ものづくり補助金平成25年度製造業栃木県

次世代低消費電力型地震計測装置の開発

株式会社計測技研

この事例のポイント

  • センサ・2次電池・太陽光パネルが個別設置のため、大きさや制約から、既存の地震計測装置による観測は数百点規模が限度だった。
  • 一体型小型防水筐体(内寸135W×104D×95H mm)の下層に地震計センサ部とNi-MH二次電池を、上層にデータロガーと電源制御部を収納する構成で試作した。
  • ダイナミックレンジはシステムノイズ試験で実測131dB程度を得られ、規格値の120dB以上を大幅に超えた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社計測技研
所在地栃木県
業種業務用機械器具製造業
技術分野測定計測

事業の背景

当社はリモート計測・低消費電力計測装置の技術に強みを持ち、防災科学技術研究所のHi-net、F-net地震観測網、火山観測網で機器やソリューションが採用されている。臨時観測用の機動的稠密地震観測用データロガー(HKS-9700)を製造販売している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • その他センサ・2次電池・太陽光パネルが個別設置のため、大きさや制約から、既存の地震計測装置による観測は数百点規模が限度だった。
  • 人手・技能人力によるデータ収集などが必要で、データ収集とメンテナンスに手間がかかっていた。

やったこと

一体型小型防水筐体(内寸135W×104D×95H mm)の下層に地震計センサ部とNi-MH二次電池を、上層にデータロガーと電源制御部を収納する構成で試作した。地震計センサ部は固有振動周波数4.5Hz、コイル抵抗4000Ω、感度82V/m/s(2.54V/in/s)、ダンピング抵抗18.2kΩの4.5Hz速度計を、上下・南北・東西の3成分を実装できる円筒形のセンサホルダに組み込んだ。電源部は太陽光発電2W(6V)のパネル1枚とMPPT充放電制御システムを組み合わせ、単3Ni-MH(4.8V)二次電池2セット(5Ah)で連続無日照5日に対応させた。小型データロガー(47W×110H×33D mm)は低電圧化と部品点数削減を進め、高密度実装と多層化、4層スタック構造により小型化した。データ転送には3G通信を採用し、アンテナはφ8×50H mmとした。

検査測定4.5Hz速度計(地震計センサ部)
その他小型データロガー(収録装置)
その他MPPT充放電制御システム(高効率電源制御部)

新しい製品・サービス:一体型小型防水筐体で超多点稠密地震観測を行う次世代低消費電力型地震計測装置

事業の効果

ダイナミックレンジはシステムノイズ試験で実測131dB程度を得られ、規格値の120dB以上を大幅に超えた。THDは3CHすべてで規格値0.001%以下を満たし、実測は0.0005%以下だった。消費電力は3G通信を含めて平均0.171Wで、収録のみでは0.1W以下となり、目標の収録時0.1W以下、3G通信込み0.2W以下を実現した。波形を正常に収録でき、一体型筐体でも送受信が問題なく行えることを確認し、1万点規模の観測を目指す基盤が得られた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    リモート計測や低消費電力計測の技術的強みと、HKS-9700などの既存製品の延長線上に今回の開発が位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    低消費電力技術の強みは示されるが、市場動向や競合との比較がなく、優位性の裏付けは薄い。

  • 課題の認識と解決4

    数百点規模に限られるという課題を示し、1万点規模の観測を目指すと解決の方向を明確にしている。

事業の実現可能性36%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    消費電力0.171Wや131dBなど技術数値の目標は示されるが、付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    1万点規模の稠密地震観測という用途は示されるが、顧客が選ぶ理由や需要の裏付けは具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋2

    試作や性能試験の結果は具体的だが、量産化に向けた中長期のスケジュールと課題解決法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    低コストの超多点地震観測装置だが、分野の普及度や同分野での高価格化を示す根拠は書かれていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用4

    Hi-net・F-net・火山観測網など国の観測インフラで採用されている点から、公的な意義がうかがえる。

  • 費用対効果2

    数百点から1万点規模への拡大は示されるが、補助金額に対する付加価値や生産性の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    3G通信やMPPT充放電制御など技術の活用は具体的だが、地域やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面20%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。