ものづくり補助金平成26年度製造業岐阜県

ファッションの高感性化やユニバーサル化に対応した縫い代レス縫製システムの確立

有限会社BEAM

成果縫い代 1cm→0cm

この事例のポイント

  • 従来の縫製では縫い代が1〜1.5cm程度残り、縫製部分に凹凸やかさばりが生じていた。
  • TPS(Twin Plover Seam)ミシンを導入し、布と布を突き合わせて縫い合わせることで、縫い合わせ部分を一枚の布のように平坦に仕上げられるようにした。
  • 縫い代 1cm→0cm。縫い代をなくした縫製技術により、縫製部分の凹凸やかさばりが解消され、スッキリとした美しいシルエットと着心地を両立できる…

事業者のプロフィール

事業者名有限会社BEAM
所在地岐阜県 岐阜市
業種繊維工業
技術分野デザイン
従業員数11人
資本金300万円
設立2003年

事業の背景

同社は全国のアパレルメーカーから依頼を受け、アパレル商品のサンプル作成から縫製加工までを手掛けている。メンズ・レディスのフルアイテムに対応し、自社3工場と県内の多くの協力工場を持つ。百貨店やセレクトショップで扱われる付加価値の高い日本製品づくりを提案している。国内で複数工程を経た衣料品を「純国産品」として認証する「Jクオリティ」制度が設けられ、縫製の国内回帰や輸出拡大が見込まれていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術従来の縫製では縫い代が1〜1.5cm程度残り、縫製部分に凹凸やかさばりが生じていた。
  • 生産能力縫い代の厚みによる床ずれやデザイン性の損失が懸念され、縫い代のない縫製技術が求められていた。
  • 新製品・新技術縫い代のない縫製を実現するため、布を突き合わせて縫えるミシンが国内外で導入台数の少ない設備として必要と考えられていた。

やったこと

TPS(Twin Plover Seam)ミシンを導入し、布と布を突き合わせて縫い合わせることで、縫い合わせ部分を一枚の布のように平坦に仕上げられるようにした。CADで作成した型紙データをパソコンに取り込み、刃で生地をくり抜く自動裁断機(CAM)を同時に導入し、正確な裁断を行えるようにした。これらを組み合わせた統合生産システムを構築し、縫い代レス縫製加工技術を確立した。裁断ノウハウの伝承用に簡易操作マニュアルも作成した。ジャケットを中心にサンプルを作製し、皮やコール天など異素材の生地をつなぎ合わせて柄合わせが可能かを検証した。

加工機TPS縫製専用ミシン
加工機自動裁断機(CAM)
ソフトCADソフト

新しい製品・サービス:縫い代レス縫製加工技術を用いたジャケットなどのサンプル製品

事業の効果

  • 縫い代 1cm→0cm

縫い代をなくした縫製技術により、縫製部分の凹凸やかさばりが解消され、スッキリとした美しいシルエットと着心地を両立できるようになった。曲線など幅広いデザインに対応でき、デザインの幅と高付加価値製品の受注拡大が見込まれる。統合生産システムの構築により、裁断ノウハウの伝承も可能になった。大手アパレルメーカーへの試作サンプル提案を行い、商品化を目指す動きも出てきている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    縫い代レス縫製の取組は事例に書かれるが、従来のアパレル縫製との継続性や経営戦略上の位置付けまでは具体的に読み取れない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内・海外で導入台数が少ないTPSミシンで自社の強みとなる点や、Jクオリティ制度を見越した差別化が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    寝たきりの人の床ずれや縫い代部の盛り上がりといった課題は示されるが、売上や付加価値の数値目標は書かれていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    自社3工場と県内の協力工場を持つ体制や裁断ノウハウの伝承マニュアル作成は書かれるが、人材配置や事務処理体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ジャケット等のサンプルで異素材の組み合わせや柄合わせを検証し、大手アパレルへの提案に使うという顧客への訴求が書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    統合生産システム構築、簡易操作マニュアル作成、メーカーとの商品化協議という流れは書かれるが、中長期のスケジュールは薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    縫い代レス縫製は国内・海外で導入台数が少ない手法とされ、同分野で高付加価値の日本製製品を目指す点が読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    Jクオリティ制度を背景に縫製加工の国内回帰や輸出拡大を視野に入れる点は書かれるが、波及効果や雇用創出の数値は薄い。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額の増加、生産性向上の数値は書かれておらず、費用対効果はわずかにうかがえる程度。

  • イノベーションへの貢献3

    CADと自動裁断機を組み合わせた統合生産システムは書かれるが、サプライチェーン全体への貢献までは読み取れない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    国内回帰や純国産品の認証制度への対応は書かれるが、日本経済の構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及3

    岐阜県内の協力工場や日本製製品の提案は地域特性を示すが、地域経済の成長を牽引する記述は限定的。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

大手アパレルメーカーと共同で、TPSミシンによる縫製を生かした企画の商品化を目指している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。