ものづくり補助金平成30年度製造業石川県

店頭用缶内調色システムの導入による調色技術の向上と収益性の拡大

細田塗料株式会社

この事例のポイント

  • 調色は手間が多く、利益に貢献することがほとんどない状況だった。
  • 建築用塗料の調色には、関西ペイントのK-MATCHと、AIカラーシステムを導入した。
  • 調色が早く正確にできるようになり、調色品で利益を確保できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名細田塗料株式会社
所在地石川県 金沢市
業種化学工業
技術分野デザイン
従業員数20人
資本金1,500万円
設立1958年

事業の背景

塗料販売店の仕事のひとつに調色サービスがあり、建築塗装業者や自動車鈑金塗装業者からの依頼で指定の色の塗料を作って販売している。当社の主力の顧客は建築塗装と自動車鈑金塗装の業者である。メーカーの基本配合データは実際の物や車の色とは違い、メーカーは規格外や1kgなど小口の調色を行わないため、塗料販売店が調色を受注している。他の塗料販売店では調色サービスを辞める店も増えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算調色は手間が多く、利益に貢献することがほとんどない状況だった。
  • 人手・技能調色を担う人材(調色マン)を育てるには時間がかかる。
  • 品質・精度建築も自動車も色数が増え、正確さも求められるようになったが、色を合わせるには技術や経験が必要だった。
  • 生産能力従来は塗装職人が調色し、塗って乾燥させ、色の違いを確認する工程を4~5回繰り返すため、1色に3~4時間かかることもあった。

やったこと

建築用塗料の調色には、関西ペイントのK-MATCHと、AIカラーシステムを導入した。既存の建築物や自動車の色を、人間の目の精度を持つカラーセンサーでチェックし、そのデータを関西ペイントのカラーセンターに送ると、何百万もの過去のデータからAIが適正な色の配合を教えてくれる。その配合を建築用塗料であればK-MATCHオートディスペンサーという自動調色機が配合データ通りに塗料を作る。自動車用塗料では、100色ほどある原色を0.1gまで測れるAIカラースケールで作成する。

その他K-MATCH オートディスペンサー(自動調色機)
ソフトAI カラーシステム
検査測定カラーセンサー

新しい製品・サービス:店頭用缶内調色システム

事業の効果

調色が早く正確にできるようになり、調色品で利益を確保できるようになった。最初にできた色でほぼ完成し、補正も1回で済むため工程が大幅に削減された。その結果、営業担当者が建築塗装業者や自動車鈑金塗装業者へ積極的に調色営業を展開できるようになった。在庫として塗料の原色を持ち続ける負担が減り、当社と取引のなかった方からの調色依頼が増えて新規顧客が増加した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    調色販売は既存の塗料販売事業の延長として読み取れるが、経営戦略上の位置付けを示す具体的記述は乏しい。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    メーカーが小口・規格外調色をしない市場の隙間や、調色サービスを辞める販売店が増えている状況を踏まえ、強みを活かす記述がある。

  • 課題の認識と解決4

    調色に1色3~4時間かかり補正を4~5回繰り返す課題を示し、最初の一色でほぼ完成する改善効果を具体的に述べている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    工程の大幅削減や利益確保は書かれるが、数値目標や賃上げ目標は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員20人の規模と、調色マンの育成に時間がかかるという記述はあるが、体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    小口調色や有償サンプル、学生の制作対応など顧客ターゲットと選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    導入後の工程改善は書かれるが、スケジュールや中長期の検証方法の記述は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    調色の市場で高付加価値化を図る内容は読めるが、普及度や高水準化を示す数字は薄い。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    調色サービスを続ける販売店が減る中で小規模業者を支える点はうかがえるが、国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果2

    工程削減の効果は書かれるが、補助金投入額に対する付加価値額や費用対効果の数値はない。

  • イノベーションへの貢献3

    AIカラーシステムとネットでの全国展開に触れており、デジタル技術の活用が読み取れるが、地域やサプライチェーンへの貢献は具体性が薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    石川県を基本エリアとし、地域の小規模業者に対応する点は読み取れるが、雇用や成長への効果は示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

事業者の声

「調色」をもっと知ってもらうために、2021年12月に開催される、東京ビックサイトの「中小企業新ものづくり・新サービス展」に出展します。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。