ものづくり補助金平成26年度製造業石川県

通帳等の印刷物製本工程の革新による特許印刷技術の競争優位性の強化

株式会社笠間製本印刷

成果不良発生率 0.98%→0.3%

この事例のポイント

  • 製本工程で約0.98%の不良品が発生しており、その対応が喫緊の課題となっていた。
  • 印刷後の原紙を給紙する「菊全紙折機」と「パンチ搬送装置」の2台を一体的に連続して設置し、裁断、穴あけ、折りまでの作業を高精度かつ高速でワンチャックで処理できるようにした。
  • 不良発生率 0.98%→0.3%。不良発生率が0.98%から0.3%に下がり、製本上流三工程の高精度化と高速化が実現した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社笠間製本印刷
所在地石川県 白山市
業種印刷・同関連業
技術分野立体造形
従業員数76人
資本金5,000万円
設立1962年

事業の背景

当社は明治8年の創業以来、預金通帳、小切手・約束手形、預金証書・出資証券、金融機関用伝票などの印刷を手がけ、年間約7,200,000冊を生産する主力の預金通帳は、不良を出すと顧客が監督官庁から厳格な指導を受けるため、不良品の社外流出は避けなければならなかった。また、一部金融機関での新規通帳発行の有料化やデジタル通帳への移行が進み、紙の通帳に対する顧客要望は一層厳しくなっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度製本工程で約0.98%の不良品が発生しており、その対応が喫緊の課題となっていた。
  • 納期・工程金融機関や預金に関わる法律改正等による大量の刷り直し(1回の発注は10万冊)に備えるため、短納期の生産体制を築く必要があった。
  • 品質・精度断裁・穴あけ・折りの各工程が別の機械と別の人間で行われ、規格のずれや汚れ・曲がり・しわが生じ、品質が均一にならなかった。

やったこと

印刷後の原紙を給紙する「菊全紙折機」と「パンチ搬送装置」の2台を一体的に連続して設置し、裁断、穴あけ、折りまでの作業を高精度かつ高速でワンチャックで処理できるようにした。製本工程における断裁・穴あけ・折りの3工程を一工程に集約し、携わる工程と機械を減らした。機械装置は試運転を経て稼働させ、検証とフィードバックを繰り返しながら製造に着手した。

加工機菊全紙折機
加工機パンチ搬送装置

事業の効果

  • 不良発生率 0.98%→0.3%
  • 裁断・穴あけ・折り加工のリードタイム(通帳1,000冊あたり) 65分→40分
  • 通帳の納期 20日→18日

不良発生率が0.98%から0.3%に下がり、製本上流三工程の高精度化と高速化が実現した。裁断・穴あけ・折り加工のリードタイムと通帳の納期も短縮され、いずれの項目も事業着手前の目標値を達成した。金融機関からのより高い要望に応えられるようになった。通帳印刷に余力が生まれ、多方面からの仕事を受けられるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去の取組として特許印刷技術やカラフル通帳などの継続があり、預金通帳を主力とする事業の一貫性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    主要取引先は金融機関約330社で、通帳の刷り直しや短納期需要に応える必要性が書かれ、強みは読み取れるが、市場動向の分析は具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決5

    不良発生率0.98%、リードタイム65分、納期20日の現状課題を示し、本事業後に0.3%、40分、18日へ改善した数字が書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    不良率や時間短縮の目標値は達成と書かれているが、付加価値額や賃上げの目標は読み取れず、高付加価値化の観点は薄い。

  • 事業を進める体制2

    従業員76人と書かれているが、補助事業を遂行する人材体制や事務処理能力の具体的な記述はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    金融機関からの高い要望に応えられること、紙の通帳の底堅い需要、カラフル通帳などの製品群が書かれ、選ばれる理由は読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    試運転後に検証とフィードバックを繰り返して製造に着手したとあり、遂行方法は読めるが、中長期の課題検証やスケジュールは具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    ストーンペーパーや多様な色覚対応の通帳など取り組みはあるが、同分野での高付加価値化や高価格化の数値的根拠は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    金融機関や監督官庁との関係、通帳の社会的必要性は書かれているが、波及効果や雇用創出の数字は示されていない。

  • 費用対効果4

    投入額は書かれていないが、不良率、リードタイム、納期の改善数値が示され、費用対効果を推測できる材料がある。

  • イノベーションへの貢献2

    デジタル通帳への移行が進むとあるが、本事業のデジタル技術活用は機械連動の範囲で、サプライチェーンへの貢献は読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    石川県白山市の地域企業であることは書かれているが、地域特性を活かした雇用創出や地域成長への貢献の記述は具体性が薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

事業者の声

お客様の安心と信頼が得られる製品づくり

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。