承継を機に包装を機械化し、新しい菓子づくりの時間を生む
有限会社銘菓処笑福堂
福井県の和菓子・洋菓子の製造販売(従業員10名)国が公開している採択事例です
この事例のポイント
- コロナ禍で観光や土産の需要が落ち込むなかで、三代目への承継を進めた。
- 古い包装機の故障が続き、繁忙期は包装に人手と時間を取られていた。
- 地元の商工会議所と、設備を入れて何が変わり、その先に何をするかを整理した。
- 包装の効率化で生まれた余力を、地元食材を使った新商品の開発に回した。
事業の経緯
1950年に創業した菓子店で、菓子づくりは現代表の曽祖母の代に始まったと伝わる。羽二重餅や豆らくがん、地元の素材を使ったパイなどを手がけ、70年以上続いてきた。現代表は27歳で入社し、製造、営業、配達を経験しながら、承継前から銀行や取引先との交渉にも関わってきた。
先代の父からの承継が本格化したのはコロナ禍の最中で、観光や土産の需要が落ち込み、売上が大きく減っていた。長年の包装機も故障が続いていたため、地元の商工会議所と計画を練り、事業承継・引継ぎ補助金で自動密閉機を導入した。生まれた余力で新商品をつくり、複数の事業の柱を育てる方向に進んでいる。
事業の内容
- 課題:コロナ禍での承継70年以上続く菓子店で、現代表は27歳で入社し、製造、営業、配達を経験してきた。先代の父との承継の話が本格的に進んだのはコロナ禍の最中で、観光や土産の需要が落ち込み、売上が大きく減っていた。
- 課題:包装工程の負担長年使ってきた自動包装機が古くなり、故障が続いて手作業に頼る場面が増えていた。繁忙期には包装に多くの時間と人手を取られ、新商品の開発や販路の開拓に時間を割けなかった。
- 取り組み:商工会議所との計画づくり長く付き合いのある地元の商工会議所に相談を重ね、設備を入れることで何が良くなり、将来の事業にどうつながるかを整理した。包装の効率化で生まれる時間と人手を、新商品の開発と販路の開拓に回す計画にした。あわせて、地元食材へのこだわり、和菓子と洋菓子の両方のノウハウ、受賞歴に裏付けられた商品力、地域とのつながりを自社の強みとして確かめ直した。
- 取り組み:自動密閉機の導入包装工程の手作業と故障対応を減らすため、老朽化した包装設備を最新の自動密閉機に更新した。
- 取り組み:新商品の開発生まれた余力で、地元産のもち米を使い、サブレの中に羽二重餅を入れた新商品を開発した。サブレに餅を入れるのは初めての試みで、焼き加減や食感の調整に約1年かかった。
補助金を使った経費
記事の内容から、事業承継・M&A補助金の経費区分にあてはめた区分です。
| 設備費 | 自動密閉機 |
|---|
事業の効果
- 包装工程が効率化し、生産量が約1.2倍になった。
- 包装に割いていた時間や人の配置を見直し、残業を抑えられた。
- 故障対応や手作業の負担が減って現場が安定し、既存商品の安定供給と新商品の開発に取り組む余力が生まれた。
- 設備ありきではなく、課題と将来像を先に考え、その手段として補助金を使う考え方に変わった。
事業者の声
機械を新しくすることが目的ではなく、現場の負担を減らし、新しい商品づくりに取り組める時間を生み出すことが大事だと考えていました。承継したからこそ、先代からの商品を守りながら、次につながる挑戦ができる体制を整えたいと思いました。
生産を上げるだけではなく、売る場所も並行して作らなければならない。
福井県の和菓子・洋菓子の製造販売(従業員10名)
出典
- 中小機構「補助金活用ナビ」の事例記事(当社が書き直し・要約。事業者の声は記事中の発言の引用です)
- 経費区分は、事業承継・M&A補助金の公募要領の区分に当社があてはめたものです
- 採択率:中小企業庁「採択結果」(15次)
相談先と計画づくり
| 商工会議所 | 敦賀商工会議所 |
|---|
設備を入れることで何が改善し、将来の事業展開にどうつながるかを整理した。包装の効率化で生まれる時間と人手を新商品の開発と販路の開拓に充てる方針を決め、地元食材へのこだわりや和洋両方のノウハウなど自社の強みも確かめ直した。
今後の展望
コロナ禍で一つの販路や需要に頼る怖さを知ったことから、菓子の製造・販売を強めつつ、店舗、ネット販売、飲食、物販など複数の柱を育てていく。伝統を守りながら、地域の素材を生かした新商品で地域ににぎわいを届けることをめざしている。
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