ものづくり補助金平成25年度製造業宮崎県

鋳造工程を短縮する為の3Dデータを使ったマシニングセンタの活用

有限会社日向キャスティング

成果納品リードタイム 3か月→週→3か月→週

この事例のポイント

  • 銅合金鋳物業界は小規模企業が多く、設備の更新や効率化が遅れて昔ながらの生産を続けている。
  • 3Dデータを作成し、マシニングセンタを導入して木型の製作、鋳造、機械加工を自社内で一貫生産し、ワンストップで製品を提供できる体制を整えた。
  • 納品リードタイム 3か月→週→3か月→週。マシニングセンタと3Dデータの活用により、木型製作から鋳造、機械加工までの工程を自社内で行えることを確認した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社日向キャスティング
所在地宮崎県 日向市
業種非鉄金属製造業
技術分野立体造形

事業の背景

当社は銅合金・アルミ合金の鋳造、機械加工、木型製造を行っている。主な取引先は輸送機械メーカーである。銅合金の鋳物業界は年間総生産量が10万トン前後で市場規模が比較的小さく、大多数の企業が小規模である。クライアント側は海外の安価な人件費や大型設備を背景にした海外メーカーからの調達を進めている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力銅合金鋳物業界は小規模企業が多く、設備の更新や効率化が遅れて昔ながらの生産を続けている。
  • 納期・工程工程ごとに各企業が仕事を請け負う分業が進んでいるため、クライアント側のコストアップと納期の長期化が課題となっている。
  • コスト・採算木型の仕様が分からず提案の余地が少なく、木型の変更には費用が発生するため計画どおりに進まないことがある。
  • 販路・情報発信クライアントが海外メーカーからの調達を進めており、安値攻勢による激しい価格競争にさらされ、受注競争力が弱まる傾向にある。

やったこと

3Dデータを作成し、マシニングセンタを導入して木型の製作、鋳造、機械加工を自社内で一貫生産し、ワンストップで製品を提供できる体制を整えた。3Dデータを使い、設計段階から木型、鋳造、機械加工までを見据えた提案型の営業に取り組み、新たな顧客の開拓を目指した。鋳造品をマシニングセンタで機械加工した際に出る金属切削屑を再溶解して再利用し、原材料コストの低減に取り組んだ。

事業の効果

  • 納品リードタイム 3か月→週→3か月→週
  • 原材料費 100%→95%

マシニングセンタと3Dデータの活用により、木型製作から鋳造、機械加工までの工程を自社内で行えることを確認した。従来3か月程度かかっていた初品出荷までの期間が3週間程度に短縮でき、納期の大幅な改善につながった。切削層の再溶解により原材料費を5%削減し、事業計画で設定した目標以上の成果を得た。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    木型製作から鋳造・機械加工までの自社内製化を目指すと書かれ、過去の取組との一貫性は読み取れるが、経営戦略上の位置づけは具体的に示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    海外メーカーの安価な調達と価格競争への危機感を挙げ、ワンストップ化と納品スピードで対抗する方針が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    分業による納期長期化・コスト増の課題を示し、マシニングセンタ導入で木型から鋳造・加工を内製化する解決策を示している。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    初品出荷まで3か月の期間が3週間程度に短縮可能と実証され、切削層の再溶解で原材料費5%削減とされている。ただし付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    3Dデータ活用や内製化の方針はうかがえるが、人材や事務処理体制について公開事例では記載がない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    提案型営業で新たな顧客を開拓し、表札・銘板・フライパンなど個人向け分野への展開を検討すると書かれているが、ニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋3

    一般産業機械分野への展開や鋳造シミュレーション・3Dプリンター活用などの今後の方向性は示されているが、スケジュールや課題解決方法は明確でない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    鋳造業界は小規模企業が多く設備更新も遅れていると書かれているが、高付加価値化や高価格化を図る内容は読み取れない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    鋳造業界の市場規模や多数の小規模企業の存在にふれているが、波及効果や雇用創出など国が補助する理由は明示されていない。

  • 費用対効果2

    納品期間の短縮や原材料費削減の成果は示されているが、補助金投入額に対する付加価値増加額の記載はない。

  • イノベーションへの貢献3

    3Dデータを木型・鋳造・機械加工に一貫利用し、サプライチェーンの工程統合に取り組むと書かれている。

政策面20%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

今後の展望

マシニングセンタの導入により生産能力が向上するため、一般産業機械分野へ事業を展開して新規需要を掘り起こし、売上の増大を図る。木型を自社で開発できるようになったことから、個人向けの表札、銘板、フライパン、鍋などの鋳造分野への進出も検討している。鋳造シミュレーション、重量計算、3Dプリンターなど3Dデータの活用により事業領域を広げていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。