展示会への出展は、短期間で多数のバイヤー・商談相手にアプローチできる、中小企業にとって最も効率的な販路開拓の手段の一つです。しかし現実には、ブース代・装飾費・輸送費を合わせると数十万〜数百万円になる出展費用が壁になり、「出展したくてもできない」という企業は少なくありません。
そこで今回の記事では、2026年に展示会出展に使える補助金をご紹介します。
目次
展示会出展助成事業とは?
「展示会出展助成事業」は、東京都中小企業振興公社が実施する、BtoBの展示会出展費用を最大150万円・助成率2/3で補助する制度です。令和7年度から「展示会出展助成プラス」という通称でも呼ばれています。
最大の特徴は年間10回の申請機会があること。毎月申請タイミングがあるため、「出展したい展示会が決まったら申請する」という使い方ができます。対象製品の制限がなく、幅広い都内中小企業が活用できる点も大きな強みです。
同じ公社の「市場開拓助成事業」(最大300万円)との違い: 市場開拓助成事業は「公社・都の評価を受けた製品」または「成長産業分野の製品」が必要。本事業は製品の評価実績が不要で、より多くの企業が申請できます。
助成上限・助成率・公募回数
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 助成限度額 | 150万円(下限額10万円) |
| 助成率 | 2/3以内 |
| 申請回数 | 年間10回(毎月申請機会あり) |
| 対象展示会 | BtoBを主目的とする展示会 |
| 対象者 | 都内中小企業者・個人事業主 |
| 担当 | 助成課(TEL:03-3251-7895) |
2026年度の申請スケジュール
令和8年4月1日〜令和9年1月14日の間で規定日ごとに全10回の受付が設けられています。
| 回次 | 申請期間(予定) | 状況 |
|---|---|---|
| 第1回 | 2026年4月(終了) | 終了 |
| 第2〜9回 | 毎月設定 | 順次受付中 |
| 第10回 | 2027年1月14日 | 受付予定 |
秋以降も毎月申請機会があります。出展予定の展示会が決まったら、最寄りの申請タイミングで申請しましょう。
申請要件
本事業には、申請前に満たすべき2つの前提条件があります。
1. 無料経営分析の受診(必須)
最寄りの都内商工会議所・商工会、東京都商工会連合会が実施する「中小企業活力向上プロジェクトアドバンスプラス」の無料経営分析を受診していること。
無料経営分析の申込:https://www.keieiryoku.jp/consult/
問い合わせ:TEL 03-3283-7388(平日9〜17時、12〜13時除く)
2. GビズIDプライムの取得(必須)
申請はJグランツ(電子申請システム)のみ。利用にはGビズIDプライムアカウントが必要です。発行には通常2〜3週間かかるため、早めの取得を推奨します。
詳しくはこちら:GビズIDとは?プライムアカウントの取得方法と注意点
対象となる展示会の条件
すべての展示会が対象になるわけではありません。以下の条件を満たす展示会への出展が対象です。
- BtoB(事業者間商談)を主たる目的とする展示会であること
- 交付決定日の翌月1日以降に開催される展示会であること
- 主催者発行の出展案内(出展要項)が公開・公募されていること
- 申請事業者の販路拡大を主たる出展目的としていること
BtoCを主目的とする展示会(消費者向けの物販イベント・フリマなど)は対象外です。
補助対象となる主な経費
展示会出展費
- 出展小間料(ブース代)
- 装飾・設営費(小間装飾、パネル・バナー制作)
- 輸送費(展示品の搬入・搬出)
販売促進費
- カタログ・パンフレット・チラシの制作費
- 動画制作費(展示会向けプロモーション映像)
- Webサイト制作・改修費(展示会向けランディングページなど)
※「展示会等参加費(出展費)」の申請は必須です。販売促進費のみの申請はできません。
補助対象外となる経費
- BtoC向けの展示会・消費者イベントへの出展費
- 既製品・汎用品(PC・スマートフォン等)
- 会場内での飲食・接待費
- 交通費・宿泊費(国内展示会の場合)
- 消費税(課税事業者)
- 交付決定前に発注・支払いした経費
- 前年度の助成金の入金前に申請する経費
申請の主な流れ
- GビズIDプライムの取得(2〜3週間かかるため早めに)
- 無料経営分析の受診(都内商工会議所・商工会で実施)
- 出展予定の展示会の確認(対象展示会かどうかの事前確認)
- 申請書類の準備(出展要項・見積書・事業計画書など)
- Jグランツで電子申請(毎月の申請タイミングに合わせて)
- 書類審査
- 採択・交付決定通知
- 展示会への出展(交付決定後から実施)
- 実績報告・助成金の請求
市場開拓助成事業との違い
公社で展示会出展に使える助成金は2つあります。名前が似ていて混同しやすいため、それぞれの違いを正確に把握したうえで申請先を選びましょう。
| 項目 | 展示会出展助成事業 | 市場開拓助成事業 |
|---|---|---|
| 助成限度額 | 150万円 | 300万円 |
| 助成率 | 2/3以内 | 1/2以内 |
| 対象製品 | 制限なし | 評価・成長分野のみ |
| 申請回数 | 年10回(毎月) | 年1〜2回 |
| 対象経費 | 出展費+販促費 | 出展費+広告費等 |
| Webサイト制作費 | 対象 | 対象外 |
| 動画制作費 | 対象 | 条件による |
| 間口の広さ | ◎ 誰でも使いやすい | △ 製品要件あり |
どちらを選ぶべきか?
展示会出展助成事業が向いているケース
- 公社・都から評価を受けた製品や成長産業分野の製品がない
- とにかく早く申請したい(毎月機会がある)
- Webサイトや動画もまとめて助成対象にしたい
- 助成率の高さ(2/3)を重視したい
市場開拓助成事業が向いているケース
- 公社の新製品・新技術開発助成事業の採択実績がある
- 東京都・公社のビジネスコンテストで評価・受賞した製品がある
- 医療・環境・AI・ロボットなど成長産業分野の製品を持っている
- 助成限度額の大きさ(300万円)を重視したい
- 海外展示会で渡航費も含めてできるだけ多く助成を受けたい
市場開拓助成事業の詳細記事はこちらで解説しています・
採択のポイント
- 「販路拡大」の目的を具体的に書く
本事業は「販路拡大のための展示会出展」が前提です。「どの市場・顧客層に向けて」「何を達成するために出展するのか」を具体的に記載しましょう。 - 出展する展示会の選定が重要
BtoC向け展示会は対象外のため、事前に展示会の性質を確認することが必要です。判断が難しい場合は、申請前に担当課(03-3251-7895)へ相談を。 - 毎月の申請タイミングを逃さない
年10回の申請機会がありますが、各回の申請受付期間は短い傾向があります。出展予定が決まったら早めに準備を始めましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 製品の評価実績がなくても申請できますか?
A. はい、本事業は対象製品の制限がありません。都内で実質的に事業を営んでいる中小企業・個人事業主であれば申請できます。
Q. 海外の展示会も対象ですか?
A. はい、海外展示会も対象です。ただし、渡航費・宿泊費は対象外です。
Q. 同じ展示会に毎年申請できますか?
A. 前年度の助成金が入金された後(入金の翌日以降)であれば、翌年度の同展示会への申請も可能です。ただし、同一年度内の同一展示会への重複申請は不可です。
Q. 無料経営分析はどこで受けられますか?
A. 最寄りの都内商工会議所・商工会、または東京都商工会連合会で受診できます。申込はhttps://www.keieiryoku.jp/consult/ から。
Q. Webサイトの制作費だけで申請できますか?
A. いいえ、展示会出展費(小間料など)の申請が必須です。Webサイト制作費は販売促進費として、展示会出展費と併せて申請することで対象になります。
Q. GビズIDはどのくらいで取得できますか?
A. 書類に問題がない場合、通常2〜3週間かかります。申請タイミングの直前では間に合わない可能性があるため、出展予定が決まったらすぐに申請手続きを開始してください。
Q. 採択率はどのくらいですか?
A. 公社は採択率を公表していません。ただし、本事業は審査基準が比較的シンプルで、要件を満たした申請であれば採択されやすい傾向があります。
問い合わせ先・関連リンク
- 担当: 公益財団法人 東京都中小企業振興公社 助成課
- TEL: 03-3251-7895
- 公式ページ: https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/jigyo/tenjikai/r8/index.html
- 無料経営分析申込: https://www.keieiryoku.jp/consult/
- 関連: 市場開拓助成事業(評価製品向け・最大300万円)
まとめ
展示会出展助成事業(展示会出展助成プラス)は、対象製品の制限なく都内中小企業が使える、使い勝手のよい展示会補助金です。
- 助成率2/3・最大150万円で出展費用の大部分をカバー
- 年10回の申請機会で、出展予定に合わせて柔軟に申請できる
- BtoBの展示会であれば業種・製品を問わず申請可能
展示会に使える補助金|小規模事業者持続化補助金
展示会出展助成事業は「展示会の出展」に特化した制度ですが、広告費・販促費・ホームページ制作・展示会出展といった「販路開拓・集客」のための費用は対象外です。そこで合わせて知っておきたいのが、小規模事業者持続化補助金(持続化補助金)です。
持続化補助金は国が運営する補助金で、小規模事業者の販路開拓や業務効率化を支援します。本補助金では使えない費用区分をカバーできるため、使い分けるのが賢いやり方です。
持続化補助金の主な対象経費
機械装置等費、広報費(チラシ・Web広告など)、展示会出展費(出展料など)、開発費(試作品など)、委託費(ホームページ・システム開発)、外注費(Web制作・動画・キッチンカーなど)、雑役務費(アルバイトなど)といった経費が対象になります。旅費・資料購入費・借料・専門家謝金・設備処分費なども含まれ、幅広い用途に使えます。
→ 対象経費の詳細はこちら 【2026年最新】小規模事業者持続化補助金の補助対象経費を詳しく解説
小規模事業者持続化補助金 申請枠
| 枠 | こんな事業者におすすめ |
|---|---|
| 通常枠 | 販路開拓・広告・チラシ制作に使いたい方 |
| インボイス特例 | インボイス対応で費用が増えた事業者 |
| 賃金引上げ特例 | 従業員の給与アップを予定している方 |
| 災害支援枠 | 被災事業者の再建・復旧を目指す方 |
| 創業型 | 創業間もない・これから事業を始める方 |
| 共同・協業型 | 複数事業者で連携して取り組む場合 |
| ビジネスコミュニティ型 | 商工会や団体での取り組み向け |
最も多くの事業者が選ぶのは通常枠ですが、賃上げや創業の予定がある場合は特別枠の方が有利になるケースもあります。
→ どの枠が自社に合うか、まずはこちらで確認 持続化補助金の申請枠(通常枠・特別枠)を徹底比較
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参考・引用資料
本記事は以下の公式資料をもとに作成しています。
岡山市中小企業設備投資支援補助金 公式ページ(岡山市)
岡山市公式ホームページ
免責事項
本記事は岡山市が公表している公式資料をもとに情報提供を目的として作成しています。補助金は公募回ごとに補助率・上限額・対象要件・スケジュールが変更される場合があります。申請前に必ず最新の公募要領および岡山市窓口にてご確認ください。本記事の情報に基づいて生じた損害・損失について、当サイトは一切の責任を負いかねます。
※ 本記事の情報は2026年5月時点のものです。詳細・最新情報は必ず岡山市公式ページでご確認ください。
PROFILE

- 中小企業診断士 / 資金調達・補助金コンサルタント / 外資系戦略コンサルティングファーム出身。独立後、事業再構築補助金・ものづくり補助金を中心に200社超の資金調達を支援し、採択率80%以上を継続して維持しています。補助金申請において最も難しいのは「書類を書くこと」ではなく、「審査員に刺さる事業計画を設計すること」です。戦略コンサルとしての経験を活かし、単なる申請代行ではなく、事業計画の立案から採択後の実行フェーズまでを一気通貫でサポートすることを強みとしています。これまでの支援先は製造業・小売業・サービス業など幅広く、初めての補助金申請から複数回採択の実績づくりまで対応しています。また、補助金メディアの執筆者として1,000本超の記事を執筆。最新の制度情報・審査傾向を常にアップデートしながら、読者と支援先の双方に正確な情報を届けることを使命としています。
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