24年度では、23年度の補助金に続き、新たな補助金が続々と追加される見込みです。一体どんな補助金があるのか気になる経営者も多いのではないでしょうか。本記事では、今年に中小企業が「DX戦略」の目的で使える補助金を紹介します。
目次
中小企業向け補助金とは
補助金とは、国や自治体の政策目標に合わせて、さまざまな分野で募集されている中小企業向けの公的資金です。事業に必要な経費の一部を補助してくれます。融資とは異なり、原則返済の必要がなく事業の経済的負担・返済リスクを軽減できます。
DX戦略とは
DX(デジタル・トランスフォーメーション)は、デジタル技術を駆使した業務改革と戦略の実行を指し、業務効率化や市場競争での優位性獲得を目指します。この戦略的取り組みを「DX戦略」と呼びます。経済産業省の「デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会の中間報告書」(DXレポート2)によると、DXは「デジタイゼーション」(情報のデジタル化)、「デジタライゼーション」(デジタル技術による業務プロセス改革)、「デジタルトランスフォーメーション」(組織全体のデジタル変革)の3段階から成り立ち、これら全てを包括した形で推進されるべきとされています。
なぜ中小企業にDX戦略が必要なのか?
中小企業にとってDX戦略が必要な理由は、主に競争力の維持と効率性の向上にあります。デジタル技術を活用することで、中小企業は迅速な意思決定、コスト削減、顧客体験の改善などを実現できます。 また、市場の変化に素早く適応し、革新的なサービスや製品を開発する能力も高まります。このようにDXを通じて、中小企業は大企業に対抗し、持続可能な成長を達成するための基盤を築くことができるのです。
2024年は通年公募型補助金がおすすめ
まず結論から申し上げると、通年公募型の補助金を狙うのがおすすめです。理由は3つあります。
①通年公募だからチャンスが多い
通年公募型の補助金は2024年度に少なくとも2~4回公募予定。さらに公募期間も2か月ほどあり、一般的な補助金より締切が長く設定されています。
そのため応募回数と申請期間と他の補助金より確保しやすく、十分な準備をした上で、都合の良いタイミングで申請・事業実施することができます。
②補助額が大きく、対象経費が幅広い
通年公募型は1社あたりの補助額も数百万から数千万と大きく、幅広い対象経費の中から大半の経費を申請できます。
③事例が豊富で採択を狙いやすい
毎年1万社以上が応募し採択事例も公開されているため、審査観点や採択傾向の分析・対策がしっかりと行えます。
2024年 DX推進に活用できる補助金
- ものづくり補助金
- 省力化投資補助金
- IT導入補助金
ものづくり補助金
ものづくり補助金は、中小企業等による生産性向上に資する革新的サービス開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資を支援する補助金です。大手企業ではない中小企業・小規模事業者が対象となり、個人事業主もこの補助金を利用できます。詳細は下記で解説しています。
※【最新】ものづくり補助金とは?補助額や申請要件、採択傾向を解説!
ものづくり補助金の申請枠
ものづくり補助金の申請枠の条件は以下の通りです。
※変更点は【ものづくり補助金 2023年度補正予算の変更点を解説】で解説
省人化投資補助金
省力化投資補助金は令和5年度補正予算で閣議決定した補助金です。第1回の公募は2024年春に予定されています。中小企業省力化投資補助事業(省力化投資補助金)は、中小企業の省人化・省力化の取組みを支援する補助金です。DX・IoT・AI導入などに係る費用を最大1,500万円、補助率1/2の条件で補助します。
※詳細は【省力化投資補助金とは?最新情報を速報解説!】で解説
省力化投資補助金の対象製品・サービス
省力化投資補助金では、①省人化と②省力化を促進する製品が対象になります。IoTやロボット等の人手不足に効果のある製品を「カタログ」に掲載し、申請事業者が選択することで、簡易で即効性のある省力化投資を促進します。
①省人化の取組み:人的工数を削減
省人化とは、業務の工程を見直して、不要な作業を省くことなどにより、人的工数の削減を図ることです。
例えば、今までは人の手で行っていた質問への回答を、AIが担うことで、電話対応のスタッフを削減できます。これにより、人的リソースを他の重要な業務に振り向けることが可能になります。
②省力化の取組み:作業負担の軽減
次に省力化の取り組みです。こちらは、人員を削減するのではなく、従業員の作業負担を軽減し、生産性の向上を図ることを目的としています。
例として、文書作成に生成AIや人工知能を利用ことがあります。AIがスクリプト原案の作成を支援することで、圧倒的な時間の短縮と効率化が図れます。
※【業界別】省力化投資補助金を活用できるIoT・AI導入やDX事例を解説
第1回公募の採択率は高くなる傾向
省力化投資補助金の第1回公募は2024年度春に公募開始されます。
第1回公募の採択率は例年70~80%と高く、予算消化につれて採択率は低下する傾向があるため、予算が十分確保されている第1~2回での申請がおすすめです。
※販売業者向け【省力化投資補助金 カタログ登録の流れや申請時期、準備を解説】
IT導入補助金
IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者等が自社の課題やニーズに合わせたITツールを導入する経費の一部を補助する補助金です。業務効率化・売上アップを目的にしており、補助額は30万円から最大450万円まで補助されます。補助率は1/2~3/4となっています。
補助金申請の注意点
1.補助金は後払い
補助金は後払い制です。例えば、総額300万円の補助事業で補助率2/3場合は、まず自社で300万円を支出する必要があります。補助金は先に出るものと勘違いし、してしまうと事業を進めることはできません。申請した事業総額と同額の資金を用意が必要です。
2.支払い時期に注意する
補助金では事業期間を定め、この事業期間以外に支出した経費は原則認められません。例えば事業期間が2023/4/1~2023/12/31の場合、2023/3/31や2024/1/1に支払った経費は補助対象外です。
3.補助対象経費の要件を理解する
採択後も、例えば「試作」に係る補助金を申請した場合は、量産用の機械や販売用の製品開発に支払った経費は認められないため注意が必要です。また補助金によって同じ対象経費でも扱いが異なります。必ず申請前に最新の公募要領を確認してください。
補助金申請サポート窓口
2025年度は7大補助金を活用しよう
補助金のご活用をお考えの方に朗報です。令和7年度は7大補助金の実施が予定されています。補助金を上手く利用して新規事業やDX、省力化、GX推進を行いたい事業者は、こちらの記事を一度ご覧ください。
【2025・R7年度】中小企業が申請できる7大補助金を解説【2025・R7年版】補助金ガイドブック
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PROFILE
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兵庫県出身、関西学院大学卒。調達件数100社以上、成功確率80%超。
東証プライム上場の事業会社→コンサルファームを経て2023年起業。経営者の新たな挑戦をサポートするため、事業再構築補助金やものづくり補助金、融資等を活用した資金調達支援やインキュベーション事業、イベント事業を提供しています。
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