特注のガス窯を入れ、信楽焼の高級ブランドで新しい市場を開く

しんにょ陶器株式会社

成果新ブランドの高付加価値な商品を作れるようになり、従来より単価を上げられた。

事業承継・M&Aに使える公募中の補助金 49件を見る

この事例のポイント

  • 後継ぎは学生時代にアルバイトで焼き物づくりを一通り身につけ、大学でも陶磁器の化学分析を研究した。
  • 前職では学芸員として全国の産地や陶工と交流し、陶磁の研究を続けた。
  • 地元のバイヤー経由の大衆向け商品から、高級品の製造・販売へ切り替えることにした。
  • 素地の美しさを保ちながら、使い手に合わせた斬新なデザインの焼き物をつくる。

事業者のプロフィール

事業者名しんにょ陶器株式会社
所在地滋賀県
業種信楽焼の製造販売
従業員数6人

事業の経緯

滋賀県で信楽焼をつくる会社で、従業員は6名いる。後継ぎは前社長の父のもとで育ち、学生時代にはアルバイトで焼き物づくりを一通り身につけ、大学では陶磁器の化学分析を研究した。

前職では公立美術館の学芸員を23年務め、全国の産地や陶工と交流しながら研究を続けた。

父が高齢になったため承継を決めて転職し、3年間常務を務めた後、2023年7月に代表に就いた。前社長も会長として経営と若手の育成に関わっている。

補助事業では、新しい高級ブランドに欠かせない特注のガス窯を入れた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 父の高齢化と承継後継ぎは前社長の父のもとで育ち、学生時代は同社のアルバイトで焼き物づくりを一通り身につけた。大学では卒業論文も修士論文も陶磁器の化学分析をテーマにした。前職では公立美術館の学芸員を23年務め、全国の産地や陶工と交流を深めた。父が高齢になり、承継のために転職して3年間常務として経営や製造、販売に携わり、2023年7月に代表に就いた。
  • 大衆向け商品からの転換これまでは地元のバイヤーなどを通じた大衆向けの商品が中心だった。大都市圏や海外に住むハイエンドの使い手に向け、高級品の製造・販売に切り替えて新しい市場を得る必要があった。

やったこと

  1. 特注ガス窯の導入新ブランドの制作に欠かせない、1.2立方メートルの特注ガス窯を新たに置き、生産体制を広げた。素地の美しさと特徴を保ちつつ、使い手に合わせた斬新なデザインの焼き物をつくる独自の生産の仕組みをめざした。

補助金を使った経費

事業の効果

  • 新しいガス窯で、精度が高く付加価値の高い新ブランドの商品を作れるようになった。
  • 新しい販路を開くきっかけになり、従来品より単価を上げた商品を作れるようになった。
  • これまでにない焼成の方法を体験し、社員の関心と仕事への意欲が高まった。

審査の観点ごとの評価[1]

事業承継・M&A補助金

観点の平均3.5 / 5
15次の採択率[2]61.3%応募551件・採択338件

この事例が強かった観点

  • 4
    承継を機にした取組の目的父の高齢化を背景に、学芸員23年の後継ぎが3年間常務を経て2023年7月に代表就任と、承継の経緯と必要性が明確に示されている。
  • 4
    売上・利益の見込み新ブランドの高付加価値商品で従来より単価を上げられ、大都市圏・海外の富裕層向け新市場と新しい販路を開く見込みがある。
取組の目的・必要性4.0
  • 承継を機にした取組の目的4

    父の高齢化を背景に、学芸員23年の後継ぎが3年間常務を経て2023年7月に代表就任と、承継の経緯と必要性が明確に示されている。

実現可能性3.0
  • 計画の具体性と体制3

    常務3年を経て代表就任、特注ガス窯の導入と新ブランドの生産体制づくりという段階的な進め方が示され、実現可能な計画と読める。

収益性4.0
  • 売上・利益の見込み4

    新ブランドの高付加価値商品で従来より単価を上げられ、大都市圏・海外の富裕層向け新市場と新しい販路を開く見込みがある。

継続性3.0
  • 事業の継続3

    地元の大衆向け中心から高級品へ切り替えて事業を続ける方針と、社員の意欲向上が示され、承継後の事業継続と成長の道筋が読み取れる。

事業者の声

前社長は会長となりつつも、現在も継続して会社経営とともに若手社員の育成等にも従事しています。今回の事業承継には、私自身として大きな気持ちの転換を必要としましたが、この度の補助金助成によるガス窯の導入により、「鼎」ブランドの実現において大切な一歩を踏み出す契機となり、新しい事業展開への機会に繋がりました。従来より弊社における製陶業とは「温故知新」の仕事でもあり、今後のモノづくりに対する新しい視点を得る機会となりました。

滋賀県の信楽焼の製造販売(従業員6名)
出典・注記
  1. [1]審査の観点の点数は、事業承継・M&A補助金の公募要領にある観点で当社が付けたもので、実際の審査の点数ではありません。
  2. [2]この事例の回が分からないため、採択率は直近の回(15次)の数字です。

今後の展望

新しい窯は焚き方がほかの窯と違うため、社員全員で技術を身につけ、素地づくり、釉薬のかけ方、焼き方を確立する。リピーターに多い大都市圏のハイエンドの使い手に向け、対面販売に加えて百貨店やホテルのレストラン、割烹料理店などの新しい販路を開く。

千年以上続く信楽焼の技術と文化を守りながら、新しい風合いの焼き物をつくっていく。

事業承継・M&A補助金とは

直近の15次の採択率は61.3%(応募551件・採択338件)。いま申請できる回の締切・補助額・対象経費は、最新の公募の解説でまとめています。

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