起業・創業時に創業融資を受ける選択肢もあるでしょう。創業融資は借りておくべきなのでしょうか?この記事では、起業・創業時の創業融資の重要性やメリットについて解説します。これから創業される方、創業して間もない方の資金繰りの参考になれば幸いです。
目次
創業融資とは
創業融資とは、日本政策金融公庫が貸付ける融資制度のことです。 創業直後は収入が十分に得られないことも多く、事業に必要な備品代やオフィス・店舗の賃料などの支払にあたって資金を外部から調達したい事業者も少なくないでしょう。
しかし創業当初は事業の実績がないため、民間金融機関の通常の融資は受けにくいことが一般的です。創業融資制度はこのような新たに起業・事業を開始する方に向けて、事業実績がなくても比較的借入れしやすい融資制度となっています。
日本政策金融公庫とは
日本政策金融公庫(公庫)とは、国が100%出資する金融機関で、地域の身近な金融機関として、創業者や小規模事業者に向けた事業資金の融資を行っている政府系金融機関です。
公庫では、これから起業や開業する方に向けて、まだ実績や売上の少ない企業にも貸付を行っています。それらの融資制度を新創業融資制度と呼びます。
創業融資は借りるべき?
起業や開業する際、創業融資を借りる選択肢もあります。この創業融資は借りておくべきなのでしょうか?
例えば、店舗ビジネスを展開する場合、家賃や内外装費用、仕入れなど、多くの諸経費が発生します。すべて自己負担で賄えれば良いですが、場合によっては1千万円以上かかることもあります。中長期的なキャッシュフローを安定させるためにも、自身の預貯金と必要資金のバランスは考えておいた方が良いでしょう。
創業初年度は6割が赤字になる
また意外と創業初年度は赤字になる企業が多いです。商工会議所の調査によれば、創業1年目の企業では、約6割が赤字となっています。3 年目以降の企業では、黒字と収支トントンを合わせて7~8割の企業が採算を確保している状況ですが、創業1~2年は赤字になってしまう場合もあることを理解しておきましょう。
創業融資を借りるメリット
創業融資を活用する際、長期返済のオプションを選ぶことの価値は計り知れません。特に、無担保・無保証での融資が可能な場合、そのメリットはさらに大きくなります。
一例として、1000万円の融資を考えてみましょう。この額を短期間、例えば1年で返済しようとすると、月々の返済額はおよそ83万円になります。これは、特に新しく事業を始めたばかりのビジネスにとって、かなりの負担です。
しかし、同じ1000万円を10年の長期にわたって返済すると、月々の返済額は大幅に減少します。具体的には、月々約8万3千円程度となり、これならビジネスが軌道に乗るまでの資金繰りに大きな余裕をもたらします。
加えて、金利が約2%前後であれば、長期にわたる返済でも金利の負担はそれほど重くなりません。これにより、ビジネスの初期段階での再投資や成長への集中が可能になるのです。
要するに、無担保・無保証で低金利の長期資金を借りることは、創業において大きなアドバンテージとなり得ます。毎月の返済額を抑えることで、新しいビジネスの成功の道を切り開くことができるのです。
結論|創業融資は借りるべき
結論、可能であれば創業初年度又は起業前に創業融資は借りるべきです。創業初年度は何かと経費がかかり、創業赤字になることは珍しくありません。
自身の預貯金と必要資金のバランスもありますが、中長期のキャッシュフローを考えた場合、最初に融資を受けることで将来のビジネス展開を有利に進めることができるからです。
もし融資を受けて余ってしまった場合、返してしまえばいいのです。公庫は利率も低く、大きな損にはなりません。できる限り借りておくことをおすすめします。
創業融資の相談窓口
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兵庫県出身、関西学院大学卒。調達件数100社以上、成功確率80%超。
東証プライム上場の事業会社→コンサルファームを経て2023年起業。経営者の新たな挑戦をサポートするため、事業再構築補助金やものづくり補助金、融資等を活用した資金調達支援やインキュベーション事業、イベント事業を提供しています。
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