事業再構築補助金における従業員数の定義を解説

事業再構築補助金

はじめに

事業再構築補助金申請において、労働者名簿は不可欠な書類の一つで、正確な作成が求められます。労働者名簿は、従業員の基本情報を明示し、補助金の対象範囲を明確化する重要な役割を果たします。本記事では、労働者名簿の作成ポイントと労働法に基づく定義を解説し、従業員の正確なカウント方法を提供します。

労働者名簿とは?書くべき事項を解説

労働者名簿とは労働基準法第107条で定められた、従業員の個人情報を記入してある書類のことをいいます。労働基準法第107条では労働者名簿について下記の通り、定められています。

使用者は、各事業場ごとに労働者名簿を、各労働者(日日雇い入れられる者を除く。)について調製し、労働者の氏名、生年月日、履歴その他厚生労働省令で定める事項を記入しなければならない。

厚生労働省令で定める事項は下記の通り。

  • 氏名
  • 生年月日
  • 履歴
  • 性別
  • 住所
  • 業務内容
  • 入社した年月日
  • 退職(解雇)した年月日とその理由
  • 死亡した年月日とその原因

労働者名簿は従業員数が1人以上いれば、法人・個人事業主いずれも必ず作成しなければなりません。
ですので、万一労働者名簿を作成していないという事業者の方がいましたら、事業再構築補助金に関わらず必ず作成するようにしましょう。

労働者はどこからどこまでが対象?

常勤従業員は、中小企業基本法上の「常時使用する従業員」をいい、労働基準法第 20 条の規定に基づく「予め解雇の予告を必要とする者」と解されます。これには、日々雇い入れられる者、2 か月以内の期間を定めて使用される者、季節的業務に 4 か月以内の期間を定めて使用される者、試みの使用期間中の者は含まれません。(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金公募要領(15次締切分)P5

中小企業基本法上の「常時使用する従業員」が従業員の定義となります。
また、労働基準法第20条の規定は下記の通り。

り。

労働基準法(昭和22年法律第49号)
(解雇の予告)
第20条   使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも30日前にその予告をしなければならない。30日前に予告をしない使用者は、30日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない。
2  前項の予告の日数は、1日について平均賃金を支払つた場合においては、その日数を短縮することができる。
3  前条第2項の規定は、第1項但書の場合にこれを準用する。
第21条   前条の規定は、左の各号の一に該当する労働者については適用しない。
但し、第1号に該当する者が1箇月を超えて引き続き使用されるに至つた場合、第2号若しくは第3号に該当する者が所定の期間を超えて引き続き使用されるに至つた場合又は第4号に該当する者が14日を超えて引き続き使用されるに至つた場合においては、この限りでない。
一  日日雇い入れられる者
二  2箇月以内の期間を定めて使用される者
三  季節的業務に4箇月以内の期間を定めて使用される者
四  試の使用期間中の者

四  試の使用期間中の者

したがって、従業員に含まれるのは以下です。従業員に含まれるケースは下記の通りです。

  • 正社員
  • アルバイト、パート
  • 契約社員

その他の雇用形態の取扱いについては以下の通りです。

役員

役員は労働者に含まれません。労働基準法上での「労働者」に値しないためです。誤って記入しやすい区分の一つですので注意しましょう。

日雇い労働者

日雇い労働者は労働者に含まれません。労働基準法107条では「日々雇入れられる者を除く。」と記載があるため労働者には含まれません。

派遣労働者

派遣労働者は労働者には含まれません。派遣労働者の使用者は派遣元の会社だからです。賃金は派遣先の企業が支払っていますが、派遣労働者の労働者名簿は、あくまで派遣元が作成しています。

出向社員

出向社員は出向元が労働者名簿を作成します。つまり、他社からの出向社員がいる場合は、他社が出向社員の労働者名簿を作成します。反対に、自社が他社に出向社員を送り出している場合は、自社が出向社員の労働者名簿を作成します。

注意すべきポイント

  1. 雇用形態の把握が大切:非正規雇用者も含めて数えるので、正確な雇用形態を確認しましょう。
  2. 従業員数の変動に注意:申請後に従業員数が変わる可能性もあるので、定期的な人事情報の確認が必要です。
  3. 従業員要件の確認:従業員数に応じた補助率が設定されることも。成長に合わせて条件を確認しましょう。
  4. 範囲の明確化が必要:補助金の対象となる従業員数の範囲を把握し、申請条件を理解しましょう。

労働者がいない場合はどうなる?

役員のみで構成されており、従業員がいない会社もあります。その場合は、従業員がいないことを記載した書類を提出します。従業員がいない場合でも、事業再構築補助金には最低従業員数の要件定義はないため補助の対象となりますのでご安心ください。

まとめ

今回は事業再構築補助金の必須書類の一つである労働者名簿について解説させていただきました。
ポイントは下記の通りです。

  • 労働者名簿は一人でも従業員がいた場合、必ず作成しなければならない
  • グローバルV字回復枠、卒業枠以外の全ての枠で必要
  • パート、アルバイトは従業員に含まれる
  • 役員、日雇い労働者、派遣社員は従業員に含まれない

労働者名簿の作成は基本的なルールさえ理解していれば難しくはありません。ぜひ本記事を参考にして、労働者名簿を作成してみて下さい。

事業再構築補助金の詳細は下記をご覧下さい。

https://jigyou-saikouchiku.jp/

 

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PROFILE

稲野 健夫(代表取締役)
稲野 健夫(代表取締役)
兵庫県出身、関西学院大学卒。調達件数100社以上、成功確率80%超。
東証プライム上場の事業会社→コンサルファームを経て2023年起業。経営者の新たな挑戦をサポートするため、事業再構築補助金やものづくり補助金、融資等を活用した資金調達支援やインキュベーション事業、イベント事業を提供しています。

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