事業再構築補助金 【法人成り】は対象か?創業間もない会社の要件確認の方法を解説

事業再構築補助金

創業間もない法人や新会社設立したばかりでも「成長枠」「グリーン成長枠」の対象となる可能性があります。第10回事業再構築補助金から、対象者の共通要件(必須要件)から売上高減少要件が削除されました。各申請枠の要件を満たせば、設立間もない法人でも対象となります。

この記事の最後には確認のフロー図で簡単に確認ができます。新設法人でも対象の可能性があるので、しっかりとこの記事を読んで参考にしてください。

事業再構築補助金とは

事業再構築補助金の必須条件

前回からの大きな変更点の1つとして、第10回事業再構築補助金から対象者の共通要件(必須要件)から売上高減少要件が削除されました。

各申請枠は、通常枠は成長枠へ変更され、産業構造転換枠とサプライチェーン強靭化枠が新設されました。共通要件と各類型について詳しく見てみましょう。

事業再構築補助金の概要

事業再構築補助金の目的は、『経済社会の変化に対応するため、中小企業等の思い切った事業再構築を支援することで、日本経済の構造転換を促すこと』です。

新事業や事業転換、事業再編などの取組が支援される対象になります。

補助金額は、企業規模や申請類型によって変わりますが100万円~1.5億円であり、事業計画が該当する企業であれば活用したい補助金です。

令和4年度補正予算額で5,800億円が計上されており、予算額の大きさから期待されている補助金と言えます。

必須要件は2つ

共通する必須要件は主に2つあります。

  1. 事業計画について認定経営革新等支援機関の確認を受けること
  2. 付加価値額を向上させること

経産省が示す「事業再構築指針」に沿った3~5年の事業計画で、認定経営革新等支援機関の確認を受け、補助金額が3,000万円を超える案件は金融機関の確認も受ける必要があります。

付加価値額とは、営業利益・人件費・減価償却費を足したものをいい、補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0~5.0%以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0~5.0%以上増加させることが必要です。

申請枠の類型にあるそれぞれの要件も必要

現状の申請類型は6つに分類されます。

  • 最低賃金枠(最低賃金引上げの影響で原資確保が困難な事業者支援)
  • 物価高騰対策・回復再生応援枠(物価高騰等により業況が厳しい事業者支援)
  • 産業構造転換枠(市場縮小等の構造的な課題のある業種業態の取組支援)
  • 成長枠(成長分野への再構築支援)
  • グリーン成長枠(エントリー、スタンダード)(研究開発や人材育成を行う特定分野での取組支援)
  • サプライチェーン強靭化枠(国内回帰により地域産業の活性化に資する取組支援)

共通要件(必須要件)に加え、それぞれの申請類型において申請要件を満たす必要があります。

新設法人が使える類型

事業再構築補助金には必須条件があること、申請類型が6つあることがわかりました。この中で新設の法人が使える類型は、「成長枠」「グリーン成長枠」の2つです。詳しくみていきましょう。

「成長枠」

『成長分野への大胆な事業再構築に取り組む中小企業等を支援』と要領に記載があります。成長分野とは【市場拡大要件】を満たす分野です。

【市場拡大要件】 取り組む事業が、過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上拡大する業種・業態に属していこと
補助率 中小企業者は1/2(大胆な賃上げを行う場合は2/3)
実施期間 交付決定日~12ヶ月以内
補助対象経費 機械装置や外注費・広告宣伝費など

新設された類型なので成長枠としての採択例はありませんが、これまでの通常枠として考えると該当する事業が多いと言えます。要件を満たせば使いやすい補助金なので、以下に示すチャート図で自社が該当するかどうか確認してみましょう。

「グリーン成長枠」

成長枠との違いは、成長枠の市場拡大要件がグリーン成長要件になっていることです。

【グリーン成長要件】 グリーン成長戦略「実行計画」14分野に掲げられた課題の解決に資する取組であって、その取組に関連する1年以上の研究開発・技術開発又は従業員の一定割合以上に対する人材育成をあわせて行うこと
補助率 中小企業者は1/2(大胆な賃上げを行う場合は2/3)
実施期間 交付決定日~14ヶ月以内
補助対象経費 機械装置や外注費・広告宣伝費など

グリーン成長枠はエントリー枠とスタンダード枠に分類され、補助金額が事業者の規模によって変わります。スタンダードで中小企業者は最大1億円の補助金額となります。
グリーン成長枠の14分野とは、次の通りです。

グリーン成長枠の14分野
経産省事業再構築補助金「グリーン成長枠」想定事例集より引用
  • 洋上風力・太陽光・地熱産業(次世代再生可能エネルギー)
  • 水素・燃料アンモニア産業
  • 次世代熱エネルギー産業
  • 原子力産業
  • 自動車・蓄電池産業
  • 半導体・情報通信産業
  • 船舶産業
  • 物流・人流・土木インフラ産業
  • 食料・農林水産業
  • 航空機産業
  • カーボンリサイクル・マテリアル産業
  • 住宅・建築物産業・次世代電力マネジメント産業
  • 資源循環関連産業
  • ライフスタイル関連産業

既存の技術を14分野に活用する計画がある製造業では申請しやすい補助金です。

 

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創業間もない会社の要件確認の方法

成長枠とグリーン成長枠が新設法人でも利用できる可能性があることがわかりました。
確認フロー図で自社が補助金対象になるかどうかを確認してみましょう。

確認フロー

成長枠要件の確認フロー図

1.事業再構築の定義に該当すること
 ⇒ 「新市場進出、事業転換、業種転換、事業再編又は国内回帰のいずれかを行う計画に基づく中小企業等の事業活動」

2.必須要件の認定支援機関要件を満たすこと
 ⇒「事業計画について認定支援機関の確認を受けていること」

3.必須要件の付加価値額要件を満たすこと
 ⇒「補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均4.0%以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均4.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること」

4-1.成長枠要件の市場拡大要件
 ⇒「取り組む事業が、過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上拡大する業種・態に属していこと」

4-2.グリーン成長枠のグリーン成長要件
 ⇒「グリーン成長戦略「実行計画」14分野に掲げられた課題の解決に資する取組であって、その取組に関連する1年以上の研究開発・技術開発又は従業員の一定割合以上に対する人材育成をあわせて行うこと」

5.給与総額増加要件
 ⇒「事業終了後3~5年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること」

5までの要件を確認できたら申請要件を満たしています。

事業再構築補助金は補助金額が大きいので、事業計画が該当していれば是非とも申請したい補助金の1つです。要件を満たすかどうかわからない場合は、当社にご相談いただければ一緒に確認することも可能です。

おすすめする事業者

事業再構築補助金は補助金額が大きく、新しい事業展開を検討している事業者におすすめする制度です。過去の採択率を見ると50%前後で推移しています。新設法人でも使える申請類型があるので、申請準備が多く大変でありますが魅力的な補助金なのでぜひチャレンジしてみましょう。

まとめ

個人事業主から法人に法人成りした場合でも、事業再構築補助金に申請することができます。

事業再構築補助金 申請相談窓口

事業再構築補助金に関するご相談はこちらです。フォームを送信すると担当者が詳しい内容をご説明します。


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