ものづくり補助金平成30年度製造業和歌山県

高機能・高品位アクリルボタンの製造

株式会社カナセ

成果生産量の見込み 50万個/月→300万個/月

この事例のポイント

  • ポリエステルボタンは耐候性が低く時間の経過で黄変するため、縫製工場では在庫ボタンが廃棄され、衣服も長期間使えないという問題があった。
  • 円筒内部が波状仕様になっている機械設備を導入した。
  • 生産量の見込み 50万個/月→300万個/月。円筒内部の波状仕様により手作業の樹脂流し込み工程が不要となり、生産効率と品質が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社カナセ
所在地和歌山県
業種プラスチック製品製造業(別掲を除く)
技術分野デザイン,複合・新機能材料
資本金4,200万円
設立1919年

事業の背景

大正8年創業の同社は、約1世紀にわたりプラスチック樹脂ボタンの製造・開発に取り組んできた。現在ボタン市場ではポリエステルが主流で、同社でもポリエステルボタンをメイン商材として製造している。一方でポリエステルは黄変しやすく、デザイン面でも差別化が難しい状況にあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度ポリエステルボタンは耐候性が低く時間の経過で黄変するため、縫製工場では在庫ボタンが廃棄され、衣服も長期間使えないという問題があった。
  • 新製品・新技術ボタンのデザインで他社と差別化することが難しく、より高品位なデザインのボタンが市場から求められていた。
  • 生産能力手作業では品質安定に限界があり生産効率も低く、凹凸を作る手作業の工程がボトルネックになっていた。

やったこと

円筒内部が波状仕様になっている機械設備を導入した。これにより、従来ボトルネックだった手作業でポリエステル樹脂を流し込み凹凸を作る工程が不要になった。手作業で生じていた品質のバラツキもなくなり、生産効率と品質が向上した。生産量の見込みは従来の50万個/月から300万個/月へ増加し、アクリルボタンを市場投入するために必要な生産量を確保できた。

  • 加工機円筒内部が波状仕様の機械設備

新しい製品・サービス:高機能・高品位アクリルボタン

事業の効果

  • 生産量の見込み 50万個/月→300万個/月

円筒内部の波状仕様により手作業の樹脂流し込み工程が不要となり、生産効率と品質が向上した。生産量の見込みは50万個/月から300万個/月へ増加し、アクリルボタンの市場投入に必要な量を確保できた。アクリルボタンは黄変や劣化がなく、既存顧客や海外アパレルからの関心も集めている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.1 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性ポリエステルの黄変という市場課題に対し、高い耐熱性・耐溶剤性と光沢・透明感を持つ独自素材で差別化しており、強みの活用が具体的。
  • 4
    課題の認識と解決黄変による在庫廃棄という課題を認識し、生産量を50万個/月から300万個/月へ増加する見込みを示すなど、実効性のある計画になっている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け既存顧客の切替え検討、天然素材ボタンからの切替え、海外アパレルからのエコ商材の声掛けなど、顧客ターゲットとニーズの裏付けが明確。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標生産量を50万個から300万個/月に増やす見込みは示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく、実現可能性の根拠は薄い。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来のプラスチック樹脂ボタン事業の延長として、ボタン事業の独自性確保のためアクリルボタンを開発しており、既存事業との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ポリエステルの黄変という市場課題に対し、高い耐熱性・耐溶剤性と光沢・透明感を持つ独自素材で差別化しており、強みの活用が具体的。

  • 課題の認識と解決4

    黄変による在庫廃棄という課題を認識し、生産量を50万個/月から300万個/月へ増加する見込みを示すなど、実効性のある計画になっている。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産量を50万個から300万個/月に増やす見込みは示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく、実現可能性の根拠は薄い。

  • 事業を進める体制2

    機械設備導入や準備を進めている旨は触れられているが、補助事業を遂行する人材や事務体制についての記述はほとんどない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    既存顧客の切替え検討、天然素材ボタンからの切替え、海外アパレルからのエコ商材の声掛けなど、顧客ターゲットとニーズの裏付けが明確。

  • 事業化までの道筋3

    手作業工程を機械化して品質バラツキを解消する手順が示され、コロナ後の始動に向けて準備中という段階的な進め方が書かれている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    ボタン市場の主流はポリエステルであり、耐候性・光沢・透明感を備えたアクリルボタンは同分野で高付加価値の差別化製品として位置付けられている。

公的補助の必要性2.5
  • 波及効果・雇用3

    焼却時に有毒ガスを出さないエコ商材として海外アパレルから声が掛かっており、環境面での社会的意義と需要創出が読み取れる。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献2

    機械設備による工程の自動化で生産効率を高めたことは触れられるが、サプライチェーンへの波及やデジタル技術の活用についての記述は弱い。

政策面3.0
  • 成長分野への進出3

    エコ商材としての需要や天然素材からの切替えなど、環境志向の市場に進出する内容で、成長が見込まれる分野への展開と読める。

  • 地域経済への波及ー

    公開情報では判断できません。

今後の展望

新型コロナの影響で市場が停滞しているため、状況を判断しながらコロナ後の本格的な始動に向けて準備を進めている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。