同業の表面処理会社と組み、船舶向け部品の高耐食処理に乗り出す

吉野電化工業株式会社✓ 経産省などの認定・選定

成果設備を据え付ける環境が整い、商談先から新しい問い合わせが来るようになった。

店舗改装に使える公募中の補助金 34件を見る

この事例のポイント

  • 両社とも売上の多くを自動車部品が占めており、EV化による内燃機関部品の減少が大きな脅威だった。
  • 高耐食の塗布技術と設備を持つ同業者と、承継の形で業務資本提携を結んだ。
  • 既存の処理の後に仕上げの皮膜を重ね、船舶向け部品に求められる耐食性能を満たす計画にした。
  • 承継した側の営業網を使い、複数の顧客と商談を進めた。

事業者のプロフィール

事業者名吉野電化工業株式会社
所在地埼玉県
業種金属の表面処理
従業員数200人

事業の経緯

埼玉県で金属の表面処理を手がける会社で、従業員は200名いる。売上の6割を自動車関連部品が占めており、提携先の同業者も9割が自動車関連だった。

EV化で内燃機関の部品が減ることは確実で、コロナ禍がその流れを早めていた。

新しい表面処理技術に早く取り組むため、船舶関連で伸びが見込める高耐食の塗布技術と設備を持つ静岡県の同業者と、令和3年に業務資本提携を結んだ。補助事業では、その工場に仕上げ皮膜の工程を置くための工事を行い、営業網を生かした商談も始めた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 自動車部品への依存両社の売上のうち自動車関連部品はそれぞれ6割と9割を占めていた。EV化で内燃機関の部品が減ることは避けられず、コロナ禍がその流れを早めたため、新しい表面処理の技術や製品に早く取り組む必要があった。

やったこと

  1. 同業者との業務資本提携船舶関連の分野から仕事を広げられる高耐食の塗布技術と、その設備を持つ静岡県の同業者と、令和3年に業務資本提携を結んだ。相乗効果で仕事を広げることをねらった。
  2. 仕上げ皮膜工程のための工場整備既存の塗布処理の後に仕上げの皮膜をつくる工程を加え、耐食性能を高めて船舶向け部品の要求を満たすことをめざした。そのため提携先の工場で、仕上げ用の設備と焼き付け設備を置くための床の土間工事と内装工事、それにともなう電気工事を行った。
  3. 営業網を生かした商談販路を広げるため、承継した側が持つ営業のつながりを生かして、複数の顧客と商談した。

補助金を使った経費

事業の効果

  • 生産現場の環境が整い、仕上げ皮膜の工程に使う設備をスムーズに据え付けられるようになった。
  • 顧客に対して、技術をより強く訴えられるようになった。
  • 商談の後に新しい問い合わせが入るようになった。

審査の観点ごとの評価[1]

事業承継・M&A補助金

観点の平均3.3 / 5
15次の採択率[2]61.3%応募551件・採択338件

この事例が強かった観点

  • 4
    承継を機にした取組の目的自動車部品の依存(6割・9割)とEV化による内燃機関部品減少という明確な課題が示され、承継による業務資本提携の目的が具体的に述べられている。
取組の目的・必要性4.0
  • 承継を機にした取組の目的4

    自動車部品の依存(6割・9割)とEV化による内燃機関部品減少という明確な課題が示され、承継による業務資本提携の目的が具体的に述べられている。

実現可能性3.0
  • 計画の具体性と体制3

    提携先工場での土間・内装・電気工事や設備据付、承継側営業網を使った複数顧客との商談など取組内容は具体的で、実施可能な計画と読める。

収益性3.0
  • 売上・利益の見込み3

    船舶向け部品の高耐食処理で新規の問い合わせが入るようになったとあり、売上増加の見込みは読み取れるが、金額や割合の数字は示されていない。

継続性3.0
  • 事業の継続3

    自動車依存からの脱却と船舶分野への展開を通じ、EV化後も事業を継続・成長させる方向性が示されている。ただし将来の成長の数値目標は記載がない。

受けた国の認定・補助金

補助金・助成金

  • 事業再構築補助金(第7回)中小企業庁・3,612万円

事業者の声

自社には無かった分野、地域への販路拡大

埼玉県の金属の表面処理(従業員200名)
出典・注記
  1. [1]審査の観点の点数は、事業承継・M&A補助金の公募要領にある観点で当社が付けたもので、実際の審査の点数ではありません。
  2. [2]この事例の回が分からないため、採択率は直近の回(15次)の数字です。

今後の展望

グループ7社の営業網を通じて既存・新規を問わず顧客に提案し、顧客の困りごとを新しい処理で解決できないかを探る。展示会にも積極的に出る。

原材料費が上がるなか、現場の作業改善で効率を上げ、従業員が承継して良かったと思える職場づくりにも取り組む。

事業承継・M&A補助金とは

直近の15次の採択率は61.3%(応募551件・採択338件)。いま申請できる回の締切・補助額・対象経費は、最新の公募の解説でまとめています。

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