廃業する委託先の糸巻き設備を引き取り、染色前の工程を内製化

植助染工

成果リードタイムが30日から21日に縮まった。

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この事例のポイント

  • 染色ムラを防ぐ「ソフト巻」の工程を、高齢化が進む近隣の家内工業に委託していた。
  • 委託先の廃業が相次ぎ、生産能力と技術を守るため1社の設備を引き取った。
  • 工場内に専用の場所を設けて設備を2台置き、自社で一貫して加工できるようにした。
  • パートの従業員をフルタイムに切り替え、技術の継承を進めている。

事業者のプロフィール

事業者名植助染工
所在地大阪府
業種糸の染色・特殊加工
従業員数29人

事業の経緯

大阪府で、服地や雑貨に使う生地のもとになる糸を染め、特殊な加工を施す仕事を長く続けてきた。染色の前には、糸をボビンに柔らかく巻くソフト巻の工程があり、染めムラを防ぐために欠かせない。

この工程は、近隣の家内工業に委託してきた。

ところが委託先は高齢化が進み、廃業が相次いでいた。原材料やエネルギーの値上がりも重なり、工程を自社に取り込まなければ生き残れないと考えた。

そこで委託先の1社の設備を自社の新しいスペースに移し、一貫して加工できる工場にした。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 委託先の廃業服地や雑貨向けの糸を染めるには、穴のあいたボビンに糸を柔らかく巻くソフト巻の工程が欠かせない。この工程を担う業者はほとんどが近隣の家内工業で、高齢化による廃業が相次いでいた。
  • コストの上昇原材料やエネルギー、人件費が上がり、染色業を取り巻く環境は厳しくなっていた。生き残るには、関わる工程を自社に取り込む必要があった。

やったこと

  1. 糸巻き設備の移設と内製化委託先の1社が使っていたワインダー(糸巻きの設備)を、新しく設けた自社のスペースに移し、2台を据えて工程を内製化した。設備を改造すれば、これまで扱えなかった糸にも対応できる。
  2. 技術の継承設備を動かすため、半日勤務のパート従業員をフルタイムに切り替え、糸巻きの技術を引き継いでいる。

補助金を使った経費

事業の効果

  • 糸巻きの工程を自社で持てたことで、生産能力が確保できた。
  • リードタイムが30日から21日に縮まり、納期への対応がスムーズになった。
  • 高齢化による廃業がこれからも進むなかで、内製化の環境が整った。

審査の観点ごとの評価[1]

事業承継・M&A補助金

観点の平均3.8 / 5
15次の採択率[2]61.3%応募551件・採択338件

この事例が強かった観点

  • 4
    承継を機にした取組の目的委託先の廃業が相次ぐ中、生産能力と技術を守るため1社の設備を引き取ったと明確で、目的と必要性が具体的に示されている。
  • 4
    売上・利益の見込みリードタイムが30日から21日に縮まり、納期対応がスムーズになったと数字で示され、受注対応力の向上による収益改善が読み取れる。
  • 4
    事業の継続技術の継承を進めて人材を確保し、設備の改造で扱えない糸にも対応できるとしており、廃業が進む中でも継続して成長させる計画が読み取れる。
取組の目的・必要性4.0
  • 承継を機にした取組の目的4

    委託先の廃業が相次ぐ中、生産能力と技術を守るため1社の設備を引き取ったと明確で、目的と必要性が具体的に示されている。

実現可能性3.0
  • 計画の具体性と体制3

    専用の場所を設けて設備を2台据え、半日勤務のパートをフルタイムに切り替えて技術を継承しており、体制と手順は具体的に示されている。

収益性4.0
  • 売上・利益の見込み4

    リードタイムが30日から21日に縮まり、納期対応がスムーズになったと数字で示され、受注対応力の向上による収益改善が読み取れる。

継続性4.0
  • 事業の継続4

    技術の継承を進めて人材を確保し、設備の改造で扱えない糸にも対応できるとしており、廃業が進む中でも継続して成長させる計画が読み取れる。

事業者の声

染色業としては欠かせない事業であり現在その設備は生産していない。今回の事業で設備を確保できたことにより生産性の確保が出来、お客様への納期対応もスムーズになった。

大阪府の糸の染色・特殊加工(従業員29名)
出典・注記
  1. [1]審査の観点の点数は、事業承継・M&A補助金の公募要領にある観点で当社が付けたもので、実際の審査の点数ではありません。
  2. [2]この事例の回が分からないため、採択率は直近の回(15次)の数字です。

今後の展望

若手の社員を積極的に雇い、技術の継承を続ける。展示会への出展に向けて新しい染色の技術を開発し、省エネのためにLEDの導入も考えている。

事業承継・M&A補助金とは

直近の15次の採択率は61.3%(応募551件・採択338件)。いま申請できる回の締切・補助額・対象経費は、最新の公募の解説でまとめています。

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