デジタル化・AI導入補助金2026【セキュリティ対策推進枠】補助率・対象サービス・手順を解説

デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)

セキュリティ対策推進枠は、5枠の中で最も「入口の要件」が厳しい枠です。他の枠では★一つ星でも申請できるSECURITY ACTION宣言が、この枠では★★二つ星が必須です。また対象ツールが「IPAのサイバーセキュリティお助け隊サービスリスト掲載サービス」に限定されており、自由にツールを選べる通常枠とは性質が大きく異なります。

2026年4月からはSECURITY ACTION自体の申込方法が変わり、GビズIDとの紐付けが必須になっています。この手続きを知らずに申請直前に慌てるケースが増えているため、この記事では補助率・対象サービスの確認方法に加え、SECURITY ACTION宣言の最新手順まで合わせて解説します。

デジタル化・AI導入補助金2026とは?

デジタル化・AI導入補助金は、小規模事業者持続化補助金ものづくり補助金新事業進出補助金と並び、通年で公募が行われている補助金です。年3〜4回の公募サイクルで実施されており、申請のチャンスが複数あります。

デジタル化・AI導入補助金、2026年3月30日に申請受付開始 | ツギノジダイ

デジタル化・AI導入補助金は、中小企業・小規模事業者・個人事業主が業務効率化・生産性向上のためにITツールやAIシステムを導入する際の費用を国が補助する制度です。2026年より従来の「IT導入補助金」から名称が変更され、生成AI対応ツールへの補助が明確化されました。

詳しくはこちら:【2026年最新】デジタル化・AI導入補助金の新枠・対象・採択ポイントを徹底解説

セキュリティ対策推進枠とは?

セキュリティ対策推進枠は、中小企業・小規模事業者がサイバー攻撃や情報漏洩への対策を強化するためにセキュリティサービスを導入する費用を補助する枠です。

他の枠と異なり、対象サービスがIPAの「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」掲載サービスに限定されています。相談窓口・24時間監視・初動対応・簡易サイバー保険をワンパッケージで提供するマネージドセキュリティサービスが主な対象です。申請要件としてSECURITY ACTION★★二つ星の宣言が必須で、他の4枠(★一つ星でも可)より入口の要件が厳しい枠です。

補助率と補助額

セキュリティ対策推進枠の補助率は、事業者の規模によって異なります。

事業者区分 補助率 補助額
小規模事業者 2/3以内 5万円〜150万円
中小企業 1/2以内 5万円〜150万円

出典:中小企業デジタル化・AI導入支援事業「セキュリティ対策推進枠」公式ページ https://it-shien.smrj.go.jp/applicant/subsidy/security/

補助対象はサービス利用料(最大2年分)です。月額利用料のあるマネージドセキュリティサービスが主な対象になります。

補助金額の試算例

月額3万円のサイバーセキュリティお助け隊サービスを2年間契約した場合:72万円 × 1/2(中小企業)= 補助最大36万円

月額5万円のサービスの場合:120万円 × 2/3(小規模事業者)= 補助最大80万円


対象サービスの確認方法

この枠の最大の特徴は、対象ツールがIPAの「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」掲載サービスに限定されている点です。通常枠のように幅広いITツールから選べるわけではなく、このリストに載っているサービスのうち、さらにIT導入支援事業者が事務局に登録したものだけが補助対象になります。

サイバーセキュリティお助け隊サービスとは、IPAが定義する以下の4要素をワンパッケージで提供するサービスです。

  • 相談窓口:セキュリティに関する相談対応
  • 異常の監視:24時間365日のリアルタイム監視
  • 初動対応:インシデント発生時の駆けつけ支援
  • 簡易サイバー保険:被害発生時の費用補償

これらをまとめて提供するマネージドセキュリティサービス(MSS)が主な対象です。EDRやUTMなどの単体セキュリティ製品は、このリストに掲載されていない限り対象外になります。

対象サービスの一覧はIPAの公式サイトで確認できます。 → サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト:https://www.ipa.go.jp/security/otasuketai-pr/index.html


SECURITY ACTION宣言の手順

セキュリティ対策推進枠の申請には★★二つ星の宣言が必須です。他の枠でも★一つ星が申請要件になっているため、補助金申請を検討している事業者はまずここから着手してください。

一つ星と二つ星の違い

  • ★一つ星:「情報セキュリティ6か条」に取り組むことを宣言
  • ★★二つ星:一つ星の内容に加え、「5分でできる!情報セキュリティ自社診断」を実施し、情報セキュリティ基本方針を策定・公開したことを宣言

セキュリティ対策推進枠はこの★★二つ星が必須です。

2026年4月以降の申込手順

2026年4月1日よりSECURITY ACTIONの申込方法が変わり、自己宣言の申し込みにはGビズIDプライムまたはメンバーのアカウントが必須になっています。以前の方法で取得した自己宣言IDは、第2次公募(2026年5月12日17時以降)からは使用できなくなっています。

手順は以下のとおりです。

  1. GビズIDプライムアカウントを取得(未取得の場合は2〜4週間かかる)
  2. SECURITY ACTION管理システム(https://www.ipa.go.jp/security/security-action/)にGビズIDでログイン
  3. 二つ星の場合は「5分でできる!情報セキュリティ自社診断」を実施し、情報セキュリティ基本方針を策定・自社サイト等で公開
  4. 申請フォームに事業者情報・取り組み内容を入力・送信
  5. 事務局から自己宣言IDの発行通知メールを受信(発行までの期間はおおむね2〜3日)

GビズIDの取得が最初のボトルネックです。GビズID未取得の状態から申請準備を始める場合、SECURITY ACTION宣言の完了まで最低でも3〜4週間は見ておく必要があります。

採択率と審査傾向

セキュリティ対策推進枠は、他の枠と比べて申請件数が極めて少ない枠です。

2024年度の実績は申請730件・採択360件・採択率約49.3%でした(出典:中小企業庁「デジタル化・AI導入補助金2026の概要」令和8年4月)。申請件数がインボイス対応類型の約1/77であることからも、認知度の低さが分かります。

採択率49.3%という数字は5枠の中で中程度ですが、件数が少ないため傾向の読み取りには限界があります。対象サービスがリスト掲載に限定されており、ツール選定の余地が小さい分、審査での差がつきにくい構造でもあります。採択を左右するのは主に「事業計画書の完成度」と「自社のセキュリティリスクの具体的な説明」です。

申請のポイント

① 対象サービスの確認を最初に行う

ツールの選択肢が限定されているため、「使いたいサービスが対象か」の確認が他の枠より先に必要です。IT導入支援事業者に相談する前に、IPAのサービスリストで候補を絞っておくと話が早くなります。

② ★★二つ星の準備には時間がかかる

二つ星の宣言には情報セキュリティ基本方針の策定と公開が必要です。自社サイトへの掲載が一般的ですが、サイトを持っていない事業者は別の公開方法(取引先への文書送付等)を検討する必要があります。申請の2〜3週間前には着手してください。

③ 通常枠と同時申請が可能

セキュリティ対策推進枠は通常枠・インボイス枠と同一申請期間内に並行申請できます。業務効率化ツールと合わせてセキュリティ対策も補助金で整備したい場合は、両枠の同時申請が有効です。

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よくある質問

Q1. 既存のウイルス対策ソフトの更新費用は対象になりますか?

IPAのサイバーセキュリティお助け隊サービスリストに掲載されているサービスのみが対象です。一般的なウイルス対策ソフト(Norton、ウイルスバスター等)は対象外です。ただし、これらのベンダーがお助け隊サービスとして別途登録している場合は対象になるケースがあります。サービスリストで個別に確認してください。

Q2. セキュリティ対策推進枠だけ申請する場合も通常枠と同じ流れですか?

基本的な申請フローは同じです。GビズIDの取得→SECURITY ACTION★★宣言→IT導入支援事業者との連携→交付申請、という手順になります。この枠固有の点は、二つ星宣言が必須であることと、対象ツールがお助け隊サービスリストに限定されていることです。

Q3. 情報セキュリティ基本方針はどう作ればいいですか?

IPAが「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」および基本方針のひな型を公開しています。ひな型をもとに自社の実態に合わせて修正・作成できます。→ IPAガイドライン:https://www.ipa.go.jp/security/guide/sme/

参考・引用資料

本記事は以下の公式資料をもとに作成しています。


免責事項

本記事について

本記事は、中小企業庁・独立行政法人中小企業基盤整備機構・デジタル庁等が公表している公式資料をもとに、情報提供を目的として作成しています。特定の補助金申請の採択や補助金受給を保証・推奨するものではありません。

制度変更について

デジタル化・AI導入関連補助金は、公募回ごとに補助率・補助上限額・対象経費・申請要件・スケジュール等が変更される場合があります。制度内容は予告なく変更される可能性があるため、申請前に必ず最新の公募要領・公式サイトをご確認ください。

申請の際は必ずご確認ください

  • デジタル化・AI導入補助金公式サイトに掲載されている最新公募要領
  • AIツール・ITツールの補助対象可否
  • GビズIDプライムアカウントの取得状況
  • 認定支援機関・IT導入支援事業者等への相談

著作権

本記事の文章・構成の著作権は leon-strategy.com に帰属します。引用・転載の際は出典を明記してください。

本記事の情報は2026年5月時点のものです。補助率・対象サービス・SECURITY ACTIONの手続きは変更になる場合があります。申請前に必ず最新の公募要領およびIPA公式サイトをご確認ください。 出典:中小企業庁「デジタル化・AI導入補助金2026の概要」令和8年4月 / セキュリティ対策推進枠公式ページ https://it-shien.smrj.go.jp/applicant/subsidy/security/ / IPA「SECURITY ACTION」 https://www.ipa.go.jp/security/security-action/

PROFILE

神谷 恒一
神谷 恒一
中小企業診断士 / 資金調達・補助金コンサルタント / 外資系戦略コンサルティングファーム出身。独立後、事業再構築補助金・ものづくり補助金を中心に200社超の資金調達を支援し、採択率80%以上を継続して維持しています。補助金申請において最も難しいのは「書類を書くこと」ではなく、「審査員に刺さる事業計画を設計すること」です。戦略コンサルとしての経験を活かし、単なる申請代行ではなく、事業計画の立案から採択後の実行フェーズまでを一気通貫でサポートすることを強みとしています。これまでの支援先は製造業・小売業・サービス業など幅広く、初めての補助金申請から複数回採択の実績づくりまで対応しています。また、補助金メディアの執筆者として1,000本超の記事を執筆。最新の制度情報・審査傾向を常にアップデートしながら、読者と支援先の双方に正確な情報を届けることを使命としています。

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