事業再構築補助金 第12回公募の最新情報を解説

事業再構築補助金

事業再構築補助金は、中小企業の事業転換を支援するための補助金です。これまでに11回の公募が行われ、約10万社の企業がこの補助金を活用して、事業の再構築に成功しています。今年度は残り1回、第12回公募が控えています。次回の公募情報が気になる方も多いでしょう。

この記事では、事業再構築補助金の第12回公募について、予測を交えながら解説します。最新情報が公開され次第、本記事も更新していきます。

事業再構築補助金とは

事業再構築補助金とは、思い切った事業再構築をする中小企業に向けた補助金です。ポストコロナ・ウィズコロナの時代の経済社会に対応するため、中小企業等が新たな事業を行う場合に必要となる資金(最大8,000万円、補助率2/3)を支援する補助金です。

【最新】事業再構築補助金とは?補助額や申請要件、採択率を解説

事業再構築補助金 第12回 スケジュール

事業再構築補助金の第12回のスケジュール予想は下記の通りです。締切は年度末に合わせることが多く、令和6年2~3月になる可能性が高いです。

  • 公募開始・・令和5年1月~令和6年2月前後
  • 応募締切・・令和6年3月前後

令和6年1月など早い時期に応募締め切りがあった場合、追加公募の可能性もあります。

事業再構築補助金 第12回 注意点

事業再構築補助金では代理申請は一切認められません!代行申請を喧伝する業者がおりますが、弊社では代理申請は一切行っていません◎

注意 アクセス解析の結果代理申請が判明すると、 該当する申請は公募要領違反として、審査対象外となってしまいますので、十分にご注意ください。

事業再構築補助金 第12回 変更点

最近の報道によると、事業再構築補助金の見直し内容が発表され、補助金は廃止されず、予定通り次回の公募が行われることが明らかになりました。

事業再構築補助金の第12回公募では、以下の6つの変更点が予測されます。それぞれ具体的に説明します。

  1. 申請枠が6枠から3枠に集約
  2. 事業計画の審査にAI技術を導入
  3. 事前着手制度が撤廃
  4. 成長枠の対象業種・業態の拡大
  5. 産業構造転換枠の変対象地域拡大
  6. 全体の採択確率の低下
  7. 対象外とされる事業が例示されるかもしれない

①申請枠が6枠から3枠に集約

事業再構築補助金の第12回公募では、申請プロセスが見直され、以下のような重要な変更が加えられる見込みです。

これまでの公募では、「最低賃金枠」「物価高騰対策・回復再生応援枠」「産業構造転換枠」「成長枠」「グリーン成長枠」「サプライチェーン強靭化枠」の6つ申請枠から選択することができました。第12回公募からは、これらを「成長分野進出枠」「サプライチェーン強靱化枠」「コロナ回復加速化枠」の3つに統合する方針です。

②事業計画の審査にAI技術の活用

事業再構築補助金の審査プロセスにおいて、AI(人工知能)の活用が強化されます。この技術導入の主な目的は、提出される事業計画書の重複や使い回しを防止することです。これにより、各事業計画の独自性と品質の確保が期待されています。

さらに、過去の審査で一部の事業分野に申請が集中しているとの指摘を受け、特定の事業分野(例えば「サウナ」や「ゴルフ」など)への申請が一定期間に集中した場合、AIを用いてこれを検知し、その分野の審査をより厳格に行う新たな仕組みが導入される予定です。

Tipsまた、補助金の交付審査や実績の評価においても、AI技術の導入が予定されています。これにより、補助金の適正な配分と効果的な実施がさらに強化される見込みです

③事前着手制度が撤廃

事業再構築補助金の一つの特徴として、特定の枠において「事前着手」が認められている点がありました。これにより、企業は補助金の交付決定前に事業を開始することが可能で、迅速な事業実施が可能となっていました。たとえば、第10回および第11回の公募では、物価高騰対策・回復再生応援枠などにおいて、2022年12月2日以降の発注から補助対象となる事例がありました(事前着手申請の承認が必要)。

しかし、今後の展開として、この事前着手制度が廃止されることが予定されています。これにより、補助金の「交付決定」後に発注されたプロジェクトのみが補助対象となることになります。通常採択から交付決定まで約2か月かかるため、事業の実施スケジュールには注意が必要です。

④成長枠の対象業種・業態の拡大

事業再構築補助金第12回公募では、成長枠の対象業種や業態が拡大すると見込まれます。成長枠では、事業が過去から今後10年間で市場規模が10%以上拡大すると見込まれる業種や業態が対象です。

Tips成長枠の対象業種と業態は、事務局が指定する要件で、成長枠の対象リストとして公開されています。

⑤産業構造転換枠の対象地域拡大

第12回事業再構築補助金公募におけるもう一つの重要なポイントは、産業構造転換枠の対象地域と業種の拡大です。この枠では、特定の地域業種・業態に属する事業者のみが申請資格を有します。こちらも「産業構造転換枠対象リスト」で公表されています。成長枠と比べて、地域の指定がある点が特徴です。

上記のように成長枠や産業構造転換枠において、以前は補助対象外の地域や業種も、補助金を受けるチャンスが広がっていきます。リストは都度更新されるため、定期的に事務局HPをチェックして最新の情報を把握することが大切です。

⑥採択率の下落

事業再構築補助金は、第12回が最終公募の可能性があるため、通常よりも申請者が増加えると予想されます。補助金の採択傾向として、年度初めは予算が豊富である一方、年度終わりには予算が減少し、採択数および採択率も低くなるからです。

⑦対象外とされる事業が例示されるかもしれない

事業再構築補助金では、今までゴルフやエステなど、名指しで事業再構築補助金の趣旨にそぐわないとされてきた事業が複数あります。このような事業については、「日本経済の構造転換を促す」という事業再構築補助金の趣旨にそぐわないとして報道や行政事業レビューでも指摘されており、今回の見直しで明確に補助対象外になる可能性があると考えています。

事業再構築補助金 第12回で終了する?

第12回公募で終了する可能性が示唆されていた事業再構築補助金ですが、結論2024年も継続見込みです。

詳しくは、【事業再構築補助金は第12回公募が最後?令和6年度の最新予想】をご覧ください。

予算の一部は省力化投資補助金へ

経済産業省が2023年11月14日公開した経済産業省関係令和5年度補正予算の事業概要(PR資料)には下記の資料が掲載されています。

資料によると「中小企業省力化投資補助事業(中小企業等事業再構築促進事業を再編)」の令和5年度補正予算案額は1,000億円です。現在の予算は5,800億円残っているため、事業再構築補助金の基金を一部省力化補助金に補填されます。今回は「省力化投資補助枠」に対して、1,000億円という形になっています。今後も既存の再構築補助金については何らかの見直しが入る可能性が高いですが、2024年も何らかの形で事業再構築補助金が実施されると考えられます。

事業再構築補助金 第12回への申請がおすすめな理由

財務省からの指摘や議論を考慮すると、終了や大きな修正の可能性が高まっていると言えます。中小企業にとって、事業再構築補助金は事業展開や業態転換にとって大きな支援となります。この機会を逃さないためにも、来年度の補助金に頼らず、第12回公募への申請を積極的に検討することをおすすめします。

Tips早めに申請する必要性は、補助金の予算消化速度や過去の申請状況からも明らかです。22年度以降、補助金の申請件数は減少しているものの、補正予算が継続して盛り込まれている現状を鑑みると、次回の申請が最後のチャンスとなる可能性は十分にあります。

 

 

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事業再構築補助金 第10次まで採択結果

以下は事業再構築補助金 第1~10回の採択件数および採択率です。

第1回公募の採択率は36.0%と低かったものの、その後徐々に採択率が上昇し、第8回は過去最高の51.2%を記録。しかし、第10回の制度変更は採択件数の減少にも影響し、第10回では5,205件(48.1%)となりました。

第10回の採択分析記事はこちらです

事業再構築補助金 過去の公募、申請締切日事業再構築補助金 第12回公募 相談窓口

事業再構築補助金 第12回 まとめ

第12回の事業再構築補助金公募は重要な変更点を含み、代理申請の禁止や枠の拡大などが特徴です。財務省の指摘を受けた終了または修正の可能性もあり、補助金の利用を検討している企業にとっては、この機会を最大限に活用することが重要です。早期の申請準備をお勧めします。

事業再構築補助金 第12回公募 相談窓口

事業再構築補助金第12回公募の申請に関するお問合せ受付はこちらです。


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PROFILE

稲野 健夫(代表取締役)
稲野 健夫(代表取締役)
兵庫県出身、関西学院大学卒。調達件数100社以上、成功確率80%超。
東証プライム上場の事業会社→コンサルファームを経て2023年起業。経営者の新たな挑戦をサポートするため、事業再構築補助金やものづくり補助金、融資等を活用した資金調達支援やインキュベーション事業、イベント事業を提供しています。

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