ものづくり補助金平成27年度宿泊業、飲食サービス業岐阜県

ぎふジビエブランド普及の加工商品開発促進事業

株式会社キサラエフアールカンパニーズ

この事例のポイント

  • シャルキュトリに適した原材料の配合と調理方法の確立が難しく、商品の品質を安定させる必要があった。
  • 岐阜県内の中山間地域で捕獲されたシカ、イノシシを活用するため、食肉加工の機械であるサイレントカッターを導入した。
  • 目で見ても楽しめる肉など、これまで使わなかった部位を使うことで原価を下げ、平均して20%以上の原価率低減を達成した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社キサラエフアールカンパニーズ
所在地岐阜県 揖斐郡揖斐川町
業種飲食店
従業員数30人
資本金1,000万円
設立2010年

事業の背景

株式会社キサラエフアールカンパニーズは、ジビエ料理を提供するレストランを運営し、狩猟から食品加工、流通販売までを一括して手がけている。これまでは一般消費者や飲食店向けにジビエの精肉や枝肉を販売していた。岐阜県内ではシカ・イノシシによる農作物被害が年々増えており、平成26年度の被害額は2億5,017万円にのぼっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度シャルキュトリに適した原材料の配合と調理方法の確立が難しく、商品の品質を安定させる必要があった。
  • コスト・採算脂ののった柔らかい肉は使える量が限られ、原材料の原価が高騰しやすかった。
  • 人手・技能現状の設備では肉のカットや練り込みがほぼ手作業となり、時間と人手が大きくかかっていた。

やったこと

岐阜県内の中山間地域で捕獲されたシカ、イノシシを活用するため、食肉加工の機械であるサイレントカッターを導入した。最も手間のかかるカット工程と練り込み工程にこの機械を使い、工数を削減した。精肉として売りにくい部位なども使い切ることで原価を抑え、新しい加工商品の配合と調理方法を確立した。試作品を当社レストランの来店客にアンケートし、味と価格などの総合評価で当初の目標を達成した。

加工機サイレントカッター

新しい製品・サービス:食肉加工製品(シャルキュトリ)8アイテム

事業の効果

目で見ても楽しめる肉など、これまで使わなかった部位を使うことで原価を下げ、平均して20%以上の原価率低減を達成した。今まで作ることができなかった商品の開発や、低コストの製品を加工できる仕組みが構築できた。新商品は8アイテムをラインナップできる見通しが立ち、必要な配合と調理方法も確立した。豚肉の商品よりもシカやイノシシのジビエを好む客が増え、販路の拡大にもつながっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    ジビエ精肉販売から加工商品開発へ広げる経緯は書かれているが、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置付けは具体的に読み取れない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    ホテルへの卸や東京・名古屋・大阪への販路、ジビエ解体から加工まで手掛ける点が書かれ、自社の強みは読み取れるが市場動向の分析は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    手仕事による時間と人手、原材料の原価高騰という課題を挙げ、サイレントカッター導入で原価率20%以上低減を達成したと具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    平均20%以上の原価率低減を達成したと数字で示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数30人と記載はあるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力については書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    8アイテムのラインナップ、試作品アンケートで味・価格の目標達成、客がシカ・イノシシを好む傾向など、ニーズの裏付けが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    今後のブランドづくり、香港フード展出展、海外進出の検討が書かれるが、スケジュールや課題解決の方法は具体的ではない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    シャルキュトリとジビエ商品の開発を進めた点は読み取れるが、同分野の普及度や高付加価値化の水準は明示されていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用4

    岐阜県の獣害被害額2億5,017万円や揖斐川町の課題を示し、獣害対策と地域活性化への貢献という公的な意義が具体的に書かれている。

  • 費用対効果3

    原価率20%以上低減という効果は読み取れるが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    サイレントカッターによる機械化は書かれているが、先端的なデジタル技術や新ビジネスモデルでのサプライチェーン貢献は読み取れない。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    ジビエの活用や海外進出の検討はうかがえるが、日本経済の構造転換に資する成長分野への進出という文脈は明確ではない。

  • 地域経済への波及4

    岐阜県中山間地域の狩猟捕獲や揖斐川町の獣害対策に根ざし、地域農林業保全と地域ブランド創出に結びつく取組として具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後はブランドづくりが重要となり、商品開発にいっそう力を入れていく。海外への進出も検討しており、実際に香港のフード展に出展した。販路拡大にもっとスピード感を持って臨み、日本で一番のジビエ会社を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。