事業再構築補助金 【新築費用】を補助対象にする方法を解説
この記事の要点
事業再構築補助金は第13回で新規の募集を終えています。新築の建設費用は第6回公募以降は原則補助対象外で、「新築の必要性に関する説明書」で認められた場合に建物費として補助されました。これから建物に補助金を使うなら、後継の新事業進出・ものづくり補助金を確認します(事業再構築補助金は終了した?)。

この記事の目次
事業再構築補助金は第13回で新規の募集を終えています。新築の建設費用は第6回公募以降は原則補助対象外で、「新築の必要性に関する説明書」で認められた場合に建物費として補助されました。これから建物に補助金を使うなら、後継の新事業進出・ものづくり補助金を確認します(事業再構築補助金は終了した?)。
事業再構築補助金の建物費で、「新築の建設費用」を補助対象として申請する方法をまとめた記事です。新築の必要性の説明書に書いた内容と、認められたケース・認められなかったケースがわかります。
事業再構築補助金とはどんな補助金だった?
事業再構築補助金とは、中小企業等の事業再構築を支援し、日本経済の構造転換を目的とした補助金制度でした。ポストコロナ・ウィズコロナの時代の経済社会の変化に対応するために設けられました。
事業再構築補助金は、建物費を含めて補助対象の経費が多く、補助上限が1.5億円・補助率も2/3の大型の制度でした。補助金は返済の必要がないため、事業のコストを抑えられました。
新築費用は補助対象になった?
新築の建設費は第5回公募まで補助対象でしたが、第6回公募以降は原則補助対象外となりました。事業に使う建物の改修などの建物費は、引き続き補助対象でした。
ただし、「新築の必要性に関する説明書」を提出して認められれば、新築でも建物費として補助される可能性がありました。
新築費にはどんな審査があった?
新築費には、事業計画書とは別に「新築の必要性に関する説明書」の独自審査がありました。審査で問われた項目は次の2つです。
- 補助事業実施における新築の必要性
- 代替手段が不可能である理由
「条件付き採択」とは何だった?
申請時に新築費用を計上した場合、結果は「条件付き採択」と表示されました。事業計画は採択されたものの、新築の必要性は交付申請後の審査で判断されたためです。
採択の条件は「新築費用を含めて交付決定が出ること」でした。そのため、交付申請の結果、新築の必要性が否定される可能性が残っていました。
[記事中段バナー広告]新築費用ではどんな書類を追加で出した?
新築費用を計上するときは、「新築の必要性に関する説明書」の提出が求められました。新築費が認められるかは、この説明書の審査で決まりました。説明書は事務局の記入フォーマットに沿って、最大2ページで作成しました。
説明書には何を書いた?

説明書には、新築が必要な理由として①補助事業の実施に真に必要不可欠な理由と②改築する等の代替手段がない理由を分けて書くことが望ましいとされていました。それぞれ、認められるケースと認められないケースを紹介します。
①補助事業実施における新築の必要性
1つ目の「建物を新築することが、補助事業の実施に真に必要不可欠であること」では、新築が補助事業に欠かせない理由を説明します。具体的には次のようなケースです。
○認められるケース
生鮮魚介類の加工業を手がけている事業者が、新たに冷凍加工食品事業に進出するため、新たに冷凍倉庫が必要となる。加工工場から最も近い冷凍倉庫の空きスペースまでは車でも一定の時間を要するため、その場合冷凍輸送費が発生し補助事業の採算がとれない。このため、既存の加工工場に隣接する場所に冷凍倉庫を新築することが最も経済効率的である。
×認められないケース
温泉旅館を営む事業者が、ワーケーション需要に応える新事業のため、ワーケーション向けの離れの新築を検討。温泉客向けの既存の宿泊設備では対応できないためである。しかし、既存事業はコロナによる需要減少で客室の稼働率が下がっている。既存事業を縮小し、空いている客室を改修すればワーケーション需要を受け入れられるため、新築する必要はない。
②代替手段が不可能である理由
2つ目の「既存の建物等を改築する等の代替手段がないこと」では、既存や近隣の建物では代替できず、新たに建てる以外に方法がない理由を説明します。具体的には次のようなケースです。
○認められるケース
山間部の農家が、畑から採れたての野菜を用いて新たにレストラン運営を行うため、新たに店舗が必要となる。当該農家は事業用の建物を所有しておらず、計画地域に購入できる既存の建物もない。加えて、ブランド構築の観点からは、畑に隣接する場所でのレストラン運営が最も望ましい。このため、レストラン用の建物の新築が必要不可欠である。
×認められないケース
本社建物と工場を別にする金属製品製造事業者が、新たに金属製品販売業に進出するため、人員を増強して新たな営業部門を設置。老朽化した本社建物が手狭になるため、既存の本社建物を取り壊して建て替えることを検討。しかし、新たな営業部門用のオフィススペースは、既存の貸しオフィスの賃貸やリモートワークで代替できる。本社建物の老朽化は補助事業と無関係であるため、本社建物の建て替えは必要ない。
説明書の記入例はある?
下の記入例は、上の「認められるケース」を参考に当社が作成したものです。必要不可欠な理由と代替手段がない理由を分けて書いています。

キャンプ場・グランピング事業(新築)ではどんな事例が採択された?
事業再構築補助金では、次のような事業計画が採択されていました。
| 事業計画例 | 安心して楽しめるセルフ、個室焼肉店 |
| 事業計画概要 | コロナ渦において宴会自粛、営業時間の短縮の影響を受けて、売り上げの減少。「個室はありませんか?」との問い合わせが急増したが、当店には個室はなく対応できなかった。この度このような声に応えるべく既存店舗の横にキャンプ場・グランピング事業を建設。非接型のセルフキャンプ場・グランピング事業を開店する。定員との接触も極力減らし、ドリンクもセルフサービスにすることで感染のリスクを下げながら家族、同じ会社の人などと料理を楽しめる |
| 事業計画例 | ECサイト・冷凍自販機市場への挑戦!老舗焼肉店の味を全国へ |
| 事業計画概要 | 課題は新型コロナで下落した売上の回復、ポストコロナ社会への対応力獲得。解決策は冷凍食品の生産、ECサイト・冷凍自販機市場への投入。効果は新規事業による販路拡大、既存事業とのシナジーによる売上拡大です。 |
| 事業計画例 | 和牛焼肉と韓国料理の無人自動販売機による高生産性事業の構築 |
| 事業計画概要 | Withコロナ・Afterコロナを見据え、弊社の強み(商品力)と新技術(冷凍自動販売機)を組み合わせ、24時間いつでも美味しい食事を非接触型で消費者に届けることで、販売窓口の多様化(マルチチャネル販売)を実現でき、リスクが分散され企業体制の強化を図りつつ、新たな売上を確保することで、弊社の事業再構築を進めていきます。 |
よくある質問
事業再構築補助金で新築の建設費は補助された?
第5回公募までは補助対象でした。第6回公募以降は原則補助対象外となり、「新築の必要性に関する説明書」で認められた場合に補助されました。
新築の必要性の説明書には何を書いた?
補助事業の実施に新築が欠かせない理由と、改築などの代替手段がない理由を分けて書きました。説明書は事務局のフォーマットに沿って、最大2ページで作成しました。
「条件付き採択」になったら補助金はもらえた?
新築費用を含めた交付決定が出ることが条件でした。交付申請の審査で新築の必要性が否定されることもありました。
空いている客室を改修できる場合も新築は認められた?
認められませんでした。既存の建物を改修して対応できる場合は、新築の必要性はないと判断されました。
まとめ
事業再構築補助金では、第6回公募から新築の建物費に制限が設けられました。新築である合理的な理由を説明書で示せば、認められる可能性がありました。事業再構築補助金は新規の募集を終えているため、これから建物の新築や改修を考える場合は後継の補助金を確認します。
後継の補助金が使えるか相談するには?
建物の新築や改修に後継の補助金が使えるかのご相談は、下のフォームから受け付けています。「○○事業でのシステム開発は補助対象経費?」など、小さな疑問でもお気軽にお申し付けください。
中小企業診断士 神谷 恒一が内容を確認しました(2026年10月13日)
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