2026年はものづくり補助金と新事業進出補助金の統合に注目されています。
結論から言うと、2制度は廃止ではなく、1つの大型制度に統合・進化します。そして、旧制度(ものづくり第23次・新事業進出第4回)の公募はすでに終了しており、これからは統合後の新制度が申請の舞台になります。
この記事では、統合の全体像・3つの新しい枠の違い・スケジュール、そして旧制度が終了した今、第1回公募に向けて準備すべきことを解説します。
⚠ 注意:統合後の新制度の公募要領は2026年6月公開予定です。本記事の補助率・上限・要件は中小企業庁の公表資料に基づく見込み値であり、確定値は公募要領でご確認ください。
目次
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金とは?
2026年度より、旧「ものづくり補助金」と旧「新事業進出補助金」は1つの補助金に統合され、予算規模約2,960億円の大型制度として生まれ変わります。
【重要】2026年度からの統合について 旧「ものづくり補助金」と旧「中小企業新事業進出補助金」は、2026年度より「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」として1本化される予定です。制度の目的・補助水準は旧制度と同水準で維持される見込みです。公募要領は2026年6月公開予定。最新情報は中小企業庁の公募情報ページでご確認ください。
従来の「新事業進出補助金」と「ものづくり補助金」が統合された形で、3つの申請枠で実施される予定です。
詳しくはこちら:【最新】新事業進出・ものづくり商業サービス補助金とは?
制度統合の背景と目的
中小企業庁は2025年12月、ものづくり補助金と新事業進出補助金を統合する方針を公表しました。背景にある政策的な意図は以下の通りです。
- 国内市場の縮小・人手不足・デジタル化の加速という構造変化
- 中小企業が「現在の事業を強化する」だけでなく「新しい市場に打って出る」ことへの支援強化
- 補助金制度を整理・集約して、使いやすく・わかりやすくする
「補助金が増えすぎてどれを使えばいいかわからない」という経営者の声に応える意味合いもあります。
「廃止」ではなく「統合・進化」
ものづくり補助金は廃止されるわけではありません。旧制度の対象・目的・補助水準はそのまま引き継がれ、新しい枠組みの中に組み込まれます。「使い慣れた制度がなくなる」という心配は不要です。
むしろ、グローバル枠の拡充など、補助水準が上がる部分もあります。
基本要件
新事業進出補助金の基本要件や補助上限、補助率等は以下のとおりです。
1. 企業の成長・拡大に向けた新規事業への挑戦(新規性)
- 成長や事業拡大に向けた新たな事業展開を計画している。
- 新規性があり、既存事業との差別化が明確である。
(付加価値額の年平均成長率+4%以上増加)
2. 賃金要件
- 事業所内最低賃金が地域別最低賃金+30円以上水準。
- 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表
補助率・補助上限額
統合後の制度は3つの枠に整理されます。自社の目的で選ぶ枠が変わります。
出典:中小企業庁
「革新的新製品・サービス枠」はものづくり補助金と同程度、「新事業進出枠」は新事業進出補助金と同程度の補助率・上限額が設定されています。特にグローバル枠は補助上限額が従業員規模別に設定され、最大7,000万円(特例時は9,000万円)と大幅に引き上げられる点が注目されます(旧ものづくり補助金のグローバル枠は最大3,000万円)。
3つの申請枠(統合後)
①革新的新製品・サービス枠
「いつものものづくり補助金と同じように使いたい」という企業向けの枠です。新製品・新サービスの開発、生産性向上のための設備導入が対象です。技術的な革新性が審査で重視される点も旧制度と同様です。過去にものづくり補助金を活用してきた企業にとって、最も馴染みやすい枠です。
詳しくはこちら:【2026年】新事業進出・ものづくり補助金の革新的新製品・サービス枠を解説
②新事業進出枠
こちらは旧・新事業進出補助金をそのまま引き継ぐ枠です。「今の事業から飛び出して、新しい市場に挑戦したい」企業向け。補助上限が最大7,000万円(特例時9,000万円)と大規模な投資に対応しています。賃上げ要件(年平均3.5%以上)が課される点も旧制度から継続の見込みです。
詳しくはこちら:【2026年】新事業進出・ものづくり補助金の新事業進出枠を解説
③グローバル枠
この枠が最も大きく変わるポイントです。旧ものづくり補助金のグローバル枠は最大3,000万円でしたが、新制度では最大7,000万円(特例時9,000万円)へと大幅に引き上げられる予定です。
補助率も原則2/3と他の枠より高く設定されています。海外展開・輸出体制強化を検討している企業にとって、過去最大規模の支援になります。
詳しくはこちら:【2026年】新事業進出補助金のグローバル枠を解説
結論:補助率・補助上限は旧制度と概ね同水準で、グローバル枠のみ大幅に引き上げられる見込みです。
大幅賃上げの特例要件について
統合後も賃上げ要件が課される見込みです。旧制度では補助事業終了後に一定の賃上げ目標を達成できない場合、補助金の一部返還が求められました。新制度でも同様の仕組みが継続される可能性が高いため、申請前に自社の賃上げ計画を確認しておくことが重要です。
⚠ この特例を活用すると補助上限額が引き上げられますが、計画未達の場合は補助金の返還を求められる可能性があります。無理のない賃上げ計画を策定してください。
補助対象経費
- 機械装置・システム構築費
- 技術導入費
- 専門家経費
- 運搬費
- クラウドサービス利用費
- 原材料費
- 外注費
- 知的財産権等関連経費
補助対象外となる経費
- 交付決定前に発注・支払いをした費用
- 汎用性の高い消耗品・備品
- 不動産の取得費・賃借料(一部例外あり)
- 人件費(直接的な給与)
公募スケジュール
最新の情報で公表されている統合後のスケジュール概要は以下のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 採択予定件数 | 約6,000件程度 |
| 公募要領の公開予定 | 令和8年(2026年)6月 |
| 申請受付開始予定 | 令和8年(2026年)8月 |
| 公募回数 | 3回程度(予定) |
参考記事:新事業進出・ものづくり補助金 第1回公募はいつ? 公募時期・内容を先読み解説【2026年】
今すぐ旧制度で申請すべき?新制度を待つべき?
結論、「今年度中に動きたい」なら旧制度の最終公募が最後のチャンス。「準備が整っていない」なら新制度を待つのが現実的です。
- すでに事業計画書の骨格ができている
- 旧制度の要件を満たしていることが確認済み
- 設備投資・システム開発のスケジュールが決まっている
- 新事業進出補助金の賃上げ要件(年平均3.5%以上)を満たせる見込みがある
「新制度を待つ」を選ぶべき人
- 事業計画の策定がまだ途中
- 海外展開を検討しており、グローバル枠の詳細を確認したい
- 現時点で旧制度の要件を満たせるか不明
⚠ スケジュールは変更される可能性があります。必ず中小企業庁・各事務局の最新情報をご確認ください。
よくある疑問・FAQ
Q1. ものづくり補助金はなくなるのですか?
A. なくなりません。「新事業進出・ものづくり補助金」として統合・継続されます。旧制度の役割は「革新的新製品・サービス枠」として引き継がれる見込みです。
Q2. 旧制度との一番の違いは?
A. 最大の変化は「グローバル枠の拡充」です。上限が大幅に引き上げられる予定で、より大型投資にも対応しやすくなります。
Q3. すでに採択された事業者への影響は?
A. 一定期間の申請制限(申請除外期間)が設けられる可能性があります。詳細は今後の公募要領で確定します。
👉 その他のよくある質問はこちら
グローバル枠の対象条件、AI導入費用の扱い、個人事業主の可否、申請準備など、実務で気になるポイントをすべて解説しています。
申請方法
- 申請は「電子申請システム」でのみ受け付けられます。
- 申請には「GビズIDプライムアカウント」が必要です。取得には時間がかかるため、未取得の場合は早めに手続きを行いましょう。
- 申請内容は申請者自身が理解・確認したうえで、申請者本人が提出してください。委任関係の管理機能はシステム上提供されておらず、代理申請は原則認められません。
- 提出書類はすべてPDF形式で、定められたファイル名でアップロードする必要があります。
- 不備・不足・アップロード漏れ・パスワード設定等により内容確認ができない場合は、審査対象外となります。
電子申請にはGビズIDプライムアカウントが必須です。郵送での本人確認に1〜2週間かかるため、申請を思い立った時点で即取得手続きを始めてください。公募要領の公開を待ってからでは間に合わないケースがあります。
詳しくはこちら:GビズIDとは?プライムアカウントの取得方法と注意点
出典:中小企業庁「ものづくり商業サービス省力化・革新的開発・新事業・海外展開促進事業」関連資料(2025年12月公表)、各補助金公募要領 ※本記事は2026年5月時点の公表情報をもとに作成しています。制度の詳細・確定値は2026年6月公開予定の公募要領でご確認ください。内容は予告なく変更される場合があります。
参考・引用資料
本記事は以下の公式資料をもとに作成しています。
- 新事業進出補助金 第4回公募要領(中小企業庁)
- 中小企業新事業進出補助金 公式サイト(中小企業基盤整備機構)
- ミラサポplus 新事業進出補助金(中小企業庁)
- 補助金公募情報一覧(中小企業庁)
- ものづくり補助金 第23次公募要領(ものづくり補助金事務局)
- ものづくり補助金 総合サイト(ものづくり補助金事務局)
- 第23次公募要領公開のお知らせ(中小企業庁)
- 補助金公募情報一覧(中小企業庁)
免責事項・ご注意
- 本記事について 本記事は、中小企業庁・中小企業基盤整備機構が公表している公式資料をもとに、情報提供を目的として作成しています。特定の補助金申請の採択を保証・推奨するものではありません。
- 制度変更について 本補助金は公募回ごとに補助率・補助上限・要件・スケジュールが変更される場合があります。また、2026年度中にものづくり補助金と統合し「新事業進出・ものづくり補助金」として再編される予定です。制度内容は予告なく変更される場合があるため、申請前に必ず最新の公募要領をご確認ください。
- 申請の際は必ずご確認ください
中小企業新事業進出補助金 公式サイトに掲載の最新公募要領
認定支援機関または中小企業診断士等の専門家への相談
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PROFILE

- 中小企業診断士 / 資金調達・補助金コンサルタント / 外資系戦略コンサルティングファーム出身。独立後、事業再構築補助金・ものづくり補助金を中心に200社超の資金調達を支援し、採択率80%以上を継続して維持しています。補助金申請において最も難しいのは「書類を書くこと」ではなく、「審査員に刺さる事業計画を設計すること」です。戦略コンサルとしての経験を活かし、単なる申請代行ではなく、事業計画の立案から採択後の実行フェーズまでを一気通貫でサポートすることを強みとしています。これまでの支援先は製造業・小売業・サービス業など幅広く、初めての補助金申請から複数回採択の実績づくりまで対応しています。また、補助金メディアの執筆者として1,000本超の記事を執筆。最新の制度情報・審査傾向を常にアップデートしながら、読者と支援先の双方に正確な情報を届けることを使命としています。





