会計事務所が仕訳と書類のチェックを生成AIで下書きし、繁忙期の残業を減らす

成果確定申告の時期の残業:月平均45時間から20時間に

この事例のポイント

  • 確定申告の時期は残業が月45時間を超え、新しい顧問の依頼を2年続けて春まで待ってもらっていた。
  • 飲食店のお客さん10社で3か月試し、下書きが9割合うのを確かめてから全体に広げた。
  • 顧問先が18件増え、若手の職員がお客さんとの面談を担当するようになった。

事業者のプロフィール

事業内容個人事業主と小さな会社の記帳と申告を受ける会計事務所
所在地香川県
業種学術研究、専門・技術サービス業
従業員数職員11名

課題と取り組み

抱えていた課題

  • お客さんの領収書は紙・スマホの写真・PDFとばらばらに届き、仕訳の入力に1社あたり月3〜4時間かかっていた。
  • 2月から3月の確定申告の時期は残業が月45時間を超え、所長はこの2年、新しい顧問の依頼を「春まで待ってほしい」と断ってきた。
  • 入社4年目の職員は「打ち合わせ代は会議費か交際費か」で毎回迷い、所長のチェックで直される仕訳が月に200件ほどあった。

やったこと

  1. いきなり全部のお客さんで始めず、書類が多い飲食店のお客さん10社だけで3か月試した。下書きの勘定科目が合っていた割合を毎週数え、9割を超えたところでほかのお客さんに広げた。
  2. 所長と職員2人で、過去3年分のお客さんごとの仕訳約4万件から事務所の判断のくせを洗い出し、「この取引先への支払いは消耗品費」のような決まりを240項目にまとめた。
  3. 書類を読み取ると、生成AIが勘定科目と摘要を下書きし、迷うものだけに印を付けて職員に回す仕組みを作った。
  4. お客さんの書類はAIの学習に使わない設定にし、面談で取り扱いを説明した。1社だけ「よく分からないから紙で」と言ったお客さんは、これまでどおり手で入力している。

事業の効果

  • 確定申告の時期の残業:月平均45時間から20時間に
  • 1社あたりの仕訳の入力:月3〜4時間から約1時間に
  • 所長のチェックで直す仕訳:月約200件から約90件に
  • 春まで待ってもらっていた依頼を受けられるようになり、この1年で顧問先が18件増えた。入社4年目の職員は、空いた時間でお客さんとの月1回の面談を担当している

今後の展望

仕訳のデータから毎月の数字の動きをまとめ、面談で資金繰りや設備投資の相談に乗れるようにする。

同じ使い方に補助金は使える?

自社の業務に合わせた仕訳の下書きの仕組みの構築は、省力化投資補助金(一般型)などが対象になりえます。会計ソフトの月額料金だけでは対象になりにくく、御社の使い方が対象になるかは公募要領の条件で変わります。

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出典・補足

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