を使ったAIの採択事例を見る ›

ほかの生成AIの事例

生成AIの事例をすべて見る
出典・補足

この一覧には、採択事例のほかに参考事例も含まれています。