【熊本県】事業再構築補助金の採択事例と申請代行費用を解説

事業再構築補助金

今回の記事では、熊本県における事業再構築補助金の採択結果やその傾向について詳しく解説しています。事業再構築補助金は、中小企業が新しい事業を展開する際の資金をサポートするための補助金で、最大8,000万円の資金を補助できます。特に、アフターコロナの時代において、新たな事業展開が求められる中で、事業再構築補助金は非常に有効な資金策となっています。

熊本県においても、多くの企業が事業再構築補助金補助金を活用しています。具体的な事例や活用状況を見ていきましょう。目次タップで飛べます

事業再構築補助金とは?

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事業再構築補助金は、思い切った事業再構築をする中小企業に向けた補助金です。ポストコロナ・ウィズコロナの時代の経済社会に対応するため、中小企業等が新たな事業を行う場合に必要となる資金(最大8,000万円、補助率2/3)を支援する補助金です。

熊本県においても事業再構築補助金は活発に活用されており、新たな事業展開の資金の補助を受けることができます。次に事例を見ていきましょう。

熊本県 事業再構築補助金の活用状況

熊本県は、2016年の熊本地震以降、地域の復興と産業の再建に取り組んできました。この背景から、事業者は新しい事業展開や地域資源の有効活用を模索しています。例えば、「ご当地パンの製造によって、障がい者のやりがい確保・農福連携の推進に挑戦」という事業計画は、地域の特色を生かした商品製造と、社会的課題である障がい者雇用の推進を組み合わせた取り組みとして注目されます。このように、事業再構築補助金は熊本県の事業者にとって、新たな事業機会の創出や地域課題の解決手段としての重要性が増していると言えるでしょう。

熊本県 事業再構築補助金の採択結果

以下は事業再構築補助金における熊本県の採択件数、順位、および全体に占める割合です。

熊本県 採択件数および順位

熊本県の採択件数、件数の順位および全体に占める割合は以下の通りです。

都道府県 採択件数 件数の順位 全体に占める割合 (%)
熊本県 79 件 18位 約1.49%

事業再構築補助金 過去の採択結果

以下は事業再構築補助金 第1~10回の採択件数および採択率です。

事業再構築補助金の第1回から第10回までの採択結果を見ると、初回の採択率は36.0%で、その後徐々に採択率が上昇し、第7回と第8回で最高の51.1%および51.2%を記録しました。しかし、第10回に制度変更があったことを受けて、採択率は48.1%に減少しました。この制度変更は、採択難易度の上昇および採択件数の減少にも影響し、第10回では5,205件となりました。

余談ですが、全国で最も採択されているのは1.東京都、2.大阪府、3.愛知県の順となっています。

熊本県 事業再構築補助金の採択事業

熊本県の採択結果から抽出した事業者名と事業計画名は以下の通りです。

事業者名 事業計画名
株式会社HERO’S ご当地パンの製造によって、障がい者のやりがい確保・農福連携の推進に挑戦
株式会社藤興機 プラスチック製品の設計・加工技術を活かした環境整備分野への新市場進出
株式会社マツカワ物流 地方物流会社が取り組む地域に根ざした再構築
有限会社熊谷製作所 市場ニーズに対応した食品加工機器製造への進出に伴う一貫生産体制の強化
株式会社Nプラント工業 配管ピースの製造(プレハブ加工)に着手し、熊本県の活性化に貢献する事業計画

これらの採択結果をもとに、熊本県の主要産業や地域特性などを絡めて、事業再構築補助金が活用されている背景や補助金を活用した新規事業の可能性について考察します。

①事業再構築補助金で新規事業

熊本県での事業再構築補助金の採択結果を見ると、多様な分野での新規事業展開が考えられていることが分かります。例えば、「プラスチック製品の設計・加工技術を活かした環境整備分野への新市場進出」という事業計画は、持っている技術を生かし、新たな市場にチャレンジする姿勢が伺えます。

②熊本県の地域活性化

また、「地方物流会社が取り組む地域に根ざした再構築」は、地域の物流ニーズに応えるとともに、地域経済の活性化にも貢献する可能性があります。

事業再構築補助金を活用し、熊本県の事業者が新しい事業領域への進出や地域課題の解決に取り組むことは、県全体の経済活性化や雇用の創出に繋がると考えられます。

②地域の産業との連携

エステック株式会社の「プレハブ管の製造販売計画」や岩瀨鉄工建設株式会社の「ソーラーカーポート構造材製造事業への参入」は、熊本県の工業地域との連携を強化し、新しい市場やニーズに応じた製品開発を進めることを示しています。事業再構築補助金を利用して、伝統的な産業を再構築し、新しい価値を創出する取り組みは、熊本県の産業の持続的な成長に貢献します。

熊本県 業種別の採択結果

熊本県の事業再構築補助金第10回公募の採択結果から、”主たる業種(大分類)”ごとの結果は以下の通りです。

業種 採択件数 採択件数に占める割合 (%)
製造業 1278件 24.17%
卸売業,小売業 781件 14.77%
建設業 696件 13.16%

特に、採択件数が多い上位3業種は、製造業、卸売業・小売業、建設業です。

熊本県 事業再構築補助金の結果考察

熊本県の製造業

製造業は、事業再構築補助金の採択件数が最も多い業種となっています。これは、日本の産業構造における製造業の重要性を示すものと考えられます。特に、熊本県をはじめとする地方都市では、地域の特色や資源を活かした製品の製造や、新しい技術の導入による付加価値の高い製品の開発が求められています。事業再構築補助金を活用することで、新たな市場の開拓や技術革新を進める企業が多いと考えられます。

熊本県の卸売業・小売業

卸売業・小売業も、事業再構築補助金の採択件数が多い業種の一つです。これは、新型コロナウイルスの影響を受けて、従来のビジネスモデルの転換やデジタル化への取り組みが進められていることが背景にあると考えられます。熊本県を含む多くの地方都市でも、オンライン販売や地域資源を活かした新しい商品の開発など、事業再構築補助金を活用した新しい取り組みが進められています。

熊本県の建設業

建設業は、日本全体でのインフラ整備や地域の開発が進められていることを反映して、事業再構築補助金の採択件数が多い業種となっています。熊本県では、2016年の熊本地震の影響で、復旧・復興工事が多く行われており、これが建設業の採択件数の増加に寄与している可能性があります。

以上の考察を踏まえると、事業再構築補助金は、各業種の課題解決や新しいビジネスチャンスの創出をサポートする重要な役割を果たしていることがわかります。特に熊本県などの地方都市では、地域の特性や課題に応じた取り組みが進められており、事業再構築補助金の活用により、地域経済の活性化や新しい産業の創出が期待されています。

熊本県で事業再構築補助金の採択を狙うコツ

1. 熊本県の地域資源を活用した事業展開

熊本県は、豊かな自然環境と農業資源、さらには温泉や観光地としての魅力を有しています。事業再構築補助金を活用する際には、これらの地域資源を取り入れた事業計画の策定が重要です。例えば、熊本県阿蘇市のような農業が盛んな地域では、地元産の食材を活用した加工食品事業や農業体験型の観光事業が考えられます。また、温泉地として知られる黒川温泉を活用したウェルネス関連事業も有望です。これらの取り組みは、地域の持続可能性を高め、事業再構築補助金の審査においても高い評価を得られる可能性があります。

2. 地震復興と地域コミュニティの再構築に注力

2016年の熊本地震以降、熊本県では多くの地域が復興を進めています。事業再構築補助金の採択を目指す企業や事業者は、地域コミュニティの再構築や地震からの復興に貢献するプロジェクトを展開することが有効です。具体的には、地元の建設会社や不動産会社が、住宅再建やインフラ復旧を通じて地域社会の安定化に寄与する取り組みが挙げられます。また、地域の特産品を活用した事業や、地元住民との協働を基盤とした社会貢献事業も、事業再構築補助金の獲得に繋がる重要なポイントです。

3. イノベーションとデジタルトランスフォーメーションの推進

熊本県内の企業が事業再構築補助金を獲得するためには、イノベーションの推進とデジタルトランスフォーメーション(DX)への積極的な取り組みも重要です。特に、ITや通信分野の企業、例えば熊本市に拠点を置く「株式会社データマックス」のような企業は、地域のデジタル化を推進し、新たなビジネスモデルを創出するチャンスがあります。また、農業技術のイノベーションに取り組むスタートアップや、地域の伝統産業とデジタル技術を融合させる新しい事業展開も、事業再構築補助金の採択に強力なアピールポイントとなります。

申請には認定支援機関の支援が必須

事業再構築補助金では、申請者は認定支援機関へ申請サポートを依頼することになります。すべての申請枠で共通する要件である「認定支援機関要件」において、事業計画書の確認や申請時に提出する確認書の発行が求められるためです。

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認定支援機関とは?

認定支援機関とは、2012年に制定された中小企業経営力強化支援法に基づき、中小企業の経営力を強化する目的で設立された制度です。経済産業省が管轄となっており、正式名称は「経営革新等支援機関」となっています。

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認定支援機関には、税理士や中小企業診断士、行政書士など、幅広い分野の組織が認定支援機関に登録されています。主な業務内容としては、中小企業や小規模事業者の経営に関するアドバイスをおこない、事業計画の策定や資金調達、補助金申請を支援することです。国内の99%は中小企業であり、経済活性化のためには中小企業の業績向上が重要とされているため、国も積極的に認定を進めています。

認定支援機関のサポート内容

①事業計画書作成支援
②採択後の実績報告書等の作成支援
③その他サポート業務

①事業計画書の作成支援

事業再構築補助金の採択に最も重要なのが「事業計画書」です。補助事業の目的及び審査観点に沿って、P10~15の事業計画書を作成します。事業計画書の内容に基づき、事務局の審査員により採択の可否が決まります。補助金の専門家である認定支援機関からの支援を受けると採択される可能性が高まります。

②採択後の実績報告書等の作成支援

無事に採択を受けても、すぐに補助金が受け取れるわけではありません。補助金を受け取るには、交付申請を行い補助事業を完了し、実績報告書等を提出することが求められます。交付申請を行わなければ事業に着手することができず、実績報告を行わないと補助金が受け取ることができません。認定支援機関のサポートを受ければ、採択後の手続きも速やかに行えます。

③その他サポート業務

事業再構築補助金で補助金を受け取るには、事業計画書以外にも多数の書類を適切な様式で作成し、電子申請システムに入力しなければいけません。不採択となった事業者のうち、およそ10%が書類不備やシステム入力不備です。指定様式や入力方法が細かく指示されているため、認定支援機関のサポートを受けると心強いでしょう。また、申請代行の利用により提出書類の準備負担を軽減できます。

事業再構築補助金の申請代行費用

申請代行のサポート内容は依頼先の機関により異なりますが、着手金と成功報酬の料金体系となっている場合が多いです。費用相場は下記の通りです。

着手金 10~30万円
成功報酬 15~20%

申請する補助金が高額になるほど、申請代行を利用する費用対効果が高くなります。下限額を設定している代行事業者を使う場合は、申請額が少ないと費用対効果が見合わなくなる可能性もありますので、注意が必要です。

事業再構築補助金の申請手続きの注意点

また、申請手続きの際、電子申請時の入力などをすべて代行してもらうのは規約違反です。事業再構築補助金の公募要領に「本アカウントやパスワードを外部支援者等の第三者に開示することは、GビズIDの利用規約第10条に反する行為」である旨の記載があるためです。事業再構築補助金では、申請手続きや事業計画の作成のすべてを外部機関に丸投げすることは認められませんので、注意が必要です。

まとめ

今回は、熊本県における事業再構築補助金の採択結果を中心に、その活用状況や具体的な事例を通じて解説しました。熊本県の事業者は、地域の特性を活かして「事業再構築補助金」を効果的に利用し、新しいビジネスモデルの創出を進めています。また、事業再構築補助金の申請には認定支援機関との連携が不可欠であり、そのサポート内容や申請代行費用についても触れられています。事業再構築補助金に関心を持つ企業や事業者は、認定支援機関に相談することで、より適切な申請方法や活用方法を知ることができます。

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全国地方・都道府県別のまとめ

全国地方・都道府県別の事業再構築補助金の活用状況をまとめました。地域名を押すとページ遷移します。

東北地方(北海道含む)

北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県

関東地方

東京都、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、熊本県、神奈川県

中部地方

新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県愛知県

近畿地方

京都府大阪府、三重県、滋賀県、兵庫県、奈良県、和歌山県

中国・四国地方

鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県

九州地方

福岡県、佐賀県、長崎県、大分県、熊本県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県

事業再構築補助金 申請相談窓口

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PROFILE

稲野 健夫(代表取締役)
稲野 健夫(代表取締役)
兵庫県出身、関西学院大学卒。調達件数100社以上、成功確率80%超。
東証プライム上場の事業会社→コンサルファームを経て2023年起業。経営者の新たな挑戦をサポートするため、事業再構築補助金やものづくり補助金、融資等を活用した資金調達支援やインキュベーション事業、イベント事業を提供しています。

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