ものづくり補助金平成28年度製造業愛知県

自動車内装品縫製材製造の革新的な生産・歩留り改善技術の確立

株式会社生田工芸

成果最新型NC機はプレス機より無駄になる生地が少なく、歩留まりは10%程度高い

この事例のポイント

  • 増産への対応が求められているが、人手不足で人員増強が容易ではない状況にある。
  • 補助事業では、稼働する3台のNC機のうち20年ほど前に導入した1台を最新型のNC裁断機に更新した。
  • 最新型NC機はプレス機より無駄になる生地が少なく、歩留まりは10%程度高い。最新型NC裁断機の導入で歩留まりが10%程度向上し、材料費の削減により年間数十万円のコスト削減となった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社生田工芸
所在地愛知県 碧南市
業種繊維工業
技術分野機械制御
資本金1,000万円
設立1973年

事業の背景

生田工芸は自動車内装や業務用保冷ボックスの裁断、縫製を手がけている。10年ほど前までは自動車用シート向けが100%だったが、世界的な経済危機の後は一時、売上高が3分の1の年間1億円まで落ち込んだ。危機を脱するため自動車以外の仕事の獲得に乗り出し、スーパーや宅配業者などの業務用保冷ボックスの受注を確保した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力増産への対応が求められているが、人手不足で人員増強が容易ではない状況にある。
  • 人手・技能休日出勤や残業など無理をして顧客要望に応えてきたが、採用難と社員・パートタイマーの高齢化で無理が効かなくなっている。
  • 品質・精度従来のプレス裁断機では生地の無駄が多く、歩留まりが低かった。
  • コスト・採算業務用保冷ボックスは裁断した生地の端の処理が難しく、受注量も不安定で短納期対応が必要なため利益を出せない状況だった。

やったこと

補助事業では、稼働する3台のNC機のうち20年ほど前に導入した1台を最新型のNC裁断機に更新した。同時に、前工程で反物を一定の寸法にカットする延反工程を自動化するため自動延反機も導入した。これにより機械オペレーター1人に省人化でき、NC機は2人で3台を受け持てるようになった。最新型NC機はプレス機と同等の精密裁断が可能で、無駄になる生地も少なく歩留まりは10%程度高い。

加工機最新型NC裁断機
加工機自動延反機

事業の効果

  • 最新型NC機はプレス機より無駄になる生地が少なく、歩留まりは10%程度高い
  • 機械オペレーター人数 2人→1人
  • 生産コストの半分以上が材料費で、年間で数十万円のコスト削減となる

最新型NC裁断機の導入で歩留まりが10%程度向上し、材料費の削減により年間数十万円のコスト削減となった。自動延反機で延反工程が自動化され、機械オペレーター1人が省人化された。廃棄物となる生地も減り、廃棄コストも削減できるという相乗効果も生まれた。高精度のNC機により、自動車向けの生産性と業務用保冷ボックスの伸びも業績に貢献している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    自動車シート事業を主力に据え、苦境時の自動車以外の獲得を経て業務用保冷ボックスを開拓したと読み取れる。過去の取組との一貫性が示される。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    縫製技術の向上と外部縫製業者との協力体制で受注変動に対応したとあるが、市場動向と自社強みの関係は具体的に示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    売上が一時3分の1の年間1億円まで落ち込み、増産対応や人手不足という課題を認識し、NC機導入で生産効率を改善したと読み取れる。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    歩留まりは約10%高い、材料費の半分以上で年間数十万円のコスト削減とあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    外部縫製業者との協力体制や次世代への経営バトンタッチが書かれているが、補助事業を遂行する人材・事務体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    業務用保冷ボックスは食材運搬・輸送向けで顧客像は読めるが、選ばれる理由は納期を守る姿勢が評価されたという程度に留まる。

  • 事業化までの道筋3

    順次NC機を更新する方針や次世代準備が示されるが、スケジュールや課題解決の具体的な方法は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    自動車内装の裁断・縫製は一般的な分野で、高付加価値化や高価格化を図る根拠は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 費用対効果4

    NC機導入で歩留まりが約10%向上し、材料費の半分以上を占める中で年間数十万円のコスト削減と廃棄コスト削減が示される。

  • イノベーションへの貢献2

    NC機やプレス機の自動化は読み取れるが、デジタル技術の先端性や地域・サプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    碧南市で営業する企業であることはうかがえるが、地域の特性を活かした付加価値や雇用創出の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

順次NC機を更新していく方針で、次世代に向けた準備を進めている。平成30年8月に生田智裕社長が就任し、次世代へのバトンタッチも進めている。

事業者の声

「全体で見れば数%の向上だが効果は大きい」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。