中小企業省力化投資補助金が正式決定!2024年6月公募開始

中小企業省力化投資補助金

政府は中小企業の売上拡大や生産性向上を推進するため、2024年から新しく省力化投資補助金の公募を開始します。製造業や飲食・宿泊業、介護・医療関係など、様々な活用可能性が見込まれています。今回の記事では、省力化投資補助金の最新情報を解説します。

中小企業省力化投資補助金が正式決定!2024年から開始

中小企業省力化投資補助事業(省力化投資補助金)は2024年から開始する新しい補助金です!中小企業の省人化・省力化の取組みを支援する補助金です。DX・IoT・AI導入などに係る費用を最大1,500万円、補助率1/2の条件で補助します。

上記の資料によると「中小企業省力化投資補助事業(省力化投資補助金)」の令和5年度補正予算案額は1,000億円となっています。

【2024年度】省力化投資補助金の対象となる取組みや経費

省力化投資補助金は大きく①省人化②省力化の取組みに利用することができます。

①省人化の取組み:人的工数を削減

省人化とは、業務の工程を見直して、不要な作業を省くことなどにより、人的工数の削減を図ることです。

省人化の取組み例たとえば、今までは人の手で行っていた質問への回答を、AIが担うことで、電話対応のスタッフを減らすことができます。これにより、人的リソースを他の重要な業務に振り向けることが可能になります。

②省力化の取組み:作業負担の軽減

次に省力化の取り組みです。こちらは、人員を削減するのではなく、従業員の作業負担を軽減し、生産性の向上を図ることを目的としています。

省力化の取組み例一例として、文書作成に生成AIや人工知能を利用ことがあります。AIがスクリプト原案の作成を支援することで、圧倒的な時間の短縮と効率化が図れます。これにより、従業員はよりクリエイティブな業務に集中でき、生産性の向上につながります。

中小企業省力化投資補助金 予算額は5000億円超

中小企業省力化投資補助金の予算は、中小企業等事業再構築基金の活用を含めて、総額5,000億円規模に設定されています。このうち直接の予算割当額は1,000億円となっており、これは中小企業支援の分野においてかなり大規模なものです。

また、補正予算の文言では、事業再構築補助金についても言及されているため、中小企業省力化投資補助金は、基本的には事業再構築補助金の補助率や補助額の枠組みを踏襲する可能性が高いと考えられます。

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省力化投資補助金 補助対象者とは

従業員数5名以下の小規模事業者から、従業員数21名以上の中小企業まで幅広く対象となる補助金となっています。

省力化投資補助金 補助対象経費とは

省力化投資補助金は一体どのようなものが補助対象経費なのでしょうか。
事前に審査の上でカタログに掲載された製品の中から選定する機器となります。

カタログなど具体的にはまだ公開されていません。業界によっても様々ですが、例えば製造業であれば、生産工程の自動化を可能にするロボットや、品質検査を行うAI搭載の機器が補助対象となる可能性が高いと考えています。

また、飲食業や宿泊業といったサービス業においては、清掃作業や接客業務を自動化するロボットが重要な対象となるでしょう。これにより、これらの業界における労働負担の軽減とサービス品質の向上が期待されます。

全体的に、省力化投資補助金は、労働集約的な作業を効率化し、中小企業が新しい技術を活用してビジネスの成長を図れると期待されています。

省力化投資補助金 補助額

中小企業省力化投資補助事業の補助上限は以下の通りです。賃上げ要件を達成した場合()内の値に補助上限額を引き上げる予定です。

  • 従業員数5人以下:200万円(300万円)
  • 従業員数6~20人:500万円(750万円)
  • 従業員数21人以上:1000万円(1500万円)

従業員規模の区分からわかる通り、中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金や、ものづくり補助金と比べると、従業員規模の小さい企業向けとなっています。

省力化投資補助金 補助率

省力化投資補助金では、補助率が1/2(50%)に設定されています。つまり、ロボット、AI、IoT製品などの導入コストの半額が補助金として提供されます。このため、これまでコストの問題で導入を躊躇していた事業者も、より積極的に技術投資を行うことが可能になります。

Tipsこのように、省力化投資補助金は柔軟性を持ち、事業者のニーズや実現したい目標に応じて、さらなる支援の可能性が開かれています。

省力化投資補助金 申請枠

省力化投資補助金の申請枠はひとつのみとなっています。

  • 省力化投資補助枠(カタログ型)

省力化投資補助金 業界別DX・AI・IoT化事例

現代のビジネス環境では、DX(デジタルトランスフォーメーション)、AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)の活用が重要です。ここでは、省力化投資補助金を活用した各業界の革新的な事例をご紹介します。

Tips各業界の①~⑥をクリックするとより詳細な活用事例や導入機器の事例ページにジャンプします。詳しくご覧になりたい方はどうぞ。

①情報通信業(IT)の事例

情報通信業界は、技術の急速な進化と共に、人手不足や優秀な人材の定着という大きな課題に直面しています。これらの課題を解決するために有効な製品やサービスを導入することは、業務効率の向上と従業員満足度の向上に寄与します。省力化投資補助金では、これらの問題解決に寄与する製品やサービスが補助されます。

【製品・サービス例】

  • データセンター自動化ソフト:データセンターの運用を自動化・コスト削減と効率向上を実現。
  • AIによるサイバーセキュリティ:AIを活用してリアルタイムでのセキュリティ脅威を検知。
  • ビッグデータ分析ツール:膨大なデータから有益な情報を抽出し、ビジネス戦略の策定に役立てる。
  • リモートワーク対応の通信サービス:遠隔地からの効率的な業務遂行を支援し、従業員の柔軟な働き方を可能にする。

①製造業の活用事例

中小規模の自動車部品製造業者の場合、組み立てラインにAI搭載のロボットアームを導入したり、することで、組み立ての効率が30%向上し、製品の不良率が5%から2%に減少させるなどの事例があります。

特に技術的なスキルを要する製造業では、適切な技術者や機械オペレーターの不足が問題となっています。近年注目されている「スマートファクトリー化」を推進するためにも、省人化省力化補助金の活用を積極的に行いたい業界です。

【製品・サービス例】

  • AI搭載ロボットアーム:組み立てラインの自動化を促進。
  • 品質検査AIシステム:製品の品質検査を自動化。
  • IoTセンサー:設備の状態監視や遠隔操作を可能に。
  • 3Dプリンティング設備:カスタム部品の迅速な製造を支援。
  • エネルギー管理システム:効率的なエネルギー使用を実現。
スマートファクトリーとは?スマートファクトリーとは、AIやIoT技術などを活用し、データを元に業務管理を行う工場のことです。データの収集と活用によってビジネスのプロセス全体を見直し、最適な業務フローを自動的に分析して現場に導入することができます。

②飲食・宿泊業の活用事例

飲食業界では、人手不足が深刻な問題です。この問題に対応するため、多くの店舗が配膳ロボットや清掃ロボットを導入しています。これにより、人手不足を補いつつ、サービス品質を維持することが可能です。4割以上の飲食店が人手不足といわれる中、省人化省力化補助金の活用をして、配膳ロボットや清掃ロボットを導入することはマストともいえる業界です。

【製品・サービス例】

  • 配膳ロボット:食事の配膳を自動化。
  • 自動調理機器:一部の調理プロセスを自動化。
  • 清掃ロボット:掃除業務の自動化を促進。
  • オンライン予約システム:顧客管理と予約処理の効率化。
  • キャッシュレス決済システム:支払い処理の迅速化。

③介護・医療関係の活用事例

介護分野は、スタッフの過重労働と高い離職率に直面しています。2022年には、介護業界の離職者が新規就労者数を超える「離職超過」が大きな問題として取り沙汰されています。長時間労働と精神的・肉体的なストレスが原因で、多くの介護スタッフが職場を離れてしまうという問題があります。

この状況に対処するため、配膳清掃ロボットや遠隔システム、パワースーツの導入が効果的です。これにより、スタッフの日常的な作業負担が減少し、残業時間が減少した事例もあります。作業負担が軽減されることで、スタッフはよりケアに集中でき、ケアの質も向上します。またスタッフの働きやすさも改善し、結果的に離職率を低減することにつながります。

【製品・サービス例】

  • 配膳ロボット:食事配布の自動化。
  • 移動支援ロボット:患者の移動を支援。
  • 遠隔モニタリングシステム:患者の健康状態をリモートで監視。
  • 自動薬剤投与機:正確な薬剤管理と投与。
  • 清掃ロボット:施設内清掃の自動化。
  • パワースーツ:運搬・日常ケアの負担軽減。

④建設業の活用事例

建設プロジェクトの増加に伴い、建築労働者や建設関連の技術者の需要が高まっています。人手不足に悩む建設業界では、下記のような建設ロボットが開発されており、実際に建設現場で活用されております。またドローン技術の導入なども省力化に繋がります。地方の建設会社の例を見ると、ドローンを用いた点検や測量により、従来の高所作業の時間を70%も削減しました。結果、作業の安全性が大幅に向上し、作業効率も改善されています。

【製品・サービス例】

  • ドローン:点検や測量作業の自動化。
  • 3Dスキャニング技術:現場の正確な3Dモデリング。
  • 自動化建設機械:掘削や積み込み作業の自動化。
  • ウェアラブル安全装置:作業員の安全確保。
  • BIMソフトウェア:プロジェクト管理の効率化。

⑤農業の活用事例

農業分野では、特に人手不足が深刻な課題となっています。この問題に対処するため、自動収穫ロボットや雑草防止ロボットなどの技術が開発されています。これらの技術は、農作業の効率化を図りつつ、持続可能な農業経営にとって重要な取組みです。道を開いています。

農業における人手不足問題を解消するために、自動収穫ロボットや、田んぼの雑草を防ぐためのロボットなどが開発されています。省人化省力化補助金の対象として、収穫に使えるロボットが選定されることを期待しています。

【製品・サービス例】

  • 自動収穫ロボット:収穫作業の自動化。
  • ドローンによる監視システム:農地の監視と分析。
  • 精密農業ソフトウェア:作物の生育状況の最適化。
  • 自動灌水システム:水やりの自動化。
  • 農業用自動運搬車:収穫物の搬送自動化。

⑥運輸・物流・倉庫業の活用事例

運輸・物流・倉庫業界では、人手不足が深刻な影響を及ぼしています。特にトラック運転手や倉庫作業員の不足は、業界全体の運営に影響を与えています。この課題に対応するため、自動搬送ロボットなどの技術が導入され、作業の効率化と精度向上が進んでいます。例えば、自動搬送ロボットを導入した物流センターでは、ピッキング時間の短縮と誤配送の大幅な減少が実現されています。

【製品・サービス例】

  • 自動搬送ロボット:倉庫内の物品搬送自動化。
  • 自動ピッキングシステム:注文の自動ピッキング。
  • 自動化フォークリフト:重い物品の自動搬送。
  • 在庫管理AIシステム:在庫の自動管理と最適化。
  • GPS追跡システム:物流の効率化と追跡。

この問題を解消するために、省人化省力化補助金の活用をし、物流ロボットを導入することが有効です。実際にロボットの導入で、ピッキング時間が平均30%短縮され、誤配送が70%減少した事例も上がっています。

詳細は【省力化投資補助金を活用できるDX・IoT・AI導入事例を業界別に解説】で解説しています。

省力化投資補助金 申請代行の費用や相場

省力化投資補助金の申請代行を利用するメリットや費用感、相場をまとめました。まだ予測の部分もありますが、全体の動きが見えてきたら随時更新します。

省力化投資補助金 申請代行の費用や相場を解説

省力化投資補助金 相談窓口

多くの業界が人手不足の問題に直面しており、この課題に対処するために省力化投資補助金の活用がますます重要になっています。専門の相談窓口をご利用ください。


補助金相談は専門家まで!補助金申請のプロセスは複雑な場合が多く、適切なガイダンスが成功の鍵となります。早期の申請準備と計画的なアプローチにより、補助金の活用を最大限に引き出しましょう。専門家によるサポートを活用して、省力化投資の機会を逃さないようにしましょう。

2024年度は省力化投資補助金でDX推進

省力化投資補助金は、日本の中小企業が直面する深刻な人手不足問題に対応するための重要な施策です。具体的には、製造業、飲食業、宿泊業など多様な業種における労働集約的な作業の自動化・効率化を支援することが目標です。

政府は、補正予算案として1000億円をこの制度に充てる方針を示しており、中小企業が導入費用の50%までの補助を受けられるようにする計画です。対象となる設備や製品は国が事前に定めたカタログから選択可能で、幅広い産業分野の事業者が補助の対象となります。ぜひこの機会を活かして、申請をご検討ください。

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令和6年度予算版 補助金リスト

全国には経済産業省をはじめとする官公庁や市区町村など様々な行政機関から公募される補助金は何千種類とあります。主要な補助金をリストアップし、皆様にご活用いただきやすい形でご提供します。

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PROFILE

稲野 健夫(代表取締役)
稲野 健夫(代表取締役)
兵庫県出身、関西学院大学卒。調達件数100社以上、成功確率80%超。
東証プライム上場の事業会社→コンサルファームを経て2023年起業。経営者の新たな挑戦をサポートするため、事業再構築補助金やものづくり補助金、融資等を活用した資金調達支援やインキュベーション事業、イベント事業を提供しています。

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