ものづくり補助金平成28年度建設業茨城県

一体化作業用ロボットの導入・ローカライズによる作業効率の向上

株式会社ダイトー

成果作業車の台数 2台→1台

この事例のポイント

  • 国内メーカーの機器では、自走式カメラと高圧洗浄・吸引の処理機器が個別に必要で、管の両端のマンホールから別々に挿入して作業するため作業効率が低い。
  • オランダのアイディーテック社が開発した自走式カメラと作業ロボットが一体化したロボットシステム「スワーロボテックス」を導入した。
  • 作業車の台数 2台→1台。一体化システムの導入により、作業効率が大幅に向上し、コストダウンも実現した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ダイトー
所在地茨城県 つくば市
業種設備工事業
技術分野機械制御
従業員数21人
資本金1,000万円

事業の背景

国内の下水道管の大半は埋設から約50年が経過しており、劣化や堆積物の悪化が著しい。悪臭や有毒ガスの発生、管の破損が頻発する事態となっている。同時に下水道法改正に伴い、適切な管理と維持が急務となっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力国内メーカーの機器では、自走式カメラと高圧洗浄・吸引の処理機器が個別に必要で、管の両端のマンホールから別々に挿入して作業するため作業効率が低い。
  • コスト・採算管の構造や堆積物によっては管を掘り起こす必要があり、費用と作業時間が大幅にかかる場合があった。
  • 人手・技能有毒ガスや増水した雨水による作業員の死亡事故が起き、人の立ち入りが制限された結果、目視しながらの作業ができなくなり効率が低下した。
  • 生産能力埋設から約50年が経過した下水道管の劣化や堆積物が悪化し、悪臭・有毒ガス・管の破損が頻発しているため、迅速な処理が求められていた。

やったこと

オランダのアイディーテック社が開発した自走式カメラと作業ロボットが一体化したロボットシステム「スワーロボテックス」を導入した。直径150ミリから900ミリの管内に対応し、カメラで管内状況を地上でリアルタイムにモニタリングしながら、訓練を受けたオペレーターが異物除去作業を行う。国内メーカーより高い水圧最大1000バールを実現し、油脂、セメント、錆こぶなど、これまで取りきれなかった硬い障害物の除去も可能になった。管の劣化を補修して強化する更正工事も、ノズルの付け替えにより管を取り替えずに対応できる機能を備えた。欧州基準の規格を日本に合わせて修正してオーダーし、4トン車1台にすべてのシステムを集約した。

ロボットスワーロボテックス(自走式カメラと作業ロボットの一体化システム)

事業の効果

  • 作業車の台数 2台→1台

一体化システムの導入により、作業効率が大幅に向上し、コストダウンも実現した。カメラと処理機器が一体になったことで、今まで2台必要だった作業車が1台で済むようになった。管を掘り起こさずに、これまで困難だったレベルの清掃作業と更生工事が可能になり、道路を封鎖しての作業が減るメリットもあった。処理能力の向上により、取りきれなかった硬い異物の処理もできるようになり、ターゲット市場の拡大につながる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    下水道管の維持管理・更生工事を業務とし、海外製ロボット導入で作業効率を高める流れは読めるが、過去の取組との連続性を示す記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内機器より高い水圧最大1000バールや、今まで2台だった作業車が1台で済む点など、競争優位の内容が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    管の劣化や堆積物による処理の迅速性不足という課題を示し、一体化システムで作業時間短縮と更生工事対応に結びつけている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    作業効率向上やコストダウンは述べられているが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    訓練を受けたオペレーターや語学に堪能な技術者を揃えている点は読めるが、補助事業の遂行体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    管径150〜900ミリ対応、4トン車1台に集約、リアルタイム監視など、製品価値と選ばれる理由が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋2

    海外展開や業種認定を目指すとあるが、スケジュールや課題解決の方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    国内では困難だった硬い障害物の除去や欧州規格の日本仕様化など、同分野で高水準の機能を持つことが具体的に示されている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    下水道の老朽化や下水道法改正への対応、悪臭・有毒ガス事故防止など社会インフラ上の必要性はうかがえるが、波及効果や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果3

    作業車2台から1台、道路封鎖の減少などの効果は書かれているが、投入額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    カメラとロボットの一体化による効率化は示されるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は明示されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    原子力施設等への新分野進出を視野に入れると書かれているが、日本経済の構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及2

    つくば市を拠点とする地域企業であることはうかがえるが、地域特性を活かした付加価値や雇用創出の記述はほぼない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

アジアの拠点として海外での作業を展開しており、世界への進出と下水道維持管理の業種認定を目指して、さらに発展することを見据えている。今後は原子力施設等の新たな分野への進出も視野に入れている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。