ものづくり補助金平成25年度生活関連サービス業、娯楽業山形県

高齢者向け介護予防事業への進出

株式会社サガエスイミングクラブ

この事例のポイント

  • スポーツクラブの既存の運動器具や運動プログラムは健常者向けで、高齢者が安心して使える環境が不足していた。
  • 高齢者向けの器具を施設の中央に集中して配置し、身体測定器で計測した結果を説明して納得してもらった上で、新しい高齢者用器具の使い方と効用を説明した。
  • 参加した高齢者の多くは、これまでにない最新の機材とプログラムに満足し、積極的に参加して科学的な運動方法を実践することで筋力回復を遂げている。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社サガエスイミングクラブ
所在地山形県 寒河江市
業種娯楽業
従業員数25人
資本金6,020万円
設立1985年

事業の背景

スポーツクラブ業界では、高齢化社会の進展に伴い高齢者市場の獲得が会員拡大の重要な機会となっていた。高齢者の多くは膝関節症や股関節症などの疾病や障害を抱えており、健常者用のトレーニング機材では十分に運動できなかった。高齢者は筋力の回復は無理だと考えたり、歩くだけで健康になるなどの偏った情報で取り組む人が多かった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術スポーツクラブの既存の運動器具や運動プログラムは健常者向けで、高齢者が安心して使える環境が不足していた。
  • 人手・技能高齢者の運動教室は健常者と同じ器具と場所で行われており、高齢者に特化した運動サービスを提供する体制が整っていなかった。

やったこと

高齢者向けの器具を施設の中央に集中して配置し、身体測定器で計測した結果を説明して納得してもらった上で、新しい高齢者用器具の使い方と効用を説明した。高齢者向けに開発された機材を導入し、筑波大学で開発された「介護予防」を目的とした筋力回復プログラムを取り入れた。高性能の体組成器と姿勢測定器を用いて科学的データを個別に計測した。筋肉度や骨密度などを数値で計測する体重計や、股下の筋肉を強化する機械を導入した。

検査測定筋肉度・骨密度などを数値で計測する体重計
加工機股下の筋肉を強化する機械
検査測定体組成器
検査測定姿勢測定器
その他高齢者向け運動器具

新しい製品・サービス:高齢者に特化した運動サービス(筑波大学開発の筋力回復プログラムを用いた介護予防サービス)

事業の効果

参加した高齢者の多くは、これまでにない最新の機材とプログラムに満足し、積極的に参加して科学的な運動方法を実践することで筋力回復を遂げている。筋力と体力の回復に希望を持てるようになったため、放置していた外科的疾病を治そうと通院を再開する人が増え、医師の診断とアドバイスを改めて受けるようになった。数人の関節症の女性高齢者は医師の指導のもと痛みを解消し、積極的にプログラムに参加している。利用者の意識が前向きになったことが高齢者の健康回復の希望となっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    既存のスポーツクラブ事業の延長で高齢者向けサービスへ進出したことはうかがえるが、過去の取組との一貫性を示す具体的記述は少ない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    高齢化による市場拡大と既存器具が健常者向けで不足していたことを示すが、自社の強みとの関係や競争優位の具体的記述は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    高齢者の膝関節症・股関節症などの課題認識と、筋力回復プログラム導入による対応が書かれているが、事業計画の数値目標は示されていない。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    プログラムに数値目標があると記載されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    筑波大学の運動プログラムを導入し実践できる体制を整えたとあるが、人材や事務処理能力の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    対象が要支援・要介護認定者を含む高齢者で、科学的根拠のある筋力回復プログラムという価値が具体的に説明されている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展望として認知向上を課題に挙げるが、スケジュールや課題解決の方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    高齢者向け介護予防運動は普及途上と読めるが、普及度や高水準の高付加価値化を数値で示す記述はない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用4

    介護予防による医療費抑制、地域医療費削減という国や自治体が補助する社会的理由が具体的に述べられている。

  • 費用対効果3

    体力年齢の若返りや精神健康度の改善など効果は書かれるが、補助金額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    科学的データの個別計測や体組成器の活用がうかがえるが、先端デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    高齢化社会の課題に対応する介護予防分野への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及2

    寒河江市の地域での事業と自治体の医療費抑制への貢献がうかがえるが、地域経済の成長牽引としての記述は少ない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

現在利用している高齢者の多くは要介護等認定者ではないため、要支援・要介護の認定を受けている人にいかに活用してもらうかを課題としている。既存のスポーツクラブが健常者のためのものという印象を払拭し、介護予防または要支援・要介護認定者にとって有用なサービス施設と認知されるよう取り組んでいく。地域医療費の削減につながるよう、高齢者の「予防」の意識喚起を進めたいと考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。