ものづくり補助金平成27年度製造業福岡県

最新モデル「自動平盤打抜機」導入による高度生産性向上と小ロット対応力の強化

八女紙工有限会社

成果給紙工程の停止回数(1日) 20回→5回

この事例のポイント

  • 大手では対応できない小ロットの受注が増え、注文に応じきれない状況になっていた。
  • 最新モデルの自動平盤打抜機を導入し、シーケンサー制御記憶機能やバイブレーションコンベアー制御機能を備えた機械で生産性の向上と競争力の強化を図った。
  • 給紙工程の停止回数(1日) 20回→5回。給紙工程の停止回数が大幅に減り、1日あたり約60分の余力が生まれた。

事業者のプロフィール

事業者名八女紙工有限会社
所在地福岡県 八女市
業種パルプ・紙・紙加工品製造業
技術分野機械制御
従業員数19人
資本金1,000万円
設立1970年

事業の背景

福岡県八女・筑後地域は農産物の生産や伝統産業が盛んで、出荷のための梱包材の需要が高い。同社は地域内の大手紙工業社の工場から依頼を受け、段ボールシートを原料とする梱包材の製造加工を行っており、印刷は行わず加工を専門にしてニーズに沿った細やかな対応を強みとしている。近年は大手では対応できない小ロットの受注が増え、品質と納期の高いレベルに加え、物流への高度なサービスや環境に配慮した複雑な形状の緩衝材、機能性段ボールなど付加価値が求められている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力大手では対応できない小ロットの受注が増え、注文に応じきれない状況になっていた。
  • 品質・精度取引先から品質と納期のいずれも、より高いレベルが求められていた。
  • 生産能力給紙工程では停止回数が多く、1日に20回止まっていた。
  • 人手・技能セット工程は作業者が木型を使い手作業で行っており、1回分のセットに15分かかっていた。
  • 生産能力カス取り工程は専任の作業員が手作業で不要部品を除去しており、処理は1分あたり20枚にとどまっていた。

やったこと

最新モデルの自動平盤打抜機を導入し、シーケンサー制御記憶機能やバイブレーションコンベアー制御機能を備えた機械で生産性の向上と競争力の強化を図った。給紙工程では従来の3枚ベルト方式に代わりリードエッジ方式を採用し、外気温や湿度の変化で起きる反りシートに対して安定性を高めた。給紙クラッチは電磁クラッチから爪クラッチ方式に変更し、定期交換を不要にしてランニングコストを低減した。セット工程では木型を使った手作業をデジタル化し、各モーターで自動的にセット替えする仕組みとし、コンマ何ミリの調整も可能にした。一度セットした情報は記憶され、コード番号を入れると次回以降のセット時間を短縮できる。カス取り工程では、コンピューター制御のバイブレーション機能を持つ搬送ベルトで製品を挟み、排出しながら不要部品を自動で除去する方式に転換した。冬場の静電気による紙の引っ付きを防ぐため、静電気防止機能もオプションで付けた。

加工機自動平盤打抜機
その他静電気防止機能(オプション)

新しい製品・サービス:最新モデル「自動平盤打抜機」

事業の効果

  • 給紙工程の停止回数(1日) 20回→5回
  • セット時間(1転あたり) 15分→2分
  • カス取り処理能力 20枚/分→40枚/分
  • 1日の生産能力 5,000枚/日→10,000枚/日

給紙工程の停止回数が大幅に減り、1日あたり約60分の余力が生まれた。セット工程は自動化とデジタル化により作業時間が大きく短縮され、カス取り工程では自動除去によって処理速度が2倍になった。生産能力はほぼ倍増し、手作業だった工程が機械化されたことで後工程に人を割けるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    段ボール加工を専門に取引先の依頼を受けてきた経緯が書かれ、今回の自動平盤打抜機導入はその延長として位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    小ロット受注増加や大手では対応できない細やかな対応が強みとして示され、設備導入で日産1万枚に対応できる点が書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    給紙停止回数20回から5回、セット時間15分から2分、カス取り1分20枚から40枚など、課題と改善が数字で示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    年間1000万円の売上増という目標値が示されている。賃上げ目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員19人で営業要員がゼロとあり、体制の厚みはうかがえるが、補助事業の遂行体制は具体的に書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    既存顧客の拡大と新規開拓を狙うとあるが、顧客ターゲットの整理や選ばれる理由の詳細は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    後工程の糊付けが課題として挙げられ、今後の機械化検討や厚い板紙への展開が書かれているが、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    段ボール加工の分野で、機能性段ボールなど付加価値づけの要求に応える方向がうかがえるが、高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    地域の紙工業や伝統産業の梱包需要に応える点が書かれているが、経済波及効果の数値的な裏付けはない。

  • 費用対効果4

    生産能力がほぼ倍増、停止回数の大幅削減、ランニングコスト低減など、投資効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    デジタル化による自動セット替えや制御機能が導入されているが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    八女・筑後地域の伝統産業や農産物の梱包需要に応える地域性が書かれているが、地域成長への牽引は具体的ではない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

既存顧客からの販路やシェアの拡大と新規開拓により、毎年1000万円の売上増を目標にしている。機械打ち抜き後の糊付けなど後工程が増えており、ある程度機械化を検討している。今後は厚い板紙や、車関係で需要が高まっているプラスチック製の段ボールも視野に入れている。

事業者の声

まだまだ、余力があります よ

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。