ものづくり補助金平成26年度医療、福祉愛知県

インソール製作の機器導入と加工プログラム開発による生産効率・品質の安定性向上

有限会社愛北義肢製作所

成果インソール1足当たりの作業時間 3.5日→1日

この事例のポイント

  • インソールの受注が徐々に増えるなか、手作業中心の生産では生産効率を上げる必要があった。
  • 平成26年度補正ものづくり・商業・サービス革新補助金に採択され、平成27年に切削加工機を導入した。
  • インソール1足当たりの作業時間 3.5日→1日。切削加工機の導入でインソール1足当たりの作業時間が3、4日から1日に短縮され、残業時間の削減にもつながった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社愛北義肢製作所
所在地愛知県 北名古屋市
業種医療業
技術分野精密加工
資本金300万円
設立1997年

事業の背景

愛北義肢製作所は義肢や装具、インソールを手がけ、主力はスポーツ疾患用のコルセットなどの装具で、整形外科病院などから受注している。インソールはフットサルのプロチームのスポンサーとして提供するほか、野球やバスケットボールなどの社会人チームにも供給している。インソールの受注が徐々に増える中で、生産効率向上のために機械化を図ることにした。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力インソールの受注が徐々に増えるなか、手作業中心の生産では生産効率を上げる必要があった。
  • 人手・技能インソールの仕上げ加工はグラインダーを使った手作業で行い、作業者の負担が大きく残業も多かった。
  • 納期・工程インソールの納期は従来1、2週間かかっていた。
  • 品質・精度足底の圧力やバランス異常を客観的に把握する手段がなく、個人差に応じた製作が難しかった。
  • その他足型データを保存しても数カ月で廃棄しており、同じ患者が来ても採り直す必要があった。

やったこと

平成26年度補正ものづくり・商業・サービス革新補助金に採択され、平成27年に切削加工機を導入した。従来はグラインダーを使った手作業だったが、切削加工機では仕上げ加工での微修正のみをグラインダーで行うことで済むようになった。インソールの大半を機械加工化し、月間60〜70足の生産が可能となった。同時に足底の圧力測定器を導入し、利用者が立っている時や歩いている時のデータを取り、バランス異常などを分析する。足型はスキャナーで読み込みデジタル化し、かかとの向きや土踏まずの高さなどの個人差を調整できるよう加工プログラムも独自に開発した。

加工機切削加工機
検査測定足底圧力測定器
ソフト加工プログラム

事業の効果

  • インソール1足当たりの作業時間 3.5日→1日
  • インソール月間生産数(機械化後) 60足→70足

切削加工機の導入でインソール1足当たりの作業時間が3、4日から1日に短縮され、残業時間の削減にもつながった。足底圧測定器により立っている時や歩いている時のバランスを分析でき、患者に説明しやすくなった。足型をデジタル化して保存できるようになり、リピーター顧客にも対応しやすくなった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性87%
  • これまでの取組との一貫性4

    保険適用外製品の受注を増やす方針が示され、月間10〜15足を50足に増やす具体的な目標が書かれている。これまでの取組との一貫性は読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    個人の足型をデジタル化し独自の加工プログラムを開発した点や、スポーツチームへの供給実績が強みとして書かれている。一方で認知度の低さも課題とされている。

  • 課題の認識と解決5

    認知度の低さを課題と認識し、ホームページでの周知を計画。インソール1足の作業時間が3、4日から1日に短縮されたと数字で示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    月間10〜15足を50足に増やす数値目標が設定されている。ただし実現に向けた生産体制の裏付けは詳しく書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    社長の名前と役割は書かれているが、補助事業を遂行する人材や体制についての記述はわずかにうかがえる程度にとどまる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    体重のかけ方の修正による痛みや疲労の緩和、スポーツ選手や高齢者向けの予防という価値と顧客層が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    受注が増えた場合に2台目の機器導入を検討するという程度の記述で、遂行方法やスケジュールは詳しく書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    保険適用外のインソールを扱い、認知度が低いことが悩みとして書かれている。高付加価値化の度合いは具体的には示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    医療費の増加を背景に予防の大切さが語られているが、経済波及や雇用創出など国が補助する理由は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果3

    作業時間の短縮や残業時間の削減が書かれているが、補助金投入額と付加価値の増加を比べる数字は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    足型をスキャナーでデジタル化し保存しやすくした点や足底圧測定器の導入が書かれている。ただし地域やサプライチェーンへの波及は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    予防医療の重要性や医療費増加に触れているが、市場成長や構造転換への貢献は具体的に書かれていない。

  • 地域経済への波及2

    北名古屋市に拠点があることは書かれているが、地域の特性を活かした雇用や経済成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

受注がさらに増えれば、切削加工機や足底の圧力測定器の2台目の導入を検討する。今後は認知度向上のためホームページなどを活用して効果を知ってもらう考え。

  • 目標:インソール月間生産数 10足→15足

事業者の声

患者に説明しやすくなった

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。