ZEB・ZEH補助金を活用してGX推進！補助金と事例紹介

ゼロエネルギービル（ZEB）は、エネルギー効率の向上とCO2削減を同時に実現する持続可能な建物です。しかし、ZEB導入には高額な初期投資が必要となるため、多くの企業にとってハードルが高いのも事実です。そこで注目されるのが、ZEBの導入をサポートする「ZEB補助金」です。2024年の最新制度を活用すれば、エネルギー効率を最大化し、環境負荷を減らしながらコスト削減も可能になります。

本記事では、ZEB補助金の概要や申請方法、成功事例を紹介し、ゼロエミッションを目指す企業にとっての具体的なステップを解説します。

ZEB・ZEHとは？違いを抑えよう

ZEB（ゼロ・エネルギー・ビル）とZEH（ゼロ・エネルギー・ハウス）は、どちらも省エネ・創エネ技術を活用してエネルギー消費量を実質ゼロにする建物ですが、対象とする建物の種類や目指す目標が異なります。

ZEB（ゼロ・エネルギー・ビル）とは

ZEBは「Zero Energy Building」の略で、主に商業施設やオフィスビル、公共施設などの業務用建物が対象です。ZEBでは、以下のような手法でエネルギー消費量を削減します。

1. 省エネ技術の活用：高効率な空調・照明設備や断熱材の導入により、エネルギー消費量を減らす。
2. 創エネ技術の導入：建物に太陽光発電や風力発電設備を設置し、自家発電を行う。

ZEBの目標は、建物全体のエネルギー消費量をゼロ、もしくはそれに近づけることで、カーボンニュートラル化を進めることです。施設の規模や用途に応じて、以下のように段階的なZEB認証が設けられています。

• ZEB Ready：省エネで50%以上削減を達成。
• Nearly ZEB：省エネ・創エネで75%以上削減を達成。
• ZEB：省エネ・創エネでエネルギー消費量が100%削減され、実質ゼロ。
• ZEB Oriented：エネルギー削減を30%以上達成している特定の施設。

ZEH（ゼロ・エネルギー・ハウス）とは

ZEHは「Zero Energy House」の略で、一般住宅が対象です。家族が住む住宅でのエネルギー消費をゼロにすることを目指しており、主に以下の方法を用います。

1. 省エネ対策：高断熱な建材、エコキュートや高効率なエアコンなどを採用し、住宅全体のエネルギー消費を減らす。
2. 創エネ技術の導入：太陽光発電パネルを屋根に設置し、住宅で使用する電力を自家発電する。

ZEHの目標は、住宅における年間の一次エネルギー消費量がゼロ、もしくはそれ以上となることで、快適な居住空間と省エネを両立することです。

ZEBとZEHの違い

項目	ZEB（ゼロ・エネルギー・ビル）	ZEH（ゼロ・エネルギー・ハウス）
対象	商業施設、オフィス、公共施設などの業務用建物	一般住宅
目的	業務用建物のエネルギー消費削減・カーボンニュートラル化	住宅のエネルギー消費削減・快適な住環境の両立
手法	省エネ＋創エネ、ZEB認証レベルに応じた段階的目標	省エネ＋創エネ、家庭向けにシンプルな構造

ZEBとZEHは建物の種類によってアプローチは異なりますが、どちらもエネルギー効率を最大化し、持続可能な環境づくりを目指している点で共通しています。

ZEB・ZEH導入のメリットと重要性

ZEB（ゼロエネルギービル）は、建物の年間消費エネルギーを最小限に抑え、再生可能エネルギーを活用してエネルギー収支をゼロにするビルを指します。断熱性能の向上や高効率な設備機器、太陽光発電などを利用して、エネルギー消費を抑えることが目的です。ZEBは、GX（グリーントランスフォーメーション）において重要な役割を果たしており、企業が持続可能な成長を実現するための象徴的な取り組みとなります。エネルギー消費の削減やCO2排出の抑制に大きく寄与するZEBは、GX推進に不可欠です。

ZEB・ZEH導入がもたらすメリット

ZEBの導入は、エネルギー効率の向上とコスト削減につながります。高性能な断熱材や省エネ設備の導入により、運用コストが削減され、長期的な利益を生み出します。また、環境意識の高まりにより、ZEBを導入することで企業価値も向上します。脱炭素の取り組みを進める企業は、取引先や消費者からの評価が高まり、競争力の強化につながるため、ビジネス上の大きなメリットとなります。

【2024年度版】ZEB・ZEH等に活用できるGX補助金15選

2024年のGX関連の補助金は、多様な業界のニーズに対応し、企業の脱炭素化を強力に支援しています。代表的な補助金制度として以下の15の制度があり、その中で「民間企業等による再エネ主力化・レジリエンス強化促進事業」は、さらに7つの支援メニューに分かれています。

1. 工場・事業場における先導的な脱炭素化取組推進事業 （SHIFT事業）
2. 民間企業等による再エネ主力化・レジリエンス強化促進事業（※a~gに分類 ）
   1. ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業
   2. 新たな手法による再エネ導入・価格低減促進事業
   3. 再エネ主力化に向けた需要側の運転制御設備等導入促進事業
   4. 離島等における再エネ主力化に向けた設備導入等支援事業
   5. 平時の省CO2と災害時避難施設を両立する新手法による建物間融通モデル創出事業
   6. データセンターのゼロエミッション化・レジリエンス強化促進事業
   7. 公共施設の設備制御による地域内再エネ活用モデル構築事業
3. 新築/既存建築物のZEB普及促進支援事業
4. コールドチェーンを支える冷凍冷蔵機器の脱フロン・脱炭素化推進事業
5. 運輸部門の脱炭素化に向けた先進的システム社会実装促進事業
6. 地産地消型再エネ・蓄エネ設備導入促進事業（東京都）
7. 次世代自動車インフラ導入費補助金（千葉県）
8. カーボンニュートラルビジネス支援補助金（群馬県）

これらの補助金を活用することで、企業は環境への影響を軽減しつつ、コスト削減や技術革新を実現することができます。

 

今すぐ無料相談

ZEB・ZEH導入向けGX補助金の活用に向けて

①補助金と助成金の違いを理解する

脱炭素支援には「補助金」と「助成金」がありますが、両者には違いがあり、特に「補助金」は審査が必要なケースが多く、必ずしも支給が確定しているわけではありません。一方、助成金は、対象要件を満たしていれば支給されるケースが多く、自治体が提供することも一般的です。事業内容や申請条件を考慮し、どちらが自社に適しているかを検討することが大切です​。

②申請準備に多くの時間と労力が必要

補助金や助成金の申請には、対象の確認から必要書類の準備、提出まで、多くの手間がかかります。特に、複数の書類が必要な「工場・事業場における先導的な脱炭素化取組推進事業（SHIFT事業）」のようなケースでは、申請準備に数週間を要することも珍しくありません。早めのスケジュール設定と十分な準備が成功の鍵です​。

③支払いは原則後払いであることに注意

多くの補助金・助成金は、事業完了後に報告書提出と審査を経て支払われる「後払い方式」です。事業資金を先に自己負担で用意しなければならないため、資金繰りの確認は必須です。まずは、必要な予算が確保できるかを見極めたうえで、補助金や助成金の活用を検討しましょう​。

2024年のZEB補助金の特徴

2024年のZEB補助金制度は、企業がゼロエネルギービル（ZEB）の導入を促進するために提供されるもので、省エネルギー技術の導入や再生可能エネルギーの活用を支援します。この補助金は、建物のエネルギー効率を最大化するためのプロジェクトに適用され、対象となるのは、空調設備の高効率化、太陽光発電システムの導入、断熱性能の向上などです。特に、エネルギー消費削減の目標を設定し、その実現に向けた取り組みを行う企業が優遇されるのが特徴です。

ZEB補助金活用で期待できる費用削減効果

ZEB補助金を活用することで、企業は初期投資のコストを大幅に削減することが可能です。たとえば、エネルギー効率の高い空調設備や再生可能エネルギー設備の導入にかかる費用の一部を補助金で賄うことで、初期投資の負担が軽減されます。中小企業にとっては、特に補助金の効果が大きく、経営資源が限られる中でも環境負荷を軽減する取り組みを進めやすくなります。一方、大企業でも、長期的なコスト削減や企業価値の向上に大きく寄与します。