ものづくり補助金平成25年度製造業大阪府

計器専用RFIDラベル及び計器・設備保全管理システムの試作開発

株式会社木幡計器製作所

この事例のポイント

  • 設備の点検記録は帳票に書き込み、事務所でデータベースへ再入力する場合が多く、作業者の手間がかかっていた。
  • 「木幡計器製作所」は、設置が容易で安価な計器用ICタグとして8.3mm四方のRFIDチップを使い、計器ガラス面の中央に貼り付けられる小型RFIDタグを開発した。
  • 点検作業の入力は一度で済むようになり、再入力の手間がなくなった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社木幡計器製作所
所在地大阪府 大阪市
業種業務用機械器具製造業
技術分野情報処理,測定計測,複合・新機能材料
従業員数16人
資本金2,000万円
設立1909年

事業の背景

「木幡計器製作所」は明治42年の創業時から製造するブルドン管式圧力計を中心に、差圧計や液面計などの圧力応用機器を幅広く扱っている。販売先は船舶用が30〜40%と最も多く、化学装置用やボイラー用などが続く。製品はほとんどが受注生産のカスタマイズ品である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力設備の点検記録は帳票に書き込み、事務所でデータベースへ再入力する場合が多く、作業者の手間がかかっていた。
  • 品質・精度再入力の作業があるため、入力ミスが起きることが課題になっていた。
  • 人手・技能設備保全や点検には熟練者の知識や力に頼る部分があったが、近年は熟練人材が不足している。

やったこと

「木幡計器製作所」は、設置が容易で安価な計器用ICタグとして8.3mm四方のRFIDチップを使い、計器ガラス面の中央に貼り付けられる小型RFIDタグを開発した。タグをフィルムで封止するため、ラミネート加工機と、フィルム表面の結露を防ぐ親水加工を施す真空プラズマ装置を導入した。性能評価には静電気試験器とネットワークアナライザーを導入し、計器の視認性を確保できることを確かめた。専用端末は画面表示と入力機能を持つ携帯型情報端末を選び、タグと情報をやりとりできるようにした。「ゲインシェアリング」は設備点検システムをベースに、専用端末で入力した情報をサーバーに記録し、設備台帳データベースから定期点検の順路や手順を含むメンテナンス計画を作成する仕組みを構築した。

加工機ラミネート加工機
加工機真空プラズマ装置
検査測定静電気試験器
検査測定ネットワークアナライザー
その他専用端末(携帯型情報端末)
ソフト計器点検システム(保守管理システム)

新しい製品・サービス:ICタグと専用端末を使った計器点検システム

事業の効果

点検作業の入力は一度で済むようになり、再入力の手間がなくなった。入力ミスの発生も抑えられる。正しい点検の方法が画面で指示され、現場で設備の仕様書も呼び出せるため、熟練者以外でも信頼性の高い点検ができるようになった。計器点検システムの基本性能は完成し、機能の向上にも取り組んでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    明治42年創業の圧力計メーカーが計器点検システムへ展開したことは読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    船舶用が30~40%を占め、受注生産や小回りの対応が強みと示され、ゲインシェアリングとの連携で補い合う点も書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    点検作業は熟練者頼みで、記録の二重入力や入力ミスが課題と具体的に認識され、タグと専用端末で解消する方針が示されている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    従業員16名と15名の両社が連携して開発したことは書かれているが、補助事業の遂行を支える事務処理体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    非熟練者でも信頼性高く点検でき、初期費用約50万円・月額2万円の提供形態など、顧客に選ばれる理由が具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    機能向上に継続的に取り組む、汎用端末を検討中など方向は示されるが、遂行スケジュールや課題解決の具体的な手順は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    計器点検システムを製品化したことはうかがえるが、分野の普及度や高価格化の水準を示す記述はない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    船舶やプラントで設備が適正かつ安全に動いているかを点検する必要性は示されるが、経済波及や雇用創出は書かれていない。

  • 費用対効果3

    百台規模の計器を初期費用約50万円、月額2万円で管理できる費用面は示されるが、付加価値額や生産性の増加は数字で示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    8.3mm四方のRFIDチップと専用端末を開発し、9社の連携体による遠隔監視やビッグデータ分析の計画があり、デジタル技術の活用が具体的に読み取れる。

政策面40%
  • 成長分野への進出3

    IoTやビッグデータ分析の普及を背景に、設備異常の予兆監視といった高付加価値サービスを生む取組と位置付けられている。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後はクラウドサーバーによるシステム提供を積極的に提案し、ユーザーが試験的に導入しやすい形を探っていく。計器点検システムは設備遠隔監視システムと連携させ、ビッグデータ分析による設備異常の未然発見も視野に入れている。

事業者の声

入力作業が一度で済むため再入力の手間がなくなり、入力ミスの発生も抑えられる。正しい点検の方法が指示されるほか、現場で各設備の仕様書を呼び出して調べられるため、熟練者以外でも信頼性の高い点検作業が可能

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。