事業再構築補助金 【給与総額増加要件】を解説

事業再構築補助金

今回は、事業再構築補助金における「給与総額増加要件」について解説します。

事業再構築補助金 給与総額増加要件とは

給与総額増加要件」は簡単にいうと、申請する計画書において『給与支給総額を年率平均2%以上増加』させることです。詳細は以下の通り。

【給与総額増加要件】について
応募申請にあたり、以下の点に留意してください。
ア.補助事業実施期間の終了時点が含まれる事業年度の給与支給総額を基準とし、補助事業終了後の3~5年の事業計画期間中、給与支給総額を年率平均で2%(賃上げ加点を受ける事業者は3~5%。)以上増加させる計画を作成し、適切に実行いただく必要があります

事業再構築補助金 公募要領P19-20

給与支給総額の定義

人件費と混同されることが多いですが、事業再構築補助金における「給与支給総額」とは、法人であれば法人の『法人事業概況説明書(裏面)の人件費の欄』に記載された金額となります。

一方、個人事業主の場合の「給与支給総額」は所得税青色申告決算書の『給与賃金』『専従者給与』『青色申告特別控除前の所得金額』の欄に記載された合計金額になります。

給与支給総額はこちらの記事で詳しく解説しています。

年率平均2%以上増加とは

比較対象元

まず「比較対象元」となる基準は「補助事業実施期間の終了時点が含まれる事業年度の給与支給総額」が基準となります。例えば、12月決算の会社の場合、2024年中に補助事業を終了して実績報告をする時は、2024年12月期の給与支給総額が基準となります。

比較期間

増加させる期間ですが『補助事業終了後の3~5年の事業計画期間中』となります。年率平均ですので、3か年計画の場合は、3年終了時点で、基準時点より6%以上増加。また5年の場合は、5年終了時で、基準時点より10%以上増加ということになります。

給与総額増加要件の対象となる申請枠

給与総額増加要件が求められるのは以下の申請枠(類型)です。

  • 成長枠
  • グリーン成長枠
  • 卒業促進枠(グリーン成長枠、成長枠)
  • 大規模賃金引上枠(グリーン成長枠、成長枠)

一方で、「産業構造転換枠、サプライチェーン強靱化枠、最低賃金枠、物価高騰対策・回復再生応援枠」は給与総額増加要件が必要ありません。

給与総額増加要件が認められない場合

一時的な給与の引下げは認められない

意図的に給与を引下げたりして要件を満たしても認められないので注意が必要です。

応募以降に給与支給総額を引き下げることにより本要件を達成することは認められません。

事業再構築補助金 公募要領P19-20

給与総額増加要件が未達の場合

今のところ、申請時に計画した給与増加要件が未達であった場合でも、補助金の返還は義務付けられていません。しかし、下記のように事業者名が公表される場合もあるため達成可能な計画を策定しましょう。

応募時に賃金引上げ計画の誓約書を提出してください。また、正当な理由無く、上記の水準に達していなかった場合には、その事業者名を公表します。

事業再構築補助金 公募要領P19-20

給与総額増加要件で必要となる書類

給与総額増加要件に申請するには下記2つの書類が必要です。「賃金引上げ計画の誓約書」が事務局サイトからDLできます。「賃金台帳の写し」は直近決算分が必要となるため、事業者で準備する必要があります。

  • 賃金引上げ計画の誓約書(事業者名)
  • 賃金台帳の写し(事業者名)

こちらからDLできます

まとめ

今回は事業再構築補助金の「給与総額増加要件」について解説しました。給与総額増加要件は成長枠、グリーン成長枠、卒業促進枠、大規模賃金引上枠に申請する際の必須要件です。確実に採択されるためにも、正しくポイントを押さえた上で、万全な準備を進めていきましょう。

事業再構築補助金 申請相談窓口

事業再構築補助金に関するご相談はこちらです。フォームを送信すると担当者が詳しい内容をご説明します。


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PROFILE

稲野 健夫(代表取締役)
稲野 健夫(代表取締役)
兵庫県出身、関西学院大学卒。調達件数100社以上、成功確率80%超。
東証プライム上場の事業会社→コンサルファームを経て2023年起業。経営者の新たな挑戦をサポートするため、事業再構築補助金やものづくり補助金、融資等を活用した資金調達支援やインキュベーション事業、イベント事業を提供しています。

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