今回は事業再構築補助金で申請できる事業「キャンプ場・グランピング事業」について解説します。事業再構築補助金がおすすめできる理由やキャンプ場・グランピング市場の成長性、採択事例などを解説します。新規事業に「キャンプ場・グランピング事業」をご検討の方のご参考になれば幸いです。
全国には事業に活用できる補助金が沢山ありますが、キャンプ場・グランピング事業を始めるための補助金をお探しなら、事業再構築補助金のご活用を強くおすすめします。その理由は以下の3つです。
①キャンプ場・グランピング事業に掛かる費用は補助対象
キャンプ場・グランピング事業で最も費用がかかるのは建物費(主に改装費)です。事業再構築補助金では建物費や新築建設が補助の対象となるので、非常に大きな支援を得ることができます。他にも様々な費用が補助の対象となります。
【事業再構築補助金の補助対象経費】
- 建物費
- 機械装置・システム構築費
- 技術導入費
- 専門家経費
- 運搬費
- クラウドサービス利用費
- 外注費
- 知的財産権等関連経費
- 広告宣伝費
- 研修費
上記の通り、事業再構築補助金では経費として、改装費以外にもシステム開発費や広告宣伝費、外注費なども認められます。補助対象経費として認められる経費が多く、キャンプ場・グランピング事業を開始するにあたって必要な経費の大部分が補助されるため、大変心強いサポートになるでしょう。
②成長枠に申請できる
キャンプ場・グランピング事業事業は、第10回公募から新設された事業再構築補助金の成長枠において対象となる業種・業態に指定されています。つまり、成長枠でキャンプ場・グランピング事業事業は申請可能です。市場拡大する根拠として、下記の資料が公表されています。キャンプ場・グランピング事業を検討されている方は、事業環境の分析やカスタマーニーズの把握、ビジネスモデル検討の参考にご活用ください。
2023年5月24日付で、一般社団法人日本グランピング協会の申請により、事業再構築補助金の「成長枠」対象業種に「キャンプ場・グランピング事業」が認定されました。これにより補助上限額が大きく引き上げられることになります。
③補助金で初期投資を抑えられる
先述の成長枠なら最大7,000万円が最大2/3補助されます。他の代表的な補助金である持続化補助金は最大250万円、ものづくり補助金は最大1,250万円のため、事業再構築補助金では補助される金額が非常に大きいとと言えます。
さらに、キャンプ場・グランピング事業は大きな初期投資が必要となるビジネスモデルです。初期コストを金融機関の融資などで乗り切ることも検討可能ですが、事業再構築補助金なら自己負担が最大1/4(75%減)となる可能性があります。
上記の通り、事業再構築補助金であれば必要な経費が幅広く対象となるだけでなく、補助金額の大きな成長枠にも申請できるため始めるため、キャンプ場・グランピング事業事業に適した補助金です。
キャンプ場・グランピング市場の成長性は高い
グランピングの市場規模を正確に算出しているデータはありませんが、全国グランピング協会(https://glamping-association.or.jp/)によると、国内グランピング施設は約350施設、各施設のテント数に標準的な売上(1棟あたり年商600万円)をかけると、市場規模は150億円~200億円と推計しています。
一方、グランピングを謳っていないコテージやキャビン、トレーラー施設も多くあり、全国では1,000施設以上。これらの施設を潜在的なグランピング市場と捉えた場合、その市場規模は合計約650億円~約700億円にのぼると見られています。
日本オートキャンプ協会の『オートキャンプ白書2022』によると、2021年のオートキャンプ人口(1年間に1泊以上オートキャンプをした人の数)は750万人でした。
キャンプ場・グランピング市場の成長要因
国内のキャンプ・グランピング市場の成長要因は、以下のような要因が影響しています。
- 自然環境への逃避とリラックスの需要増加:都市部でのストレスや日常の喧騒から逃れ、自然環境でリラックスできるキャンプ・グランピング体験への需要が増加しています。特に都市生活に疲れた人々が、自然に触れる機会を求めてキャンプやグランピングを選択しています。
- サステナビリティへの関心とエコロジー志向:環境への配慮とサステナビリティへの関心が高まり、キャンプ・グランピング施設が環境にやさしい実践を採用することが増えています。エコフレンドリーな施設や環境への配慮が、顧客にとって魅力的な要素となっています。
- アウトドア体験のポピュラリティー:アウトドアアクティビティへの関心が高まっており、キャンプやグランピングはアウトドア愛好家や冒険好きな人々にとって魅力的な選択肢です。登山、ハイキング、キャンプファイヤー、釣りなどのアクティビティを楽しむ機会としてキャンプ・グランピングが選ばれています。
これらの成長要因は、キャンプ・グランピング市場を拡大させ、新たなビジネス機会を生み出しています。また、新たな施設やサービスを提供する事業者が市場に参入し、競争が激化していることも市場成長を支えています。国内のキャンプ・グランピング市場は、これらの要因によって今後も成長が期待されています。
近年のキャンプ場・グランピング事業のビジネスモデル
コロナ禍において、多くの飲食業界が変革を迫られました。特にキャンプ場・グランピング事業もその例外ではなく、新しいビジネス形態やサービスを提供することで生き残るための取り組みを始めました。以下は、コロナ禍で増えたキャンプ場・グランピング事業の新しいビジネス形態の例です。
- サイト運営モデル:キャンプ場やグランピング施設を所有し、運営するビジネスモデルです。物理的な場所を提供し、宿泊者から宿泊料金を受け取ります。キャンプサイト、テント、コテージ、キャビンなどの宿泊施設を提供し、通常、設備やサービス(トイレ、シャワー、キッチンなど)も提供します
- オンラインプラットフォームモデル:オンラインプラットフォームを提供し、個人や事業者がキャンプ・グランピング施設をリストし、顧客とのマッチングを行うビジネスモデルです。顧客はプラットフォームを通じて予約し、支払いを行います。プラットフォームは予約手数料や手数料を収益源とします。AirbnbやVrboなどの大手プラットフォームがこのモデルを採用しており、施設提供者は自分のプロパティを宿泊者に提供できます。
- アクティビティ提供モデル:キャンプ場やグランピング施設は、宿泊だけでなく、アウトドアアクティビティやアドベンチャーツアーなどの体験を提供することで収益を上げるビジネスモデルです。キャンプ地でのハイキング、カヌー、キャンプファイヤー、釣りなどのアクティビティを組み込んで提供します。このモデルでは、宿泊料金に加えてアクティビティの料金を収益源とします。
キャンプ・グランピングのビジネスモデルは、場所や施設の種類、顧客のニーズに応じて異なります。成功するためには、良質な顧客サービス、施設のメンテナンス、マーケティング戦略の策定などが重要です。また、競争が激化しているため、差別化が求められることもあります。
キャンプ場・グランピング事業の採択事例(事業再構築補助金)
実際に採択されたキャンプ場・グランピング事業の事例を見てみましょう。
事業計画例 | 安心して楽しめるセルフ、個室焼肉店 |
事業計画概要 | コロナ渦において宴会自粛、営業時間の短縮の影響を受けて、売り上げの減少。「個室はありませんか?」との問い合わせが急増したが、当店には個室はなく対応できなかった。この度このような声に応えるべく既存店舗の横にキャンプ場・グランピング事業を建設。非接型のセルフキャンプ場・グランピング事業を開店する。定員との接触も極力減らし、ドリンクもセルフサービスにすることで感染のリスクを下げながら家族、同じ会社の人などと料理を楽しめる |
事業計画例 | ECサイト・冷凍自販機市場への挑戦!老舗焼肉店の味を全国へ |
事業計画概要 | 課題は新型コロナで下落した売上の回復、ポストコロナ社会への対応力獲得。解決策は冷凍食品の生産、ECサイト・冷凍自販機市場への投入。効果は新規事業による販路拡大、既存事業とのシナジーによる売上拡大です。 |
事業計画例 | 和牛焼肉と韓国料理の無人自動販売機による高生産性事業の構築 |
事業計画概要 | Withコロナ・Afterコロナを見据え、弊社の強み(商品力)と新技術(冷凍自動販売機)を組み合わせ、24時間いつでも美味しい食事を非接触型で消費者に届けることで、販売窓口の多様化(マルチチャネル販売)を実現でき、リスクが分散され企業体制の強化を図りつつ、新たな売上を確保することで、弊社の事業再構築を進めていきます。 |
事業計画例 | 老舗焼肉店による本格冷凍焼肉弁当・ギフトの通販事業への挑戦 |
事業計画概要 | コロナ禍によって、外食のニーズが減少し、内食需要が拡大している。お店の味をお家で味わえる本格的な冷凍焼肉弁当・ギフトを商品化して、ECサイトを中心とした通信販売事業を開始することで、本格焼肉店のメニューを自宅で食べたいという消費者の需要に応える。 |
まとめ
本日は、キャンプ場・グランピング事業事業を開始するにあたって事業再構築補助金がおすすめできる理由やキャンプ場・グランピング事業市場の成長性、採択事例などを解説しました。キャンプ場・グランピング事業市場は今後も安定した成長を見込める成長市場であり、事業再構築補助機での採択事例も豊富にあるため、十分採択を見込める事業です。
事業再構築補助金 申請相談窓口
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PROFILE
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兵庫県出身、関西学院大学卒。調達件数100社以上、成功確率80%超。
東証プライム上場の事業会社→コンサルファームを経て2023年起業。経営者の新たな挑戦をサポートするため、事業再構築補助金やものづくり補助金、融資等を活用した資金調達支援やインキュベーション事業、イベント事業を提供しています。
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