建設業での中小企業省力化投資補助金の使い方を専門家が解説
この記事の要点
中小企業省力化投資補助金は、建設業でも、人手を減らす取組み(省人化)と作業負担を軽くする取組み(省力化)に使えます。カタログ注文型では、機械装置などと一体で使う専用ソフトウェアは対象ですが、生成AIなどのソフトウェアだけを入れる取組みは対象になりません。

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中小企業省力化投資補助金は、建設業でも、人手を減らす取組み(省人化)と作業負担を軽くする取組み(省力化)に使えます。カタログ注文型では、機械装置などと一体で使う専用ソフトウェアは対象ですが、生成AIなどのソフトウェアだけを入れる取組みは対象になりません。
2024年度に始まった省力化投資補助金を、建設業でどう使えるかを知りたい社長も多いはずです。この記事では、省力化投資補助金の概要と、建設業界でのDX・IoT・AIの導入例をまとめます。
中小企業省力化投資補助金とはどんな制度?
中小企業省力化投資補助事業(省力化投資補助金)は、中小企業の省人化・省力化の取組みを支援する補助金です。カタログ注文型と一般型があり、カタログ注文型の補助上限は従業員数に応じて500万〜1,000万円(大幅な賃上げを行う場合750万〜1,500万円)、補助率は1/2以下です1。一般型の補助上限は従業員数に応じて750万〜8,000万円(大幅賃上げ特例の適用時は最大1億円)です2。
上記の資料は、制度が始まった当時(令和5年度補正予算案)のものです。現在の補助上限や要件は、最新の公募要領で確認してください。
制度の詳しい内容は、省力化投資補助金とは?最新情報を速報解説にまとめています。
対象になるのはどんな取組み?
対象になる取組みは、大きく①省人化と②省力化の2つです。
①省人化の取組み:人的工数を削減
省人化とは、業務の工程を見直して、不要な作業を省くことなどにより、人的工数の削減を図ることです。
②省力化の取組み:作業負担の軽減
省力化の取組みは、人員を減らすのではなく、従業員の作業負担を軽減し、生産性の向上を図ることを目的としています。
なお、カタログ注文型で補助対象となる製品本体は、機械装置や工具・器具と、それらと一体として用いられる専用ソフトウェア・情報システム等で、生成AIなどのソフトウェアだけを導入する取組みは対象になりません3。
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建設業のDXとは何をすること?
建設業のDXは、AI・IoT・3Dモデリング・ARなどのデジタル技術で、建設の仕事の進め方を変える取組みです。
DXでは、建設プロセス全体の効率化、業務の自動化、ビジネスモデルの見直しを目指します。
建設業界は、人材不足、技能の引き継ぎ、現場の危険、長時間労働という課題を抱えています。新しい技術やツールの導入は、こうした課題を解く手段として期待されています。
建設業のDXで導入される技術は?
建設業のDXでは、BIM/CIM、AIの画像認識とセンサー、AR・VRの3つの技術が代表的です。
BIM/CIMの導入
BIM(Building Information Modeling)とCIM(Construction Information Modeling)は、建設プロセス全体の効率化と品質向上を目的としています。3次元モデリングを使うと、2次元図面に頼るアナログの作業から抜け出せます。設計ミスが減り、関係者との情報共有も早くなります。
AIによる画像認識とセンサーの導入
AIの画像認識技術やセンサーを使うと、建設現場の安全性と作業の効率を高められます。
例えば、建設機械をAIが自律制御することで、無人でも一定の操作が可能になるなど、AIによる自動化が進んでいます。さらに、AIによる建設機械の自律制御は無人での作業を可能にし、危険な現場作業の削減や安全性の向上つなげられます。
ARとVRの活用
AR(拡張現実)の活用:AR(拡張現実)は、現実の風景にデジタル情報を重ねて見せる技術です。建設業界では、工事の完成形を目で見て理解するために使われます。たとえば、建設現場に完成後イメージを重ね合わせることで、立地の適合性や周辺環境との調和を事前に評価できます。
VR(仮想現実)の導入:一方で、VR(仮想現実)はユーザーを全く異なる環境や空間に没入させる技術です。VRの最大の特徴は、高い空間再現度にあります。建設現場でのVRの活用は、実際の施工前にデザインや計画を立体的に検証するために非常に有用です。
建設業のDXでどんな効果が出ている?
大手ゼネコンでは、作業効率と品質の向上、安全性の向上、遠隔での打合せの3つの効果が出ています。
作業効率と品質の向上(大成建設)
BIM/CIMのような3DモデリングツールやAI、ロボット技術を使うと、建設の工程が効率化されます。設計ミスが減り、情報を正確に共有でき、工期の短縮とコスト削減につながります。
例えば、大成建設では、建設現場での品質向上と安全確認のために、遠隔巡視システム「T-iRemote Inspection」を導入しました。このシステムにより、カメラや双方向コミュニケーション機能を搭載したロボットが、時間や場所に関係なく巡視業務を行えるようになりました。
安全性の向上(竹中工務店と鹿島建設)
建設業界では、現場の安全確保が常に課題です。AIによる画像認識、センサー、遠隔操作システムを入れると、作業員の安全を高められます。高所作業や危険な環境でのリスクが減り、事故の発生を抑える効果があります。
竹中工務店と鹿島建設では、タワークレーン遠隔操作システム「TawaRemo」を導入しました。このシステムには、臨場感を重視した専用タイプと設置が容易な簡易タイプのコックピットがあり、どこからでもタワークレーンを操作できます。高所作業のリスクを減らし、作業時間の短縮に貢献します。
新しいコミュニケーションやコラボ(小柳建設)
AR・VR・MRなどの技術を使うと、工事の内容を立体的に見せながら打合せができます。小柳建設の「Holostruction」のような技術は、離れた場所からの仮想会議や工事の確認をしやすくし、発注者やチームとの意思疎通を助けます。
小柳建設は、MR技術と3次元データを組み合わせた「Holostruction」を開発しました。この技術は、遠隔地からの仮想現実を確認できるもので、現場にいるかのような視点での遠隔コミュニケーションが可能です。
よくある質問
建設業でも省力化投資補助金は使える?
使えます。人手を減らす省人化と、作業負担を軽くする省力化の取組みが対象です。どの機器が対象かは、公式のカタログで確かめます。
生成AIのソフトだけを入れても補助される?
カタログ注文型では補助されません。補助対象の製品本体は、機械装置や工具・器具と、それらと一体で使う専用ソフトウェア・情報システムなどです。ソフトウェアだけの導入は対象外です。
省人化と省力化は何が違う?
省人化は、作業を省いて人の手間を減らすことです。省力化は、人員は減らさずに従業員の作業負担を軽くし、生産性を上げることです。
建設業のDXではどんな技術が使われている?
BIM/CIM、AIの画像認識とセンサー、AR・VRなどです。大手ゼネコンでは、ロボットによる遠隔巡視や、タワークレーンの遠隔操作も導入されています。
省力化投資の相談はどこでできる?
省力化投資補助金の相談は、下のフォームで受け付けています。建設業でどの機器が対象になるか、人手不足の対策にどう使うかを専門家がお答えします。
中小企業診断士 神谷 恒一が内容を確認しました(2026年10月13日)
出典(3件)
- 省力化投資補助金 カタログ注文型 公募要領 改訂No.11 p.7『2-1(1) 補助率及び補助上限額』
- 省力化投資補助金 一般型 第8回 公募要領 p.9『1-4(1)② 補助上限額』
- 省力化投資補助金 カタログ注文型 公募要領 改訂No.11 p.9『2-2(1) 製品本体価格について』
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