ものづくり補助金平成25年度製造業岡山県

内視鏡画像の動態記録装置の開発と製造体制の確立

株式会社小沢医科器械

成果映像データをMPEG4・H.264に変換することで、従来に比べて約40分の1のデータ量に圧縮

この事例のポイント

  • 動画診断ができる機器が存在しない中で、動画とハイビジョン画像による診断が可能なシステムを開発する必要があった。
  • 医療機器の映像データを取り込むためのキャプチャーボードとデータ変換ソフトを開発した。
  • 映像データをMPEG4・H.264に変換することで、従来に比べて約40分の1のデータ量に圧縮。高画質なDICOMデータとして小容量で保存でき、動画による詳細な診断が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社小沢医科器械
所在地岡山県 倉敷市
業種業務用機械器具製造業
技術分野情報処理,精密加工
従業員数13人
資本金1,000万円
設立1965年

事業の背景

同社は昭和26年創業、昭和40年に設立され、医療用機械器具・医薬品の販売、筋電計の開発・製造、超音波検査セミナーの開催などを行っている。社会では動画が広く利用される一方、医療の診断では動画の一部である静止画が使われている。医療の高度化に伴い、医療事故防止や診断・医療技術の向上のため動画診断のニーズは高い。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術動画診断ができる機器が存在しない中で、動画とハイビジョン画像による診断が可能なシステムを開発する必要があった。
  • 生産能力既存の機器は静止画のみの対応で、高齢者の嚥下能力を動画で観察できなかった。
  • 品質・精度既存の機器はハイビジョン対応でなく、詳細な状況把握が難しかった。
  • コスト・採算動画は高速な通信やデータ量の膨大さから導入のハードルが高く、低コストでの動画診断の実現が求められていた。

やったこと

医療機器の映像データを取り込むためのキャプチャーボードとデータ変換ソフトを開発した。映像データをMPEG4・H.264に変換することで、従来に比べて約40分の1のデータ量に圧縮し、高画質なDICOMデータとして保存できるようにした。本体にSSDを内蔵し、最大70時間の録画を可能にした。フルハイビジョン表示に対応し、内視鏡・X線テレビ動画10,000件、腹腔鏡手術動画500件を保存できる大容量サーバーと多機能のマルチビューアーも開発した。平成27年6月に試作機が完成し、実際の内視鏡検査の映像を取り込んで医師が性能を確認した。

新しい製品・サービス:MP DICOM

事業の効果

  • 映像データをMPEG4・H.264に変換することで、従来に比べて約40分の1のデータ量に圧縮
  • 本体にSSD内蔵で最大70時間の録画が可能

高画質なDICOMデータとして小容量で保存でき、動画による詳細な診断が可能になった。試作機では医師から画質の良さや使いやすさで高評価を得て実用化に前進した。平成28年に「MP DICOM」の製品名で生産・販売を開始し、各地の医療機関で利用されている。第7回ものづくり日本大賞で中国経済産業局長賞を受賞した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の医療機器販売や筋電計開発などの事業が書かれ、動画診断システムへの展開と関係づけられているが、経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    動画診断のニーズは高いが動画対応機器が存在しないという市場の空白は書かれている。自社の強み(開発力)との関係は具体的に述べられていない。

  • 課題の認識と解決4

    既存機器は静止画のみでハイビジョン非対応という課題が明確に示され、動画とハイビジョン対応のシステム開発で解決する方向が書かれている。

事業の実現可能性72%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    データ量を約40分の1に圧縮、本体SSDで最大70時間録画、10,000件・500件保存可能と数字つきで目標と性能が示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員13人で開発・製造体制の確立が事業計画名に含まれる程度で、人材や事務処理能力の具体的な記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    低コストでハイパフォーマンスな動画診断という価値と、医療現場の動画診断ニーズが具体的に書かれている。顧客ターゲットの明示は薄い。

  • 事業化までの道筋4

    試作機完成(平成27年6月)、実際の内視鏡検査映像での医師による確認、平成28年の生産・販売開始と段階的な時期が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性100%
  • 新しさ・高付加価値5

    既存の動画診断機器が存在しない中での開発とされ、ものづくり日本大賞の中国経済産業局長賞受賞も書かれている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    医療事故防止や診断・医療技術の高度化への貢献がうかがえるが、経済波及効果や雇用創出の記述はない。

  • 費用対効果3

    データ量の大幅圧縮によるコスト面の利点は書かれているが、付加価値額や生産性の数値的な効果は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    DICOM規格に対応しネットワーク通信を可能にすることで、医療現場全体のシステム連携に貢献する点が具体的に書かれている。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    医療の高度化に伴う動画診断ニーズの高まりはうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。