ものづくり補助金平成27年度建設業和歌山県

太陽光パネルの最新検査システムの導入により保守メンテナンスの精度向上を図る

有限会社 プウバアー商会

この事例のポイント

  • 産業用太陽光発電システムの不良箇所の発見と、その正確なデータの提示が求められていた。
  • 最新検査システムとしてEL検査装置を導入し、屋外の太陽光パネル設置現場でメーカー工場と同レベルの品質検査を行えるようにした。
  • EL検査装置で目視では確認しにくいモジュールの劣化や小さなひび割れを検出できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社 プウバアー商会
所在地和歌山県 紀の川市
業種設備工事業
従業員数9人
資本金500万円
設立1973年

事業の背景

1973年に前代表取締役が大手サブコンでの勤務経験を基に設立し、太陽光発電や室内配線工事を主力とする一般電気工事を手掛けてきた。取引先は紀の川市、岩出市、和歌山県などの官公庁や地元建設会社が多い。近年は資材置場跡地や遊休地での太陽光発電システム設置工事のまとまった受注がある。2015年に入り顧客の新エネルギーへの関心が高まり、産業用太陽光発電システムの保守・メンテナンス依頼が増加している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度産業用太陽光発電システムの不良箇所の発見と、その正確なデータの提示が求められていた。
  • コスト・採算不良箇所の修理対応を短納期かつ低コストで行うことが求められていた。
  • 人手・技能従来の発電モニターによる監視や電流センサーによる不良箇所の特定は検査員の知識と経験に頼る部分が大きく、客観的な報告ができていなかった。
  • 新製品・新技術太陽光発電システムの保守メンテナンスの事業化が十分に進んでいなかった。

やったこと

最新検査システムとしてEL検査装置を導入し、屋外の太陽光パネル設置現場でメーカー工場と同レベルの品質検査を行えるようにした。同時に解析ソフトウェアを導入し、不良箇所と不良原因を一目で分かるようにした。太陽電池モジュール洗浄装置を導入し、短時間で効果的にパネルの汚れを除去できるようにした。赤外線温度カメラを導入し、発電量が低下している場所を迅速に発見できるようにした。これらの設備により不良箇所・故障原因の見える化を進め、保守メンテナンスを行う体制を再編した。

検査測定EL検査装置
その他太陽電池モジュール洗浄装置
検査測定赤外線温度カメラ
ソフト解析ソフトウェア

事業の効果

EL検査装置で目視では確認しにくいモジュールの劣化や小さなひび割れを検出できるようになった。解析ソフトウェアにより不良箇所と原因を客観的かつ明確に分析し、顧客に報告できるようになった。洗浄装置と赤外線温度カメラにより、汚れの除去と発電量低下箇所の発見を迅速に行えるようになった。発電量の多い顧客から好評を得て、引き合いが増えている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の電気工事・通信工事の強みを背景に太陽光発電の保守へ広げる流れは読めるが、経営戦略上の位置付けを示す具体的な数字や記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    顧客の新エネルギー関心の高まりと発電量の多い顧客への好評は読み取れるが、競合比較や市場データの具体性は乏しい。

  • 課題の認識と解決4

    発電性能の劣化が事業収益に影響する課題を示し、不良箇所の正確なデータ提示と短納期修理を解決策として挙げており具体的。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく、達成見込みを判断できる数値は読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    電気工事と通信工事を自社で対応できる体制や資本金・従業員9人の記載はあるが、補助事業の遂行体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    EL検査で目視困難な不良箇所を検出でき、解析ソフトで客観的な報告ができる点など、選ばれる理由が具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    新たに保守メンテナンス体制を再編し協力企業と営業を進める方針は示されるが、スケジュールや課題解決の具体的な手順は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    太陽光パネルの保守検査分野で設備を保有する企業は少ないとあり、差別化の方向性は読めるが普及度の数値は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    再生可能エネルギーの普及や地域の雇用・既存電気工事業者への波及は触れられているが、国が補助する積極的理由の記述は弱い。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額の増加、生産性向上の数値は示されておらず、費用対効果は判断できない。

  • イノベーションへの貢献3

    EL検査装置や解析ソフト、赤外線温度カメラによる不良箇所の見える化は先端技術の活用として読み取れるが、地域サプライチェーン全体への貢献は限定的。

政策面60%
  • 成長分野への進出3

    太陽光発電の保守という再生可能エネルギー分野への進出は読み取れるが、日本経済の構造転換への言及は薄い。

  • 地域経済への波及3

    紀の川市など地元案件を積極的に請け負い地元での信頼を高める方針は読めるが、雇用創出や成長の数値は示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

投資家(オーナー)や法人への提案営業に取り組み、協力企業と共に太陽光パネルを設置している投資家や法人向けに営業を進める。地元の案件も積極的に請け負い、信頼を高めていく。産業用設備はさらに普及が見込まれるため、エネルギーマネジメントの観点から提案を進める。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。