はるさめの直売所とカフェをつくり、伝統の製法の価値を伝える
奈良食品株式会社
奈良県の国産はるさめ製造業(従業員11名)国が公開している採択事例です
この事例のポイント
- 知識も経験もないまま家業に入り、2021年に経営を継いだ。主力商品は売るほど赤字が増える状態だった。
- 地元の商工会との対話で、直売所とカフェで価値を伝える構想が形になった。
- 本格的なキッチンを整え、飲食店や惣菜製造の許可を取れるようにした。
- 売上と利益率が改善し、商品は全国規模のグランプリでも評価された。
事業の経緯
1963年に設立し、国産はるさめを伝統の製法でつくってきた。現代表は出産後に父から家業を手伝うよう頼まれ、はるさめの知識も経験もないまま入社した。職人の仕事を知るなかで、この製法を守りたいと思うようになった。
2021年11月に経営を継いだときは、主力商品が売るほど赤字になる厳しい状態だった。地元の商工会と話し合い、直売所とカフェで商品の価値を伝える構想を固め、事業承継・引継ぎ補助金でキッチン、カフェ、直売所を整えた。売上と利益率が改善し、商品は全国規模のグランプリでも評価された。
事業の内容
- 課題:厳しい経営状態での承継国産はるさめを伝統の製法でつくる会社。現代表は出産後に父から家業を手伝うよう声をかけられ、はるさめの知識も経験もないまま入社した。2021年11月に経営を継いだが、会社がつぶれかねない状態で、売上の大半を占める商品は売るほど赤字が膨らんでいた。
- 課題:価値が伝わらない売り方販路と価格の考え方を見直す必要があった。商品の良さや食べ方を直接伝える場はなく、国産はるさめをつくる事業者が減るなかで、伝統の製法をどう守っていくかも課題だった。
- 取り組み:商工会との対話以前から付き合いのある地元の商工会に相談し、まず自分が何をしたいのかを考えるよう助言された。話し合うなかで、直売所で商品の魅力を伝え、調理設備のあるカフェで新しい食べ方を提案する構想ができた。商工会から事業承継・引継ぎ補助金を提案され、誰にどんな価値を届けるのか、なぜその取り組みが必要か、設備投資でどんな効果が出るかを計画にまとめた。
- 取り組み:キッチン、カフェ、直売所の整備それまではカセットコンロ1台でメニューを考えていたため、飲食店や惣菜製造の許可が取れる本格的なキッチンを新しくつくり、はるさめを使った商品の開発、試作、販売ができるようにした。はるさめ料理を出して新しい食べ方を提案するカフェスペースと、商品のこだわりを直接伝える直売所も整えた。
補助金を使った経費
記事の内容から、事業承継・M&A補助金の経費区分にあてはめた区分です。
| 設備費 | キッチン |
|---|---|
| 設備費 | カフェスペース |
| 設備費 | 直売所 |
事業の効果
- 売上が就任時より約3割増えた。
- 利益率が約15%改善した。
- 直売所には遠方からもファンが訪れ、安定した売上につながっている。
- 主力のはるさめが「にっぽんの宝物 JAPANグランプリ2025-2026」でグランドグランプリを受けた。
事業者の声
国産無添加はるさめは、わずかな環境の違いで品質が変わるほど繊細な食品です。だからこそ、職人がその日の状態を見極め、材料の配分を調整しながら仕上げています。その難しさと奥深さを知る中で、この伝統を自分が守っていきたいと強く思うようになりました。
最初は、自分が考えていることが本当に事業として成り立つのか不安もありました。商工会の方に相談する中で、課題を一つひとつ整理していき、何を準備すればよいのかが明確になっていきました。構想が少しずつ形になっていくのを感じ、前に進める手応えを感じることができました。
奈良県の国産はるさめ製造業(従業員11名)
出典
- 中小機構「補助金活用ナビ」の事例記事(当社が書き直し・要約。事業者の声は記事中の発言の引用です)
- 経費区分は、事業承継・M&A補助金の公募要領の区分に当社があてはめたものです
- 採択率:中小企業庁「採択結果」(15次)
相談先と計画づくり
| 商工会 | 桜井市商工会 |
|---|
直売所で商品の魅力を伝え、カフェで新しい食べ方を提案するという構想をもとに、誰にどんな価値を届けるのか、なぜその取り組みが必要か、設備投資でどんな効果が出るかを整理した。
今後の展望
直売所やカフェでの販売に加え、マルシェへの出店、新しいメニューの開発、SNSでの発信を進める。シンガポールで開かれる世界大会に参加し、国産はるさめを海外にも発信していく予定。
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