ものづくり補助金平成29年度製造業奈良県

プラスチック部品の生産効率と製造品質の最適化を実現する生産体制の構築

株式会社ソーゴ

この事例のポイント

  • 自動車部品の金属製から強化プラスチックへの移行が進み、取引先から車両用オイルフィルター骨組み部品の増産ニーズが高まっていたが、当時の設備は出力が不足し、成形に時間がかかって取引先の要望に応えられていなかった。
  • 出力が大きく耐摩耗スクリュー仕様の設備の導入に踏み切った。
  • 最新型射出成型機と5軸NC制御取出ロボットの導入により出力が向上し、後工程の効率化も実現した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ソーゴ
所在地奈良県 八尾市
業種プラスチック製品製造業(別掲を除く)
技術分野精密加工
設立1963年

事業の背景

当社は昭和38年創業のゴム・プラスチック加工業で、大阪府八尾市の本社工場と奈良県御所市の奈良工場の2拠点を持ち、企画製造販売とOEM製品の受託を軸に自動車用部品や工業用部品、理美容関連、防災関連、販促用グッズなどを生産している。自動車業界では燃費性能向上のために軽量化のニーズが高まり、自動車部品は金属製から強化プラスチック・ゴムへの移行が求められていた。強化プラスチックの需要増を受けて、取引先から車両用オイルフィルター骨組み部品のニーズも増加していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力自動車部品の金属製から強化プラスチックへの移行が進み、取引先から車両用オイルフィルター骨組み部品の増産ニーズが高まっていたが、当時の設備は出力が不足し、成形に時間がかかって取引先の要望に応えられていなかった。
  • 品質・精度強化プラスチックに必要なガラスファイバー入り樹脂を使うと、樹脂を混ぜるスクリューが摩耗しやすく、不良率も高くなっていた。
  • コスト・採算スクリューの摩耗と不良率の上昇により、コスト高、強度不足、生産時間の増加といった発生リスクも高まっていた。

やったこと

出力が大きく耐摩耗スクリュー仕様の設備の導入に踏み切った。最新型射出成型機と5軸NC制御取出ロボットを導入し、成形と後工程の効率化を図った。導入後の設備内容は、樹脂射出成型機15基、自動取出し機8基、首振り自動取出し機4基、ゴムプレス機9機、ラバーインジェクション2基、全自動インジェクション1基、ゴム自動バリ取り機窒素冷却式1基、2次加硫装置2基、トムソン加工機3基である。既存機器も含めた生産量はおよそ20%向上した。

加工機最新型射出成型機(樹脂射出成型機15基)
ロボット5軸NC制御取出ロボット
加工機自動取出し機8基
加工機首振り自動取出し機4基
加工機ゴムプレス機9機
加工機ラバーインジェクション2基
加工機全自動インジェクション1基
加工機ゴム自動バリ取り機(窒素冷却式)1基
加工機2次加硫装置2基
加工機トムソン加工機3基

新しい製品・サービス:車両用オイルフィルター骨組み部品

事業の効果

最新型射出成型機と5軸NC制御取出ロボットの導入により出力が向上し、後工程の効率化も実現した。既存機器も含めた生産量はおよそ20%向上し、取引先から求められていた生産数を充足する供給体制が確立された。生産数の増加により取引先における当社のシェアも向上し、機能面・品質面で差別化された製品を市場に送り出せるようになって市場での優位性が高まった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    取引先の要望に応えるため出力の大きい成形設備を導入したとあり、自動車部品の軽量化ニーズへの対応が読み取れるが、事業戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    顧客からの生産数要求に応じ差別化製品を増やしシェアが向上したとあるが、強み・弱みの分析や競争環境の記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    成形時間の長さ、スクリュー摩耗による不良率の高さ、コスト高などの課題が挙げられ、生産量約20%向上という結果も示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産量はおよそ20%向上し、取引先から求められた生産数を充足できたとあり、目標と結果の対応が読み取れる。ただし付加価値額の目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    設備内容として射出成型機15基や取出し機などが列挙されているが、導入後の運用人材や事務処理体制の記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    差別化された製品を市場に送り出し優位性を高めるとあるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の具体的整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    今後は自動車向けプラスチック部材の供給強化とフィルター部材以外への製品拡大を考えるとあるが、遂行方法やスケジュールの記述はない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    強化プラスチック部品への移行という自動車部品の動きや高品質化への取組はあるが、分野の普及度や高付加価値化の水準は明記されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    自動車の軽量化ニーズへの対応とあるが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は記載されていない。

  • 費用対効果3

    生産量約20%向上という成果は示されているが、補助金額に対する付加価値額増加や費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    最新鋭の射出成型機と5軸NC制御取出ロボットの導入が記載されるが、デジタル技術の活用や業界全体への貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    自動車産業の軽量化ニーズに応える強化プラスチック部品への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換との関連は明記されていない。

  • 地域経済への波及2

    大阪府八尾市と奈良県御所市の2工場を有するとあるが、地域経済への波及や雇用創出の具体的記述はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は、ニーズの拡大する自動車産業へのプラスチック製品部材の供給を強化するとともに、フィルター部材以外にも製品の幅を広げていく考えである。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。