ものづくり補助金平成27年度建設業群馬県

コンクリート鏡面加工工法導入による、新分野への展開

株式会社タナカペインティング

成果使用量 1.5kg/m2→0.015kg/m2

この事例のポイント

  • 工場の海外進出が進んで工場の絶対数が減少し、塗床の需要が減って市場が縮小している。
  • コンクリート鏡面加工には研磨能力の高い特殊な機械が必要で、粗さが4段階ほどある研磨用の刃を使い分けて仕上げる技術を要する。
  • 使用量 1.5kg/m2→0.015kg/m2。コンクリート鏡面加工は工期・作業性・耐久性・意匠性の全てで従来の塗床より優れていた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社タナカペインティング
所在地群馬県 前橋市
業種職別工事業
従業員数24人
資本金1,000万円
設立2005年

事業の背景

当社は製造業の工場を主な取引先とする塗床工事業者で、コンクリートの凹凸を削る下地処理を行い厚さ3cm程度に塗料を塗っている。国内製造業の衰退に伴い経費削減に注力する製造業者のニーズに応え、塗料の選定や従業員の育成による工期短縮を図ってきた。製造工場の海外進出で工場の数が減る中、海外状況の調査から、欧米で主流になりつつあるコンクリート鏡面加工が国内ではほとんど使われていないことが分かった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信工場の海外進出が進んで工場の絶対数が減少し、塗床の需要が減って市場が縮小している。
  • 販路・情報発信新規開拓と自社の海外進出が必要になっている。
  • コスト・採算国内製造業の衰退で経費削減を求める顧客が多く、工期短縮などを続けてきたものの、それだけでは対応しきれない状況にある。

やったこと

コンクリート鏡面加工には研磨能力の高い特殊な機械が必要で、粗さが4段階ほどある研磨用の刃を使い分けて仕上げる技術を要する。そこで当社の主力サービスとすべく回転式床面研磨機を導入した。まず当社床で研磨テストを行い、サービスとして提供できる水準にあるかを確認した。耐久摩耗比較テストでは従来工法の塗床とコンクリート鏡面加工の床に同時間・同圧力でポリッシャーをかけて傷のつき具合を比べ、さらに硬質骨材散布後の歩行試験も実施した。デザインテストでは使用量、発色の濃さ、着色時間を従来塗装と比較した。

加工機回転式床面研磨機

新しい製品・サービス:コンクリート鏡面加工工法(工場以外の小売店舗などにも展開できる、絵柄を入れられる意匠性の高い床)

事業の効果

  • 使用量 1.5kg/m2→0.015kg/m2
  • 従来2日の作業がコンクリート鏡面加工では5時間半で完成し、作業時間は約71%削減できた
  • コンクリート鏡面加工工法によるコストは従来と比較して50%削減が可能となった

コンクリート鏡面加工は工期・作業性・耐久性・意匠性の全てで従来の塗床より優れていた。作業時間は約71%削減でき、フォークリフトの騒音や振動が軽減でき歪みも生じない。耐久性も高く、コストは従来と比べて50%削減できる見込みとなった。単色だった従来工法に対して絵柄を入れられるため意匠性が高まり、物流倉庫やショールームへの新規開拓につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性2

    従来工法の塗床を置き換える新工法の導入を示すが、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置づけは記載がなく、工期短縮の努力は触れられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    工場の海外進出による塗床需要減少という外部環境と、工期・耐久性の優位性を具体的に示し、競争優位の根拠が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    作業時間が2日から5時間半で約71%削減、コストは50%削減可能と数字で課題解決の効果が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    作業時間削減率やコスト削減率の数字は示されるが、賃上げや付加価値額の目標値は記載されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員の育成や工期短縮の企業努力に触れるのみで、補助事業を遂行する体制の具体は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    製造工場に加え物流倉庫やショールームを新規顧客として想定し、意匠性と工期短縮という選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋4

    ベトナムへの進出や展示会・商談会での営業など、時期と手順を含む展開方法が具体的に述べられている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性100%
  • 新しさ・高付加価値5

    国内ではほとんど使われていないコンクリート鏡面加工に着目し、同じ分野で高い意匠性を持つ点が示されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    製造業の海外進出による市場縮小への対応とされ、雇用や波及効果への言及は薄い。

  • 費用対効果4

    投入額に対し作業時間約71%削減、コスト50%削減など費用対効果を具体的な数字で示している。

  • イノベーションへの貢献2

    新しい工法の導入は述べられるが、デジタル技術や地域・サプライチェーンへの貢献は明確に書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    海外進出で縮小する塗床市場から新分野へ展開する点は触れられるが、日本経済の構造転換との関係は書かれていない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

工場を中心とした塗り替え需要に加え、物流倉庫やショールームへの新規開拓を展示会や商談会、営業活動で進める。海外では技能実習生を受け入れているベトナムへの進出を狙い、仕入れルートや現地工場への営業、現地人材の確保などの基盤を整えて実習生の帰国に合わせて事業展開を図る。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。