この記事では、これから起業・開業する方に向けて、無担保・無保証の新創業融資制度をわかりやすく解説します。
目次
日本政策金融公庫とは
日本政策金融公庫(公庫)とは、国が100%出資する金融機関で、地域の身近な金融機関として、創業者や小規模事業者に向けた事業資金の融資を行っている政府系金融機関です。
公庫では、これから起業や開業する方に向けて、まだ実績や売上の少ない企業にも貸付を行っています。それらの融資制度を新創業融資制度と呼びます。
新創業融資制度とは
新創業融資制度は、新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を2期終えていない方を対象にしています。原則として無担保・無保証人で、最大3,000万円(そのうち運転資金は1,500万円)までの融資が可能です。これから創業する方や創業後に税務申告を1期終えていない方は、創業に必要な資金の10分の1以上の自己資金がないと、新創業融資制度の申し込みができません。
新創業融資制度 自己資金要件
ただし、現在勤めている企業と同じ業種の事業を始める場合、「6年以上同じ企業に勤めている方」または「現在の企業と同じ業種(開業する業種)に通算6年以上勤めている方」であれば、自己資金の要件を満たしたものとされます。その他にも、大学などで修得した技能と密接に関連した職種に継続して2年以上勤め、その職種に関連した事業を始める方なども、自己資金の要件は問われません。
詳しくは「新創業融資制度の『自己資金の要件を満たすものとする要件』 」でご確認ください。
新創業融資制度 金利と返済期間
新創業融資制度の金利は、約2%前後で設定されていますが、市場の動向によって変動するため、最新の情報は日本政策金融公庫のウェブサイトで確認する必要があります。無保証人・無担保の融資にしては、この金利は比較的低めに抑えられています。
返済期間の設定にも柔軟性があります。設備資金の場合、最長20年の返済期間を設定でき、運転資金でも最長7年までの返済期間が可能です。これにより、無理なく返済計画を立てることができます。
また、最初の2年間は据置期間を設定することも可能です。据置期間中は、元本の返済を待ってもらい、利息のみを支払うことになります。
新創業融資制度 メリット
新創業融資制度 融資実績
新創業融資制度の融資実績は全国で毎年2万件程度の実績があります。事業計画書を入念に作成することで、融資をしてもらうことは十分に可能です。
しかし、すべての事業者が審査に通過するわけではありません。融資獲得率は約50~60%と言われているため、半分くらいの人は借入れすることができないのです。また融資を大幅に減額されてしまう場合もあります。
その他の創業融資制度
新創業融資制度以外にも、日本政策金融公庫からは以下の創業融資制度があります。自身の状況に合わせて検討を進めてください。
新規開業資金
新規開業資金は、新たに事業を始める方、または事業開始後おおむね7年以内の方を対象にした融資です。融資限度額は7,200万円で、そのうち運転資金は4,800万円になります。また、担保と保証人が必要です。
新規開業資金では、自己資金の要件は設けられていません。ただし、「Uターン等により地方で新たに事業を始める方」や「技術・ノウハウ等に新規性がみられる方」など所定の要件を満たした場合は、基準利率よりも低い特別利率が適用されます。
女性、若者/シニア起業家支援資金
女性、若者/シニア起業家支援資金は、名称のとおり、女性や若者、シニア世代の起業や開業を支援する融資制度です。利用できるのは、「女性または35歳未満か55歳以上の方」で、なおかつ「新たに事業を始める方、または事業開始後おおむね7年以内の方」です。
融資限度額は、新規開業資金と同様に7,200万円で、そのうち運転資金は4,800万円です。また、担保と保証人が必要です。
上記で紹介した内容以外にも、日本政策金融公庫では融資制度ごとにさまざまな要件が定められています。融資を検討する際には、必ずWebサイトを確認したり、専門家に相談するようにしてください。
新創業融資制度の相談窓口
新創業融資制度の申請や活用に関する相談はこちらです。今まで融資等を利用したことのない事業者様も利用できるようフルサポートを提供します。
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PROFILE

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兵庫県出身、関西学院大学卒。調達件数100社以上、成功確率80%超。
東証プライム上場の事業会社→コンサルファームを経て2023年起業。経営者の新たな挑戦をサポートするため、事業再構築補助金やものづくり補助金、融資等を活用した資金調達支援やインキュベーション事業、イベント事業を提供しています。
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