ものづくり補助金平成25年度製造業滋賀県

昇華転写技術を応用した多素材に対応できる繊維製品の開発

株式会社コルモス

この事例のポイント

  • 従来ポリエステルなど化学繊維にしか使われていなかった昇華転写プリントを、綿や絹などの天然繊維に応用することが課題だった。
  • 綿や絹などの天然繊維に昇華転写プリントを応用するため、素材の選択と含浸させる混合液の配合を試行錯誤して検討した。
  • 綿素材のTシャツへの昇華転写プリントが製品化され、大手アパレルメーカーに納品され、関東方面の専門店で継続して販売されている。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社コルモス
所在地滋賀県 草津市
業種繊維工業
技術分野材料製造プロセス
従業員数7人
資本金1,000万円
設立1986年

事業の背景

当社は衣料品などの繊維製品に多様な染色加工を行い、大手アパレルメーカーなど国内十数社に出荷している。手捺染にこだわり、約60種類の樹脂と約120種類の薬品の組み合わせを研究して独自技術を蓄積し、多品種小ロット対応で同業他社と差別化してきた。昇華転写プリントは当社の得意分野の一つである。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術従来ポリエステルなど化学繊維にしか使われていなかった昇華転写プリントを、綿や絹などの天然繊維に応用することが課題だった。
  • 品質・精度素材の選択や含浸させる混合液の配合で試行錯誤が必要で、一定の品質評価をクリアする必要があった。

やったこと

綿や絹などの天然繊維に昇華転写プリントを応用するため、素材の選択と含浸させる混合液の配合を試行錯誤して検討した。転写前に素材を素早くムラなく乾燥させる大型のベーキング乾燥機を導入した。社内で一定の品質評価をクリアした後、綿素材のTシャツに昇華転写プリントを施して製品化した。表と裏に別々のプリントを施し貼り合わせる手法も本事業に生かした。

加工機大型のベーキング乾燥機

新しい製品・サービス:綿素材のTシャツに昇華転写プリントを施した製品(花柄およびジーンズ柄のTシャツ)

事業の効果

綿素材のTシャツへの昇華転写プリントが製品化され、大手アパレルメーカーに納品され、関東方面の専門店で継続して販売されている。手作業による高付加価値品として、個性を好むユーザーからの人気が根強く、取引先からの堅調なオーダーが期待できる。天然繊維への昇華転写プリントは国内で成功事例がなく、今後は供給安定化と複数素材への実用化を目指す。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存のプリント技術や手捺染へのこだわりを基に昇華転写を天然繊維へ広げたとあり、過去の取組との一貫性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    薬品約120種・樹脂約60種の組み合わせ研究や多品種小ロット対応が差別化要因と書かれ、外部環境との関係も述べられている。

  • 課題の認識と解決3

    ニッチ市場での存在価値を高める方針は書かれているが、課題の認識と高付加価値化の具体的な計画数値は示されていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値や賃上げを実現する目標値は示されておらず、取引先からの堅調なオーダー見込みがわずかにうかがえるのみである。

  • 事業を進める体制3

    社内で品質評価を行い製品化に至った経緯は書かれているが、人材や事務処理体制の具体的な記載は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    個性を好むユーザー人気や関東の専門店での継続販売など、顧客ニーズと選ばれる理由が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    供給安定化と複数素材への実用化に向け公的研究機関と連携する方針は示されるが、スケジュールや課題解決方法は明確でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性100%
  • 新しさ・高付加価値5

    天然繊維への昇華転写は国内で成功事例がないと明記され、ニッチマーケットでの高付加価値化も述べられている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    国内の天然繊維への応用は前例がないとあるが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果2

    綿素材Tシャツの製品化と納品実績はあるが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    公的研究機関との技術連携に言及があるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は具体的に書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    天然繊維への新たな用途展開という点で新分野への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及3

    滋賀県草津市の企業として手仕事を生かした事業と読めるが、地域の特性や雇用・地域経済への効果は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

国内では天然繊維全般への昇華転写プリントの成功事例はなく、中小企業で単独で挑戦している例もない。当初計画より遅れたが綿素材の製品化はできた。今後は供給の安定化と複数素材への実用化に向け、公的研究機関と技術連携して取り組む。

  • 目標:現時点の技術評価は洗濯堅牢度・摩擦堅牢度で3〜4級(最高基準5級にあと一息)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。