今回は、事業再構築補助金における『売上高減少要件』について解説します。
目次
売上高減少要件とは
売上高減少要件とは、事業再構築補助金の一部の申請枠で設けられている要件です。特定の期間の売上高を比較して、売上高が一定の割合減少している必要があります。公募での説明は以下の通りです。
(a)2022 年 1 月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が対 2019~2021 年の同 3 か月の合計売上高と比較して 10%減少していること(当該要件を満たさない場合は、2022 年 1 月以降の連続する6か月のうち、任意の3か月の合計付加価値額が対 2019~2021 年の同3か月の合計付加価値額と比較して 15%以上減少していることでも可。)【売上高等減少要件】
公募要領 P21
売上高減少要件のある申請枠
2023年度から、成長枠(旧通常枠)の要件が撤廃されたことで、売上が減少していない事業者も本補助金を受給することができるようになりました。一方で「最低賃金枠」及び「物価高騰対策・回復再生応援枠 」の2つには売上高減少要件が設けられています。
【売上高等減少要件が設けられている類型】
・最低賃金枠
・物価高騰対策・回復再生応援枠

2023.09.12
事業再構築補助金 物価高騰対策・回復再生応援枠を解説
事業再構築補助金の物価高騰対策・回復再生応援枠は、新型コロナウイルスや急速な円安の影響を受ける中小企業を支援する目的で設けられています。...
【売上高等減少要件が設けられていない類型】
・成長枠
・産業構造転換枠
・グリーン成長枠 (エントリー/スタンダード)
・サプライチェーン強靱化枠
売上高の定義とは
なお、事業再構築補助金の売上高減少要件における売上高の定義とは、「1年間の総売上から値引きや割り戻し(売上代金の減額・返金)を行ったあとの最終金額」を指します。また、用いる売上高は事業や店舗ごとではなく、企業単位のすべて事業や店舗の売上高を合計した数値で比較する必要があります。
売上高減少要件の確認
売上高減少要件の確認方法は、2つのパターンがあります。
1. 「売上」がコロナ前より10%以上減少
コロナ以前より10%以上の売上が減少したケースであれば、事業再構築補助金の売上高減少要件を満たせます。具体的には、2022年1月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が2019~2021年の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少している場合に要件を満たします。合計売上高の比較対象となる3か月は任意で選べるため、事前に全体の売上を把握して申請に適した期間を探すと良いでしょう。(コロナ以前の3カ月とは、事業者が任意で選択した3カ月と、2019年1月~2020年3月の同3カ月を指すことに注意しましょう。)
2. 「合計付加価値額」がコロナ前より15%以上減少
事業再構築補助金の売上高減少要件は、コロナ禍以前より合計付加価値額が15%以上減少した場合にも対象となります。期間は、2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月間とコロナ以前の同3か月を比較する形になります。任意で期間を選べるため、要件を満たせる時期をチェックしておきましょう。
上記の通り、売上高減少要件には「売上高」と「合計付加価値額」を使って比較する2つのパターンがあります片方を満たせば申請することが可能です。自社が要件を満たすのか、どちらも確認するようにしましょう。
売上高減少要件の特例
ここまで述べた売上高等減少要件を満たしていない事業者にも、まだ事業再構築補助金を活用するチャンスがあります。それは、特例制度の活用です。
申請日までに個人事業主から法人化した場合(法人成り)
特例では、法人成り申請に用いる任意の3か月又は比較対象となる2019~2021年の同3か月のうち1月でも法人化前に該当する場合、法人化を行う前の個人事業者としての売上を比較対象とすることができます。
2020年4月1日から2020年12月31日までに創業したケース
そのほか、いくつかの特例が設けられています。詳細は以下をご確認ください。
売上高減少の確認に係る特例について(1.6版)
売上高が45%以上減少している場合は加点となる
売上高減少要件を満たす場合、加点要件に該当するかも確認してみましょう。事業再構築補助金第10回公募以降では、売上高が45%以上減少している事業者に対して、審査の加点措置を取っています。別途、必要書類に「<別添1>売上高減少等に係る証明書類について」が必要となりますが、審査で優遇されるメリットが受けれるため、併せて確認してみてください。
・加点①: 2022年1月以降のいずれかの月の売上高が対2019~2021年の同月比で30%以上減少していること(又は、2022年1月以降のいずれかの月の付加価値額が、対2019~2021年の同月比で45%以上減少していること)を示す書類
公募要領 P59
事業再構築補助金 申請相談窓口
事業再構築補助金に関するご相談はこちらです。フォームを送信すると担当者が詳しい内容をご説明します。
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PROFILE

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兵庫県出身、関西学院大学卒。調達件数100社以上、成功確率80%超。
東証プライム上場の事業会社→コンサルファームを経て2023年起業。経営者の新たな挑戦をサポートするため、事業再構築補助金やものづくり補助金、融資等を活用した資金調達支援やインキュベーション事業、イベント事業を提供しています。
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