ものづくり補助金平成25年度製造業京都府

アルミ形材の加工に関わる高精度・短納期・低コスト化計画

イーコット株式会社

成果アルミ型材加工の工程数・人工 4工程→1工程

この事例のポイント

  • 大手オフィス什器・設備メーカー1社のアルミ部品加工を独占的に請け負っていたが、就業人口の減少や働き方の変化でオフィス関連事業の需要拡大は見込めない状況だった。
  • 設備メーカーの標準仕様にはなかったX軸6.4mの長尺NC加工機を補助事業で導入した。
  • アルミ型材加工の工程数・人工 4工程→1工程。NC加工機の導入により、左右異なる部品を1工程で自動加工し、切断や穴開けを1回の工程で済ませられるようになり、手作業の…

事業者のプロフィール

事業者名イーコット株式会社
所在地京都府 大阪市
業種非鉄金属製造業
技術分野機械制御,精密加工
従業員数28人
資本金3億円
設立1948年

事業の背景

1948年創業の非鉄金属素材の販売・加工会社で、アルミ型材加工は京都工場の主力事業である。大手オフィス什器・設備販売の得意先1社への依存度が高く、安定した収益を計上してきた一方、就業人口の減少や働き方の変化により、オフィス関連事業の需要拡大は見込めないと認識していた。得意先からは有機溶剤を使う接着・組み立て業務も受注していたが、アルミ型材加工に絞るため、これら付随業務からは撤退した。近隣には既にNC加工機で精密加工を得意とする企業が多く、差別化のため大型の長尺加工に活路を見出そうとしていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信大手オフィス什器・設備メーカー1社のアルミ部品加工を独占的に請け負っていたが、就業人口の減少や働き方の変化でオフィス関連事業の需要拡大は見込めない状況だった。
  • 生産能力多品種少量・短納期・高精度の製品が求められる中、アルミ型材加工は切断・プレス・ボール盤・仕上げの4工程4人工で行っており、1工程1人工で対応できる設備が必要だった。
  • 品質・精度長辺3m程度のオフィス建材は、機械間の移動や梱包場所への設置時に接触してキズが付くリスクがあり、キズは不良品として納品不可となって材料費や加工費のロスも生じていた。
  • 品質・精度穴開け加工は技術を持つ作業者が位置を慎重に計測しながら手作業で行っており、計測ミスによる誤加工の恐れがあった。

やったこと

設備メーカーの標準仕様にはなかったX軸6.4mの長尺NC加工機を補助事業で導入した。導入後はプログラム入力、回転速度、切削油の調整などを主体的に試行錯誤し、本格稼働まで半年以上を要した。左右異なる部品を1工程で自動加工した後、付属の鋸刃で切断することで、製造時のキズの発生をなくし、梱包場所まで搬入できるようにした。穴開け加工も1回の工程で複数の加工処理を行えるようになり、長穴や変形穴にも自由に対応できるようになった。鉄道車輌メーカーから地下鉄車両の前後妻面に使用する長辺3mのアルミ型材の試作を依頼され、その早さと正確さに高い評価を得た。

加工機長尺NC加工機(X軸6.4m)

新しい製品・サービス:自社ブランドの「X(kakeru)DESK」(会議机の天板にセットされた白板に直接メモが書ける製品)

事業の効果

  • アルミ型材加工の工程数・人工 4工程→1工程

NC加工機の導入により、左右異なる部品を1工程で自動加工し、切断や穴開けを1回の工程で済ませられるようになり、手作業の計測ミスによる誤加工がなくなった。加工中のキズ発生もなくなり、不良品による材料費や加工費のロスが抑えられた。大型のアルミ型材の試作が高く評価され、鉄道車輌メーカーから地下鉄車両パーツの大量受注を獲得し、他社からの鉄道車輌パーツの受注も得られるようになった。大口得意先1社への依存から脱却し、売上重視から利益重視の企業体質へ転換しつつある。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    大手得意先依存からの脱却と、アルミ型材加工への特化を経営方針として明記している。過去の取組との連続性は具体的に示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    規格量産の需要減少に対し、近隣の精密加工企業との差別化として大型長尺加工に活路を見出したと、外部環境と自社の強みを結びつけて書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    従来4工程4人工を1工程1人工にする課題認識があり、6.4m長尺NC加工機導入で多品種少量・短納期に対応したと書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、わずかに稼働率の余裕と新規受注の獲得がうかがえる程度である。

  • 事業を進める体制2

    従業員28人と設備保有数は書かれているが、補助事業を遂行する人員や事務体制の具体的な記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    オフィス建材の内部形状まで考えた製造や、地下鉄車両パーツの大量受注など、顧客ニーズと選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    導入後の本格稼働まで半年以上を要し、切削油調整などで試行錯誤したと書かれており、課題と対応の経緯はあるが中長期の計画は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    大型長尺アルミ加工は近隣に多い精密加工と差別化した分野とされ、高付加価値化を目指す方向性はあるが、数値による高水準性の裏付けは薄い。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    地下鉄車両や外壁の大型アルミ型材需要の拡大に言及しており、建設・鉄道分野への波及がうかがえるが、国が補助する理由としての記述は薄い。

  • 費用対効果3

    誤加工の防止、キズによる材料費ロスの削減、工程数の削減が書かれているが、補助金額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    NC加工機による自動加工や産官学連携の茶室製作はあるが、先端デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献としては記述が限定的である。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    京都府久御山町の工場で京都府のイベントに関わり、地域との結びつきはあるが、地域特性を活かした雇用創出や成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後はアルミ型材の軽量で丈夫な特性を生かし、BtoC分野への進出も視野に入れていく。ビル建設の増加に伴い外壁部への大型アルミ型材の需要も拡大しており、事業を広げていく方針である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。