浸炭熱処理の品質評価を工場内でできるようにし、販売増の土台をつくる

松徳工業所(売上高:10億円~20億円)

成果浸炭層の深さや炭素量を壊さずに測れるようになり、評価が速く正確になった。

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この事例のポイント

  • 先代の代表が高齢で退く意向を示し、取締役だった現代表に交代した。
  • 奈良工場は品質評価の一部を本社の設備に頼っており、浸炭設備の稼働率が低かった。
  • 切断して顕微鏡で見ていた評価を、蛍光X線式の測定器で壊さずに行えるようにした。
  • 品質を上げるだけでは売上が伸びないため、展示会への出展など顧客開拓も並行した。

事業者のプロフィール

事業者名松徳工業所(売上高:10億円~20億円)
所在地大阪府
業種金属熱処理
従業員数90人

事業の経緯

金属の熱処理を手がける会社で、本社と奈良工場に浸炭熱処理の設備を持つ。先代の代表が高齢を理由に退任を望み、取締役だった現代表が代表を引き継いだ。

先代は取締役として経営に残り、取引先への熱処理と従業員の雇用を守っている。

奈良工場は品質評価の一部を本社に頼っており、浸炭設備の稼働率が低いことが課題だった。事業承継・引継ぎ補助金で蛍光X線式の膜厚測定器を入れ、製品を壊さずに評価できるようにした。

あわせて展示会への出展や新しい分野への取り組みも始めた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 経営陣の若返り先代の代表が高齢を理由に退任を望んだ。取締役を務めていた現代表が後を継ぎ、取引先への熱処理と従業員の雇用を守りながら、経営の若返りと革新を進めることにした。先代は取締役として経営に残っている。
  • 奈良工場の品質評価体制浸炭熱処理の設備は本社に真空浸炭設備が2台、奈良工場に連続式浸炭設備が1台ある。奈良工場は品質評価の一部を本社の設備で行うなど体制が弱く、浸炭設備の稼働率が低かった。

やったこと

  1. 膜厚測定器の導入浸炭熱処理の品質を高めて販売を増やすため、2021年12月に奈良工場へ蛍光X線式の膜厚測定器を入れた。それまでは抜き取った製品を切断し、断面を化学処理して顕微鏡で見ていたが、壊さずに浸炭層の深さや炭素量を測れるようになった。
  2. 顧客開拓と新分野品質の向上だけでは売上にすぐつながらないため、機械要素技術の展示会や表面処理の展示会に出展し、顧客開拓を並行して始めた。会社全体の革新のため、新しい分野への取り組みも始めた。

補助金を使った経費

事業の効果

  • 製品を壊さずに浸炭層の深さや炭素量を測れるようになった。
  • 品質評価が速くなり、精度も上がった。
  • 品質保証の体制を整え、販売を増やすための土台ができた。

審査の観点ごとの評価[1]

事業承継・M&A補助金

観点の平均3.3 / 5
15次の採択率[2]61.3%応募551件・採択338件

この事例が強かった観点

  • 4
    承継を機にした取組の目的代表が高齢で退く意向を示したため取締役の現代表に交代したという経緯があり、承継を機に品質評価の体制を強化する目的が明確に示されている。
取組の目的・必要性4.0
  • 承継を機にした取組の目的4

    代表が高齢で退く意向を示したため取締役の現代表に交代したという経緯があり、承継を機に品質評価の体制を強化する目的が明確に示されている。

実現可能性3.0
  • 計画の具体性と体制3

    2021年12月に奈良工場へ蛍光X線式膜厚測定器を導入し、切断・顕微鏡評価を置き換えたという具体的な実施内容があり、体制面の計画は妥当。

収益性3.0
  • 売上・利益の見込み3

    品質評価の改善により販売を増やす土台をつくると述べ、展示会出展など顧客開拓も並行しているが、売上や利益の増加額は示されていない。

継続性3.0
  • 事業の継続3

    取引先への熱処理と従業員の雇用を守りながら経営の若返りを進め、先代が取締役として残る体制が示されており、承継後の継続性が読み取れる。

出典・注記
  1. [1]審査の観点の点数は、事業承継・M&A補助金の公募要領にある観点で当社が付けたもので、実際の審査の点数ではありません。
  2. [2]この事例の回が分からないため、採択率は直近の回(15次)の数字です。

今後の展望

品質の向上を訴える顧客開拓と組み合わせ、受注と売上を増やす計画である。浸炭熱処理は差をつけやすく収益性も良いため、経営の安定と雇用の増加につなげたい。

表面処理など新しい分野にも広げていく。

事業承継・M&A補助金とは

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