ものづくり補助金平成24年度福島県

高回転精度スピンドル搭載 次世代小型ガラス加工旋盤の開発

株式会社興洋

成果同芯度 0.03mm→0.015mm

この事例のポイント

  • 従来の小型ガラス加工旋盤は両軸の同芯度が0.03mmで、顧客からの要求精度が高まっていた。
  • 高回転精度スピンドルを搭載した次世代小型ガラス加工旋盤を開発した。
  • 同芯度 0.03mm→0.015mm。ツールプリセッターと三次元測定器の導入により高精度の寸法測定が可能になり、装置全体の高精度化が実現した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社興洋
所在地福島県 いわき市
技術分野熱処理
従業員数49人
資本金3,000万円
設立1948年

事業の背景

当社は漁業用省力機械や周辺機器を中心に、さまざまな産業機械の製造・開発を行っている。石英ガラスの加工に使う小型ガラス加工旋盤は、半導体製造プロセスに不可欠だが、小型のガラス加工旋盤メーカーは国内にほぼない。当社は約20年前から受注生産を行ってきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来の小型ガラス加工旋盤は両軸の同芯度が0.03mmで、顧客からの要求精度が高まっていた。
  • 品質・精度部品の互換性やメンテナンスの要求に応えるため、部品の加工精度を高める必要があった。
  • 人手・技能人手不足と人材育成が課題で、若年技術者のものづくりへの取り組み方を構築する必要があった。

やったこと

高回転精度スピンドルを搭載した次世代小型ガラス加工旋盤を開発した。部品の切削工具の振れ精度、径寸法、長さ寸法を管理するためツールプリセッターを導入し、切削工具の事前寸法設定を可能にした。各部品の直角度・平行度などの精度を確認するため三次元測定器を導入し、高精度な寸法管理を実現した。これらの測定器を使いこなすことで高精度な小型ガラス加工旋盤の製造技術を構築した。

検査測定ツールプリセッター
検査測定三次元測定器

新しい製品・サービス:高回転精度スピンドル搭載の次世代小型ガラス加工旋盤

事業の効果

  • 同芯度 0.03mm→0.015mm

ツールプリセッターと三次元測定器の導入により高精度の寸法測定が可能になり、装置全体の高精度化が実現した。目標には届かなかったものの、同芯度は従来品の0.03mmから0.015mmへ格段に向上した。社内の寸法管理への意識も高まり、あらゆる部品の精度が上がって製品全体の品質レベルが向上した。顧客のさらなるニーズに対応できる技術の蓄積にもつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    漁業用省力機械の開発から約20年前に小型ガラス加工旋盤の受注生産を始め、今回の次世代機をその延長として位置づけている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内に小型ガラス加工旋盤メーカーがほぼないことと、設計から製造まで自社で行える強みを挙げている。市場シェア拡大の見込みも述べている。

  • 課題の認識と解決4

    要求精度の高まりと顧客要望を課題として挙げ、同芯度0.03mmから0.01mm以下を目指す高精度化で対応する計画を示している。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    同芯度の数値目標はあるが、付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。同芯度は0.015mmで目標に届いていない。

  • 事業を進める体制4

    社員の多能工化、若年技術者の育成、ユースエール認定を挙げ、設計から製造まで自社内で実施できる体制が示されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    半導体装置メーカー、大学、光ファイバー・半導体の研究機関を顧客層として挙げ、顧客ニーズに応える高精度化を説明している。

  • 事業化までの道筋3

    人手不足と人材育成を中長期の課題とし、多能工化やNC工作機械の導入で対応する方針は示されている。ただしスケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    国内にほぼ小型ガラス加工旋盤メーカーがないことを挙げ、従来比で格段に向上した高精度化を競争力として示している。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    石英ガラス加工が半導体製造に不可欠であることや、日本の半導体産業の活性化への貢献を述べているが、経済波及効果は数値で示されていない。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額の増加など費用対効果を示す数字は書かれていない。寸法精度の向上のみ記載されている。

  • イノベーションへの貢献2

    高精度測定器の導入が挙げられているが、デジタル技術の活用や新しいビジネスモデルについては書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    半導体装置の市場が今後も拡大すると見込まれる分野への進出であることが述べられているが、具体的な規模や構造転換の記述は少ない。

  • 地域経済への波及2

    地域の特性を活かした取組や地域経済への波及については、事例の中で具体的に述べられていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

半導体装置メーカーや研究機関などの市場は今後も拡大が見込まれ、シェア拡大のチャンスは十分にあると考えている。当面は現社員の技術の拡大をはかり多能工化を推進し、NC工作機械の新規導入で作業効率向上を目指す。

事業者の声

「開発型企業」としてさらなる飛躍を目指す

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。