ものづくり補助金平成26年度製造業岐阜県

質量分析計(LC/MS/MS)による迅速な薬理活性試薬の開発

長良サイエンス株式会社

成果薬理活性物質の特定作業時間 30日→1日

この事例のポイント

  • 目的とする薬理活性物質の特定、取り出し、分析、確認の作業に約1ヶ月を要していた。
  • 高速液体クロマトグラフと構造及び純度の確認を1台でできる質量分析計(LC/MS/MS)を導入した。
  • 薬理活性物質の特定作業時間 30日→1日。薬理活性物質の特定作業は、従来1ヶ月以上かかっていたものが1日以内へと大幅に短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名長良サイエンス株式会社
所在地岐阜県 岐阜市
業種化学工業
技術分野バイオ
従業員数12人
資本金3,000万円
設立1999年

事業の背景

当社は岐阜大学教授の研究成果を基に創業したバイオベンチャーで、食品や和漢薬に含まれる約450種の生理活性天然物を高純度の研究用試薬として製造・販売している。その6割は世界初の商品で、競合する他社商品が少なく独自商品が大半を占める。一方で常に高い技術力が求められ、近年は高感度・高性能な分析への要求が高まっていた。当社は3年連続で設備投資を行い、中部地区では有数の研究レベルを獲得していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力目的とする薬理活性物質の特定、取り出し、分析、確認の作業に約1ヶ月を要していた。
  • コスト・採算構造及び純度の確認を複数の装置を用いて行っており、装置数と作業時間がかさんでいた。

やったこと

高速液体クロマトグラフと構造及び純度の確認を1台でできる質量分析計(LC/MS/MS)を導入した。目的とする薬理活性物質の特定に要する時間がどれだけ短縮できるかを検証し、実際の分析を通して感度と作業スピードを確かめた。これにより、混合物から目的物質を特定して取り出し、分析・確認する作業を1台で行える環境を整えた。

検査測定質量分析計(LC/MS/MS)

新しい製品・サービス:フキのあく成分ピロリジジンアルカロイド標準品を含む試薬3種類

事業の効果

  • 薬理活性物質の特定作業時間 30日→1日

薬理活性物質の特定作業は、従来1ヶ月以上かかっていたものが1日以内へと大幅に短縮された。構造及び純度の確認は複数の装置が不要になり、装置数と作業時間が削減されて2点で効率化が実現した。難検出物質の検出も可能になり、ピロリジジンアルカロイド標準品など試薬3種類を商品化して販売に至った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    大学研究成果を基に創業し、高純度試薬を製造販売してきた経緯が書かれ、過去の取組との一貫性がうかがえるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    競合の少ない独自商品が大半を占め、世界初商品の割合は6割と具体的に示され、自社の強みが明確に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    従来1ヶ月以上かかっていた薬理活性物質の特定を1日以内に短縮と課題と効果が数字で示され、高付加価値化につながる内容が読み取れる。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    作業時間短縮の目標は1ヶ月から1日以内と具体的だが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    中塚社長の経歴や3年連続の設備投資は書かれるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の記述はほとんどない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高純度研究用試薬で競合が少ないこと、研究機関や薬品・食品会社が顧客であることが書かれ、選ばれる理由が読み取れる。

  • 事業化までの道筋2

    今後は薬理活性物質とその類縁体を網羅的に商品化する方針が示されるが、スケジュールや課題の解決方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    従来は検出困難だったピロリジジンアルカロイドの試薬を作成し商品化した点や、約450種の大半が世界初商品である点が具体的に読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    農林水産省をはじめ様々な分野から関心を得ていると書かれ、機能性解明や食品・医療分野への貢献がうかがえるが、波及効果の数値は示されていない。

  • 費用対効果3

    1ヶ月以上から1日以内への時間短縮や装置数の削減が示され、効果は読み取れるが投入額と付加価値額の関係は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    高感度分析を1台で行う点は示されるが、デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献についての記述は乏しい。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    最先端の科学や医療等の発展に貢献することを目指すとあるが、日本経済の構造転換への言及は見られない。

  • 地域経済への波及2

    岐阜の企業であることや中部地区の研究レベルは書かれるが、地域の雇用や経済成長を牽引する記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は目的とする薬理活性物質とその類縁体を網羅的に商品化し、最先端の科学や医療等の発展に貢献することを目指す。受託業務でも利用を進めていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。