事業再構築補助金の事前着手申請は、早期に補助事業を開始したい企業に向けた制度です。この制度は、公募開始日から交付決定日までの間に事前着手申請の手続きを行うことで、補助事業の早期開始を実現します。つまり、事前着手申請を利用することで、交付を待たずに、設備購入やサービスの発注などを進めることができます。この記事では、事前着手申請のメリットとプロセス、そして注意点について詳しく解説しています。
目次
事業再構築補助金とは
事業再構築補助金とは、ポストコロナ・ウィズコロナの時代の経済社会の変化に対応するため、中小企業等の事業再構築を支援し、日本経済の構造転換を目的とした補助金制度です。
この補助金は、補助対象となる経費の範囲が広く、補助上限が1.5億円・補助率も2/3の大型の制度です。また、補助金は返済の必要がないため、上手に活用すれば、ビジネスのコスト軽減が可能です。
重要なお知らせ 2026年最新 事業再構築補助金は第13回公募をもって終了しました。現在は後継制度として「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金とは」がスタートしています。 新事業進出補助金の詳細を見る → 先日、事業再構築補助金事務局から第13回公募開始のお知らせがあり...
事業再構築補助金 事前着手申請とは
事前着手申請は「早期に補助事業を開始したい人」向けの制度です。事前着手申請をする場合は、各公募回の公募開始日から交付決定日までに事前着手申請の手続きをします。たとえば、第11回事業再構築補助金に申請する際、交付決定通知を受領する令和6年2月頃までに補助事業を始めたい場合は、事業者は事前着手申請の利用を検討できます。補助事業を始めるタイミングが交付決定後でも間に合う場合は、事前着手申請は必要ありません。
事前着手申請は、購入する設備やサービスの発注や納品などの補助事業を採択される前に始めたい人向けの仕組みです。導入予定の設備の契約や購入などを早めに行いたい人は、事前着手申請の利用を検討してみましょう。なお、事業再構築補助金に採択されても、必ずしも事前着手申請が承認されるわけではありません。これらの審査は独立して行われることから、事前着手を検討される方はなるべく早めに承認を受けるようにしましょう。
事業再構築補助金 事前着手申請の対象者
○最低賃金枠:2022年10月に行われた最低賃金の改定による全国平均31円引上げに対応するために、事業再構築を実施する事業者の原資確保を支援する目的があります。 成長枠(旧通常枠)と比較すると補助上限は低いものの、補助率は非常に優遇されています。
○物価高騰対策・回復再生応援枠:事業再構築補助金の中でも、新型コロナウイルスの影響によって業績が厳しくなった企業や事業再生に取り組みたい企業に向けた申請枠です。
事業再構築補助金 事前着手申請のメリット
事業再構築補助金では、事前着手申請を利用すると「申請締切から交付決定までの間」に事業を開始できます。早期に事業を開始したい、補助対象経費の中で、早く購入したい備品やシステムなどがある人は、事前着手申請を利用することで早期に補助対象経費として計上できます。
第10回公募以降 事前着手申請の変更点
①事前着手申請を利用できる申請枠が限定されました
一方、第9回公募までは全ての申請枠で利用できた事前着手申請ですが、第10回公募以降からは、事前着手申請が利用できる申請枠が限定されました。事前着手申請が利用できる枠は以下の通りです。
- 最低賃金枠
- 物価高騰対策・回復再生応援枠
また、事前着手申請をする際は、事務局に以下の状況を示す書類を提出します。
- コロナや物価高騰の影響により、既存事業の売上にどの程度影響が出ているか
- 補助事業がどのような事業で、早期着手できない場合の損失はどのくらいか
第10回公募で事前着手申請の利用を検討している人は、申請枠が限定されていることに留意して、事業再構築補助金に申請しましょう。
②令和4年12月2日以降の取引が対象
第10回公募の事前着手申請は、令和4年12月2日以降の取引が対象です。そのため、事前着手申請をしようとしている設備の発注や納品が、令和4年12月2日以降取引されたものかを確認する必要があります。たとえば、設備の発注が和4年12月2日、納品が令和4年12月20日である場合は、発注日が事前着手申請の対象のため補助対象経費として申請できます。
一方、発注が令和4年12月1日、納品が令和4年12月20日場合は、事前着手申請の対象にはなりません。事前着手申請をする人は、交付申請で提出する見積依頼書や見積書などの日付が「事前着手申請の対象であるか」の確認が必要です。
事前着手申請 手続き方法
1.事前着手の申請手続き(Jグランツ)
事前着手申請の手続きは Jグランツから行います。事前着手申請の受付期間は、令和5年3月30日(木)から交付決定日までとなっており、事業再構築補助金の公式サイト「電子申請用資料」に記載の「事前着手申請用のURL」から申請します。
| 項目 |
| 誓約事項のチェック |
| 事業類型 |
| 応募回 |
| 事前着手開始時期 |
| 会社概要(300字以内) ※新型コロナウイルスの影響を受けている事業の概要を記載 |
| 従業員規模 |
| 会社ホームページ (ある場合) |
| 事業計画の概要(300字以内) ※申請を検討している事業計画の概要や具体的な投資内容を記載 |
| 新型コロナウイルスの長期化における事業への影響 (1000字以内) |
| 事業開始が遅れた場合の影響(1000字以内) |
たとえば、事業計画の概要には、申請時に提出する事業計画と同じ内容を300文字以内で記載します。その際、補助事業を行う理由である、コロナや物価高騰の影響を受けている既存事業の内容を、第3者が分かるように明記する必要があります。
2.事前着手の結果通知
事業再構築補助金の事前着手申請の結果は申請から10日~2週間程度で通知されます。そのため、事前着手申請をした人は、事業申請時に「担当者メールアドレス」欄に記載されたメールアドレスに宛に、結果の通知が届いていないか確認をしてみましょう。事前着手申請の結果は、Jグランツのマイページにある通知文書から確認できます。事前着手申請が承認された場合は、通知文書の注意事項を確認して補助事業を開始することになります。
事前着手申請 差戻しの場合
一方で、申請内容に不備があると事務局から差戻しがある場合があります。
差し戻された場合は、事務局からのコメントを確認し、修正後に再申請してください。事業再構築補助金の事前着手申請の結果の通知は、通常、申請から10日~2週間程度が目安となっています。ただし、内容や申請状況によってはさらに期間を要する場合があるため、必ずしも10日~2週間以内に結果の通知が来るわけではないことに留意しましょう。
なお、事前着手申請に承認された場合でも交付申請は必要です。その際、事前着手申請の通知文書や補助事業で購入する設備の見積書などの書類を提出する必要があるため、補助事業の手引きを確認してから補助事業を開始しましょう。
まとめ
事業再構築補助金の事前着手申請は、補助事業を早期に開始したい企業に向けた制度となっています。この制度を利用することで、公募開始日から交付決定日までの間に事前着手申請の手続きを行い、補助事業の早期開始が可能となります。特に設備の購入やサービスの発注を早めに行いたい企業にとっては、非常に有用な制度と言えます。しかし、事前着手申請が承認されるわけではなく、審査は独立して行われるため、申請を検討する企業は早めに承認を受けるよう努めることが重要です。
事業再構築補助金 申請相談窓口
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PROFILE

- 中小企業診断士 / 資金調達・補助金コンサルタント / 外資系戦略コンサルティングファーム出身。独立後、事業再構築補助金・ものづくり補助金を中心に200社超の資金調達を支援し、採択率80%以上を継続して維持しています。補助金申請において最も難しいのは「書類を書くこと」ではなく、「Googleや審査員に刺さる事業計画を設計すること」です。戦略コンサルとしての経験を活かし、単なる申請代行ではなく、事業計画の立案から採択後の実行フェーズまでを一気通貫でサポートすることを強みとしています。これまでの支援先は製造業・小売業・サービス業など幅広く、初めての補助金申請から複数回採択の実績づくりまで対応しています。また、補助金メディアの執筆者として1,000本超の記事を執筆。最新の制度情報・審査傾向を常にアップデートしながら、読者と支援先の双方に正確な情報を届けることを使命としています。

