ものづくり補助金平成25年度製造業福井県

最新の糊付け機を導入することで繊維素材加工の効率化を目指す計画

株式会社林田

成果50kgの糸の整経にかかる期間 21日→10日

この事例のポイント

  • レーヨン糸の準備加工は産地組合の職人が手作業で行っており、経糸整経までに多くの工程が必要だった。
  • ローラー立付け機を導入し、従来3工程あった立付け作業を1工程にまとめた。
  • 50kgの糸の整経にかかる期間 21日→10日。棚付けの自動化と強制乾燥により、整経までの期間が大幅に短縮され、予想の倍の量が生産できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社林田
所在地福井県 坂井市
業種繊維工業
技術分野材料製造プロセス
従業員数15人
資本金1,200万円
設立1975年

事業の背景

株式会社林田は糸の小売を行う糸商社で、自動整経機や一本背付機などの設備を持ち、原糸の準備加工も請け負っている。織ネームの原材料となるレーヨンは吸水率が高く、天候の影響が大きい。産地組合のサイジング部門が閉鎖されたことを受け、産地の崩壊を危惧していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力レーヨン糸の準備加工は産地組合の職人が手作業で行っており、経糸整経までに多くの工程が必要だった。
  • 品質・精度天日干しによる乾燥方法は天候の影響を受けやすく、レーヨンの品質が不安定だった。
  • 人手・技能職人の高齢化により廃業が進み、次の担い手が見つからない状況にあった。

やったこと

ローラー立付け機を導入し、従来3工程あった立付け作業を1工程にまとめた。乾燥室で強制乾燥を行う方法に切り替え、天日干しと巻き返しの工程を自動化して省略した。レーヨン資材向けに機械の送り出し部のプレートを改良し、経糸を最適化した。自動整経機での巻き返し作業により連続生産が可能になった。

  • 加工機ローラー立付け機自動整経機

事業の効果

  • 50kgの糸の整経にかかる期間 21日→10日
  • レーヨン用経糸の年間出荷量 2トン→2.7トン
  • 広幅関連の年間出荷量 0kg→500kg

棚付けの自動化と強制乾燥により、整経までの期間が大幅に短縮され、予想の倍の量が生産できるようになった。品質も安定し、通年の製品生産に成功した。小ロットや太い糸の加工も可能になり、繊維業界以外の産業資材系から試作品やサンプルの依頼が増えた。自社工場を強みに新規取引先の開拓も進めている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    産地組合のサイジング部門閉鎖を受け、自社で準備加工を担う方針を決め、過去の糸加工事業を生かす位置づけが読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    自社工場での加工を強みに、糸商社で自前工場を持つ業者は全国でも稀と述べられ、強みは示されているが数値的な裏付けは薄い。

  • 課題の認識と解決4

    手作業3工程が1工程に、3週間かかっていた整経期間が10日前後に短縮と具体的な課題解決の効果が示されている。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    レーヨン経糸の出荷量を年間2トンから2.7トンへ、広幅関連は年間0kgから500kgへ拡大する目標が数値で示されている。

  • 事業を進める体制3

    職人の高齢化や産地組合の部門閉鎖は書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    即日出荷や1コーンから販売、小ロット棚付けなど顧客ニーズへの対応と選ばれる理由が具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    機械導入後の段階的な展開や新商品開発への期待は書かれているが、遂行スケジュールや課題解決の方法は明確でない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    小ロットや太い糸、産業資材系への応用が示されるが、同分野での高付加価値化・高価格化の水準までは読み取れない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用4

    産地組合の崩壊を危惧し、産地を支える企業として地域に残すことを決意した点で、地域の雇用や産地維持への寄与がうかがえる。

  • 費用対効果3

    手作業の数値化による生産性向上や受注拡大は示されるが、補助金額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    機械による数値化や改良はうかがえるが、先端的デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は具体的に書かれていない。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    産業資材系など新分野への応用がうかがえるが、日本経済の構造転換に資するという記述までは読み取れない。

  • 地域経済への波及4

    織ネームの産地・丸岡町の発展に貢献し、地域の特性を生かして産地を支える事業であることが具体的に述べられている。

今後の展望

糸商社で自前工場を持つ業者は全国でも稀であり、その強みを生かして新規取引先の開拓を見据えている。緯糸向けにも使えるため新商品開発も期待される。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。