ものづくり補助金平成27年度製造業群馬県

高潤滑型複合被膜技術による新たな量産冷間鍛造工法の開発

群馬精工株式会社

成果生産コストも約35%の削減となった。

この事例のポイント

  • ステンレス鋼部品は丸棒からの切削で製造されており、熱伝導率が低く加工速度が上がらないため、材料歩留まりとコストに課題があった。
  • 最新モデルの潤滑装置をベースに専用開発された2液2層型の冷間鍛造用潤滑装置を導入し、ドライヤ内蔵型インバータ制御のコンプレッサも導入した。
  • 生産コストも約35%の削減となった。高潤滑型複合被膜技術により、ステンレス鋼の冷間鍛造による量産化技術が確立できた。

事業者のプロフィール

事業者名群馬精工株式会社
所在地群馬県 藤岡市
業種輸送用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数107人
資本金1,000万円
設立1968年

事業の背景

取引先のニーズに応じ、当社は2014年からステンレス鋼の冷間鍛造化に取り組んできた。ステンレス鋼部品は従来切削で製造されていたが、顧客から冷間鍛造化へのニーズが高まっていた。当社の取引先の主要分野は輸送用機器関連の部品である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力ステンレス鋼部品は丸棒からの切削で製造されており、熱伝導率が低く加工速度が上がらないため、材料歩留まりとコストに課題があった。
  • コスト・採算熱間鍛造ではニアネットシェイプの要求に対応しにくく、ステンレス鋼の冷間鍛造の量産化が困難だった。
  • 品質・精度ステンレス鋼の冷間鍛造には専用の複合化成皮膜処理が必要で、処理液の違いから他金属の潤滑設備と兼用できず、強酸対策を伴う大型専用設備が必要だった。

やったこと

最新モデルの潤滑装置をベースに専用開発された2液2層型の冷間鍛造用潤滑装置を導入し、ドライヤ内蔵型インバータ制御のコンプレッサも導入した。市販の1液潤滑剤に改良を加えた専用の1液潤滑剤と塑性加工油を上塗りして使用した。水素ステーション用バルブ部品を量産化工法開発の対象製品とし、導入した潤滑装置で潤滑処理したワークを実際に冷間鍛造加工して試作した。目標は不良発生率5%以下、200個/ロット生産時の潤滑工程のリードタイム30分とし、試作品評価を行った。

加工機2液2層型の冷間鍛造用潤滑装置(専用開発機種)
その他ドライヤ内蔵型インバータ制御のコンプレッサ

新しい製品・サービス:水素ステーション用バルブ部品の冷間鍛造による量産化工法

事業の効果

  • 生産コストも約35%の削減となった。
  • 200個生産時のリードタイム 2.5時間→0.14時間
  • ワーク搬送テストの結果、200個連続運転が8分で実現できた。
  • 狙いの毎分25個生産が可能となった。
  • 試作したワーク200個の鍛造後の外観品質不良発生率は0%だった。
  • 量産時の張り付き品質不良も0%達成の見通しが立った。

高潤滑型複合被膜技術により、ステンレス鋼の冷間鍛造による量産化技術が確立できた。200個生産のリードタイムは2.5時間から0.14時間へ大幅に短縮し、生産コストも約35%削減した。試作品の外観品質不良は0%で、潤滑剤の剥離もなくなった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性2

    過去の取組として2014年からステンレス鋼の冷間鍛造化に取り組んできたことは書かれるが、経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    顧客からの冷間鍛造化ニーズや熱伝導率の課題は書かれるが、競争優位性の根拠となる市場分析や自社強みの記述は薄い。

  • 課題の認識と解決5

    熱間鍛造の課題を整理し、リードタイムを2.5時間から0.14時間、生産コスト約35%削減という数字で効果を示している。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    不良発生率5%以下、200個/ロットで潤滑工程リードタイム30分の目標を示し、結果として0.14時間や品質不良0%を記載している。

  • 事業を進める体制2

    体制や人材、事務処理能力についての記述は見当たらず、従業員数107人の記載のみがうかがえる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    水素ステーション用バルブ部品を対象に、需要や売上予測(2021年6,000万円等)を示し、顧客ターゲットは具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋4

    2014年からの取組、試作・評価の段階、チタン材への適用など今後の展開と目標時期が示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ステンレス鋼の冷間鍛造は量産する部品メーカーがほとんど存在しないと記載され、高水準の高付加価値化が読み取れる。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    水素ステーション整備や水素燃料関連市場の成長(2025年5,228億円)に言及しているが、波及効果や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果5

    補助事業の成果として生産コスト約35%削減、リードタイム大幅短縮など費用対効果を数値で示している。

  • イノベーションへの貢献2

    新工法による生産工程の改善は読み取れるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は記載されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出3

    水素燃料関連分野への進出が示されており構造転換に触れるが、日本経済全体への効果の記述は薄い。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

水素ステーション整備が活性化する2020年以降に水素バルブの需要が拡大すると見込まれ、2021年に6,000万円、事業終了後2年目の2018年度に1,800万円程度の売り上げを見込む。水素関連需要が本格化する2020年には1億8,000万円の売り上げを予測している。チタン材への適用により航空機産業・医療機器向け部品の試作開発も行う。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。