ものづくり補助金平成27年度製造業秋田県

生地自社加工による作業効率向上ならびに生産地からの提案型営業力の強化

株式会社ジェイシーエフ

成果生地の調達期間 21日→15日

この事例のポイント

  • 生地の調達に約3か月かかり、短納期の追加発注や超短納期の依頼に応じられなかった。
  • 生地の自社加工を行うため、熱転写技術でインクを生地に昇華させ、繊維に浸透させて染色のような仕上がりにする昇華転写プリント設備を導入した。
  • 生地の調達期間 21日→15日。生地の調達期間が15日に短縮し、ヒット商品の追加発注など小ロット短納期や、婦人服で求められる2〜3週間の超短納期にも対…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ジェイシーエフ
所在地秋田県 雄勝郡羽後町
業種繊維工業
技術分野デザイン,製造環境,立体造形
従業員数58人
資本金2,000万円
設立1988年

事業の背景

当社は昭和63年の創業以来、高い安全性と技術力が求められる高級子供服の製造を主力としている。アパレル全体が苦戦するなか、高品質な商品へと嗜好が拡大しており、国内生産の見直しや企画提案、独自技術が求められている。OEM生産が中心で、生地は支給となることが多く、生地メーカーとの打ち合わせや生地製造ラインの確保に時間を要し、調達までにサンプル向けで約3週間、量産向けで約2か月かかっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力生地の調達に約3か月かかり、短納期の追加発注や超短納期の依頼に応じられなかった。
  • コスト・採算サンプル向け生地は量産向けの4〜5倍の価格で、量産に至らないと全てロスとなり粗利益を圧迫していた。
  • 人手・技能縫製作業の期間が実質1か月強と短く繁忙期に集中するため、時間外労働が増え、従業員の家庭生活にも影響していた。

やったこと

生地の自社加工を行うため、熱転写技術でインクを生地に昇華させ、繊維に浸透させて染色のような仕上がりにする昇華転写プリント設備を導入した。転写紙の色味がそのまま生地に反映されないため希望の色を出すのが難しく、色彩感覚に優れた元カメラマンの従業員が生地の素材や厚さ、処理速度について研究を重ねて技術を習得した。この設備により自社で生地を加工し、多様な色彩や柄の生地を使った提案営業を強化している。

  • 加工機昇華転写プリント設備熱転写システム

新しい製品・サービス:自社加工生地を使用した製品(多様な色彩や柄の提案型製品)

事業の効果

  • 生地の調達期間 21日→15日

生地の調達期間が15日に短縮し、ヒット商品の追加発注など小ロット短納期や、婦人服で求められる2〜3週間の超短納期にも対応できるようになった。生地単価が下がり、ロスが大幅に減って粗利益が改善した。生地加工から縫製までを一貫生産することで生地調達の遅れなど外部要因を排除でき、作業量を自社でコントロールして繁閑差を平準化できた。時間外労働と労務費が減り、家庭を持つ従業員が仕事を続けやすくなった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    昭和63年創業以来、高級子供服の製造を主に手掛け、OEMから自社ブランド展開へ広げてきた経緯は読めるが、戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    生地調達が約3か月かかり短納期の依頼を取り込めなかった課題に対し、熱転写で自社生地を作り調達期間を15日に短縮した点が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決5

    調達期間を4か月納期のうち3か月から15日へ短縮し、生地単価低下と粗利益改善まで数字で示され、課題と成果が対応している。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    調達期間の短縮や時間外労働の減少は書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、目標の数値化は薄い。

  • 事業を進める体制3

    色彩感覚に優れた元カメラマンの従業員が技術を習得したと書かれ、人材面の体制はうかがえるが、事務処理や遂行体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    多様な色彩や柄の自社加工生地を使った提案営業を強化し、短納期や小ロット対応が選ばれる理由として具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    今後の活動予定として提案強化が示されるが、スケジュールや課題解決の方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    昇華型の熱転写で染色のような仕上がりを出す点は特徴だが、同分野での普及度や高価格化の水準は書かれていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    国内生産の見直しや高品質商品への需要拡大に触れるが、地域経済や雇用創出への波及効果は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果4

    サンプル生地が量産の4〜5倍のコストだったがロスが減り、粗利益が改善したと書かれ、費用対効果がうかがえる。

  • イノベーションへの貢献2

    熱転写による自社生地加工は設備の導入として書かれるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    雄勝郡羽後町の所在地と国内生産の見直しには触れるが、地域の特性を活かした雇用・成長への牽引は具体的に書かれていない。

今後の展望

当社のデザイナーやパタンナーが、サンプル品を低コストかつ短期間で作成できるようになった。この強みを活かし、多様な色彩や柄の自社加工生地を使った提案を強化している。価格決定力を持たない工賃商売から脱却し、独自の製品提供が可能となった。平成7年に立ち上げた自社ブランドは東京都内の直営店やオンラインショップで販売しており、国内外からの注文が増加し、ファンも確立されつつある。

  • 目標:

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。